ルーク参戦
第24話
ネラとアレンとクラルの電磁系能力者の連携により、敵を撹乱して分断を試み、それぞれのポイントでヒュラ、クラル、ケラが戦力を削ぎ、他の隊員が後方から援護する形で敵をばらけさせるという方針で策を練っていた。
ヒルの超予測とサマンダーのステルスが作戦を実現するための切り札である。
準1級のウツボカヅが25体、300体の前衛に現れた。
準1級メレピーは戦車型のキャタピー、他にも1級メレピーに、ティーラやモウセンゴケ型のモウセンゴ、ミサイル型のミサイ、クジラ型のホエーラがいた。
準1級のウツボカヅのうちの10体はマラルの攻撃で粉々に吹き飛んだ。
ネラが磁気迷路にサテライトを旋回させて、四方八方からウツボカヅに攻撃する。
クラルがプラズマの遠距離斬撃を複数放つが、磁気迷路により誘導された電場が複雑に絡み合いながらウツボカヅに命中する。
ウツボカヅは一体につき3〜6個ほどの瓢箪の形の袋を持っていて、根が足のように動く。
ネラとクラルの攻撃で、7体は切り刻まれ爆発してボロボロになった。3体が萎れた。
アレン
「これで準1級か。雑魚だろ」
クラル
「油断するな」
アレンが萎れたウツボカヅをプラズマの剣で切り掛かった。
「嘘だろ?硬すぎだって!」
プラズマを弾かれ、切り傷一つ付かなかった。代わりに、先ほど切り刻まれたウツボカヅが大量の粘液をアレンに放った。
アレンは相当丈夫なシールドを敷くが、無惨にドロドロに溶かされ、頬と右腕の上腕二頭筋辺りと右脇腹が軽く爛れたようになる。アレンは咄嗟に後方に退き、身体損傷によるニューオン流出を回避した。
クラル
「気を付けろって言っただろ!」
アレン
「うっせえな」
ネラ
「言い合いしてる場合じゃないよ」
ネラが広範囲落雷で覆うようにしてウツボカヅを攻撃し、強力な電熱により蒸発するように粘液が消えていく。
クラルが強力なプラズマの剣を一体一体に直接、粘液が届かない間合いを確保しながら切り刻み、先ほどボロボロにした7体と萎れた3体にとどめを刺した。
残り5体は、切り刻み損傷させられたものの、倒しきれなかった。ヒルがその5体に銃で連射しまくって、なんとか倒せた。
ウツボカヅは、近距離の集団戦法が得意であるが、単独での戦闘能力自体はかなり低く、せいぜい2級程度。
集団攻撃と情報収集目的で用いられる事が多い。ただし、耐久力が高く、直接攻撃に対しては特に強い。
硬度も一定ではなく、散らした粘液は地味でありながら、かなり面倒で対処が厄介な罠になる。
この粘液はメレピーのほとんどに無干渉で、人型の戦闘員に対する仕掛けである。
ウツボカヅの後方から待ち構えていたタイガが25体、ヒュラたちを覆うようにして取り囲み攻撃を仕掛けにきた。
ヒュラは、シールドをフィールドで強化して足に取り付け、ルーム のチャージ リフレクトで強化した力で、タイガの体当たりをシールドで受けながら跳ね返り、空高く飛んだ。
ヒュラ
「こいつ力強いな。さすが1級だ」
いつにも増して空高く飛んだヒュラは、試験会場と同じ事をしてみる。
ワイヤーをさらに空高くに引き延ばして括り付けた剣を、今度はフィールドをより濃く鋭く無駄のないように纏わせて、生成した微小重力場の助けを借りながら高速で突き落とした。
今回は、素早いタイガ相手だが、密集したポイントを狙い敵を引きつけながら、複数体に同時に攻撃を喰らわせられるように工夫した。
体当たりしたタイガはヒュラに攻撃を仕掛けてまんまとコアの横を剣が切りながら命中して損傷し、剣はコアをこすり取るようにして横にそれて、横からヒュラを狙ったタイガ1体の胸を切った。
3体目のタイガに向かった刃のかけた剣は、タイガの爪に弾き返されてひび割れした。
「さすがに複数体同時とはいかないか」
ワイヤー先から再び剣を出して振り回し、投げつけるが、警戒したタイガには当たらない。
ケラがヒュラを狙うタイガを横から目にも止まらぬ速さでコアを両足で(蹴り)踏みつけて、胸を切り付けられたタイガもろとも弾き飛ばして跳躍し、ティーラの腹を殴り付けた。
ケラ
「何してるのよヒュラ。そんな剣、機動力に優れたタイガに正面から投げて当たるわけないでしょ」
ティーラから離れるケラ。
周囲のティーラ4体も同時に口を開けてコアを見せながら、衝撃波攻撃を喰らわそうとする。
もしこの攻撃がケラに決まれば、ケラはその0.4秒後に食いちぎられる。
サマンダーが、ステルス解除とフィールド硬化により、すかさず露呈したコアを串刺しにした。
ケラが4体を体を捻った大きい回し蹴りで四方へ蹴り飛ばして周囲のティーラにぶつける。
コアをヒュラに切られたタイガだが、完璧にコアが破壊されたわけではなかったようだった。
再度、ヒュラを襲いかかってきた。
ヒュラは、交わして、サマンダーがハリネズミのようにしたフィールドの方へ蹴り飛ばした。
ケラに蹴られたタイガも、もう一度ケラに蹴られて針付けになった。
サマンダーは再びステルスを発動し、フィールドは消えてメレピーの残骸7体とサマンダーに引きつけられて足止めを食ったティーラ5体がそこに残った。
引き
戦争開始36分
ヒュラの様子をモニター越しに見ていたルーク
「ナークの言う通り、この子には実力があるようだ。
あの上空からの剣落下、アンテとは単純比較にならないが、試験会場の時より明らかに、それもかなり腕をあげたことについては、間違いない。
今後に期待ってとこか」
「にしても、戦場全体で敗北者が増えてきたようだな。
ゲンマの方の陣営も少し人数が減っているようだ」
「ナーク、そっちの方の戦況は?
あと20分くらい持ち堪えられるか?
厳しそうならそこから1kmくらいのところで僕がメレピー食い止めに戦おうか?」
ナーク
「援軍お願いし………」
ルーク
「どうした?ナーク、戦況は」
通信が途切れた。モニターから敗北者のカウントが40→41になる。
マップ上でナークの存在を示す点が消える。
戦力不明表記がされていた、ナークと交戦していた人型が、ウラニス4のトップ、デルト・プペフである事がモニター越しに記される。
ウラニス4は、宗教徒の多い国家で、戦術にも特殊な経路を辿る戦士の多い国家だった。
ルークがナークに連絡した。
ナークは基地本部の自室で悔しがって壁を殴りつけていた。
ルーク
「僕がそっちに向かおう。やつの戦闘スタイルの特徴は?」




