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アロットロールゲイン  作者: 池金啓太
十九話「世界は動く、まだ見ぬ先へ」

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「お……宴会コースなんてのもあるのか」


「ん?あぁ、旅館やホテルなどで提供しているコースだな。こういうものが好きなものもいる。特に会社などの旅行などではよくあるらしいぞ?」


 それは手越が適当に調べていたホテルの提供している内容で見つけたものだった。


 カラオケ設備や大量の料理、大広間の紹介なども大きなホテルの紹介では上がっている。


 そんな中、手越は検索中に引っかかっていたとある単語を目にする。


「ん?コンパニオン?」


「コンパニオン?コスプレ用具とかそう言うのもあるのか?宴会芸的な?」


 それは宴会などに呼ぶことができるコンパニオンの会社の紹介などがある。とはいえそれはホテルとはまた別のサイトだ。


 コスプレの類が好きな手越がそのサイトを見ると、そこには宴会特有の若干破廉恥な写真なども掲載されている。


 特に美女などが宴会に参加している中年と戯れている様子などもあった。


「……おいこれ、これ!まさか!」


「ん?どうした?どんなコスプレなんだ?」


「違うって!これ見ろ!」


 手越が自分の携帯を周介と真鍋に見せると、二人は一瞬顔を引きつらせる。


「これ……所謂風俗ってやつか?デリヘルってやつか!?」


「いや、これはあれだな。宴会とかに呼べるコンパニオン……その中でもピンクコンパニオンと呼ばれる奴だな」


「知っているのか真鍋!?」


 真鍋は自分の口元を隠しながら周りに誰かがいるかを確認してから二人の頭を掴んで近づけ小声で話し始める。


「いいか二人とも、世の中には宴会を盛り上げる為に多少ムフフなことをしてくれる女性陣を呼ぶということがある。それがこのピンクコンパニオンだ」


「マジか……大人の社会ではよくあることなのか?それとも政治家の世界ではよくあるのか?」


「俺も詳しくは知らん。だが噂によると、かなり踏み込んだところまでできると聞く」


「……それは……まさか……最後まで……?とか……?」


 最後まで。具体的にそれが何なのかは口にしなかったが、三人とも全く同じことを想像していた。そしてそれが大宴会の最中であるという不随事項を想像し、生唾を飲む。


「いやいや、まさかそんな!だって宴会なんだろ?他にも人いるんだろ?さすがにないだろ!だってホテルとかと提携しててそれは」


「風営法?とかに引っかかるだろ。真鍋、いくら俺たちがピュアなチェリーボーイだからって騙そうたってそうはいかねえぞ」


「そうか?この画像を見てみろ」


 真鍋が提示した部分には下着姿で男と抱き合っている写真がある。顔などにはモザイクなどがかけられているが、かなり露出は多い。


 しかも写真の中には似たような光景が背後に移っているのだ。


「…………マジか…………え?マジか……!?大人の世界ってこんなに汚れてるの!?」


「うぉぉぉ!?マジかよテンション上がるな!大人になるとこんなことできるのか!」


 二人とも立派な男で健康的な男子高校生だ。こういうことに興味がないといえばうそになる。いや、むしろ興味津々だった。


「何処までできるかは実際に行ってみないことには分らんがな。だがこういう世界もあるということだ。いずれ俺たちも経験するかもわからん」


「いやこれ……んんん……俺こういうのだめだな」


「え?なんで!?こういうの興奮しねえ?」


「いやだって不特定多数の中にいるんだろ?そういうのはちょっと……一対一ならともかくさ」


「なるほど、百枝はそういうタイプか。確かに不特定多数の人間にそういう場面を見られるというのはなかなか度胸を擁する。逆に手越はそういうのは平気なタイプか?」


「俺は別にどういう場所でも平気かな……そういうのをやってみたいっていう気持ちのがでかい」


「え?お前相手は誰でもいい感じなの?」


「だってこれ見る限り結構美人じゃん?それならよくね?」


「いやいやいや!俺ら童貞だぞ!初めての相手がこういうのってなんかいやじゃないか!?」


「はぁ!?別に平気だろ!むしろそっちのがエロくていい感じがする。リードしてくれそうだしよ!慣れてないうちはそれもいいだろ!」


「未成年の会話とは思えんが……そうか、手越はそういう、所謂風俗で脱童貞というのは問題なくて百枝はそういうのが少し嫌か」


 脱童貞の云々をこのような談話室で語る高校生というのも問題があるのだが、他に聞いている者もいないため真鍋としては止めるつもりはなかった。


 少なくとも男たるものいずれは通る道であるはずなのだ。それに関して思うところがあるのも無理はないと真鍋は話を促す。


「ん……初めてだったらさ、なんかこう……もうちょっと思い出というかさ……」


「捨てるもんにそんな愛着もってどうするんだよ。俺らはいつか今まで守ってきた童貞を捨て去って羽ばたいていくんだぞ?」


「今まで守ってきたからこそ大事にしたいんだろ?大体何が羽ばたくんだよ。毛か?それとも袋の部分か?」


「ちょっと面白いからやめろ。想像しただろう!」


 自分の股間についているものが羽ばたくのを想像して笑ってしまう。ものすごくどうでもいい、くだらない事に笑ってしまった真鍋は咳払いをしてはなしを先に進めようとしていた。


「ともかくだ。二人の言い分はそれぞれ間違っているとは思わない。百枝の言うように、初めてのことだからこそ大事にしたいというのもわかるし、手越の言うように経験を積むこと重視というのもわかる。互いの言い分を聞こう。まずは百枝からだ」


「ん……だってよ?そういう行為ってのはもともとは子供を作るためだろ?好きな相手以外とやるってのは、どうなのよ?」


 周介の頭の中では確かにそういったことには興味があるが、そういうことは当然ながら相手がいるからこその話だ。前提として相手がいてから成り立つものであるため、その相手が自分の好きになる相手、自分のことを好きな相手であるという前提があった。


 そのため相手が誰でもいいという考えは相いれなかった。


「ふむ、確かに愛し合うことが前提なのだからというのは間違っていないな。次手越」


「そもそもよ、気持ちよくなることにそこまで重要性はいらねえだろ?それにさ、お前が言うところの好きな相手ってのを初めて相手にするとき、うまくいかなかったらトラウマもんだぞ?それならその道のプロに指導してもらうってのも大事だろ」


「確かに手越の言うように、本番だからこそ上手くいかないというのはよく聞く話だ。経験を積むという意味では決して間違っていない。昔の貴族などでも、そういうことを指導する者はいたというしな」


「えー……現代社会にそんな昔の風習持ち出すのかよ」


「互いに初めて同士だとどうなるかわかんないだろ!少なくとも俺はわからん!相手がどう感じるのとか、どういうのがダメなのとか!そういうの全然わからん!だから危ないし怖いだろ!」


「そう言うのを探り探りやってくのもいいんだろ!そういう相手の呼吸とかそう言うのも確認しながら上手くいかなかったりとかも思い出になるだろ!」


「上手くいかなかった思い出はめっちゃ引きずるぞ!うわあああ!ってなるぞ!それだったら経験しておいて損はないと思うね!」


「落ち着け落ち着け。二人の言い分はどちらも間違ってはいないんだ。ただ手越、どちらかというのなら俺も相手は選ぶべきだと思うぞ?誰でもいいというのは少々がっつきすぎだ」


 真鍋が味方をしてくれているという事実に周介は「ほれみろ」という渾身のどや顔をして見せる。手越は若干不満なようだったが、そんなことを話しているときに別の寮生が何人か通りがかる。


「なんだよ変態三銃士。またなんか話してんのか?」


「お!?ちょうどいいところに!お前らも意見出せ!」


「は?え?何?何事?今度は何?」


 手越がその寮生たちを捕まえて自分たちの近くに連れてくると真鍋が咳払いを一つしてから話題を提示する。


「お前たちは、童貞を卒業する時、風俗を良しとするか否か。さぁどっちだ?」


「なんだその質問!お前ら本当にアホな事話してんな!」


 寮生は呆れてものも言えないという表情をしたが、まったく仕方がないなと言いながらも近くにあった椅子を持ってきていつものように周介たちと話をする段取りをする。


「俺は普通にありだと思うぞ?そういうエロいお姉さんに導いてほしいし」


「いやいや、最初はやっぱ好きなやつだろ。あるいは見知った奴。まったく知らない奴に股間を任せるとかどうなの?」


「相手はプロだろ?そういうの専門ならどうにでもなるんじゃね?」


「あー……俺はなんか病気とかが怖いからそういうのはちょっとなぁ……あるって聞くじゃん?」


 皆一様に男子高校生であるためそういった話題には敏感だ。そのうえ興味もある。今まで度重なる議論をこなしてきただけに多少の踏み込んだ内容で怯むような男子はこの寮にはいなかった。


 それもどうなのかとこの場にまともな神経を持ったものがいれば突っ込んだのだろうが、もはやこの場はブレーキが壊れた雰囲気しかなくなっている。


 ここまで来たら突き進むしかないと全員がアクセルを踏み込んでいた。


「俺彼女とかできる気がしないからそういうところに頼ることになるのかなぁ……でもなぁ……彼女欲しい!」


「なるほどそう言うのもあるか。自信がなくて頼って自信をつけるという意味でも初めてを任せるというのもあるか」


「お前らみたいに顔がよければいいけどよ……あいにく俺はそういうの無理だってわかってるよ」


「おいおいまだ俺ら高一だぞ?希望を捨てるなって。いつか美人でスタイルのいい彼女ができるって」


「何処にそんな要素があるんだよ俺に!慰めるんじゃねえよ!むなしくなるだろうが!」


 あまり美形とは言えない男子生徒の絶叫に、なんだなんだと他の寮生たちも集まってくる。


 そして周介たち三人に加えて他の生徒も何やら話をしているのを見て「まったくこいつらは仕方ねえなぁ」というかのように呆れた顔をしながら近くの椅子を持って話に加わっていた。


 内容のディープさから少々戸惑っている者もいたが、互いにその話に盛り上がってしまうのも仕方がなかった。


 とはいえ、話が話だけに、さらに言えば彼らがまだ未成年でまともにそういう店の実情を知らないせいでほとんどが妄想を前提にしたものだったが、話は大きく発展する。


 当然、かなりの騒ぎになって最後に寮監に怒られるまでがセットになっていたが。


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― 新着の感想 ―
[良い点] この3人が集まって真面目な話だけで終わらないの好きです
[一言] まさかの二日かけて上げて叩き落とすパターン……やっぱりこの三人が寮で固まったらこうなるんですねwww
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