対人型戦
第21話
導入
敵は1級相当のメレピーを多数、戦略的に配置し、集団的にヒュラ達の元へ送り込む。
ナークとヒュラたちは、敵の思惑通り、分断されてしまう。
ナークたちの後方で流れてきたメレピーたちにとどめを刺そうと待ち構えていた部隊が、3級から準1級程度のメレピーと乱戦していた。
遠く前方の方でクラッドを目撃して、不穏な空気が流れていた後方部隊だったが、ナークがクラッドを倒してたのを確認。
上層部に戦況を伝えられた後、待ち構えの体勢から攻勢へと緩やかに変形し、前方からいつでも主要戦力を攻撃へ回せるような陣形をとった。
人型2名が北部に現れてから、ナークたちと交戦する人型1から南西に4km離れたところで、S級隊員が人型2と交戦していた。
山場1
S級隊員は人型2を人型1から引き離して仕留めるべく動きながらも、1級程度のメレピーを着実に倒して北東部の戦力を削りに行った。
しかし、早めにその事を察した敵は、メレピーの配置を変形させ、
1級程度のメレピーをS級隊員から引き離すようにした。
その代わりに、S級隊員は数千体ほどの3級、2級程度のメレピーに囲まれて人型2と交戦することになり、1級程度のメレピーはナークたちの方へとまとまって侵攻する動きを見せた。
ヒュラ達の元に送られたS級隊員はアルディス。
防御力に秀でた隊員である。
能力はネゲント系の第2世代である。
圧倒的な体術で有象無象の2級3級のメレピーを倒していく。
まず群れたスコーピア13体とアンテ3体を一蹴りで粉砕する。
人型2はボルガ。メレピーを率いた集団戦が得意なハドラリアーの隊員だった。系統は隔系。第1世代である。
能力的にボルガの方がアルディスより格上であった。
山場2
数百体のメレピーが地鳴りのような音を立てながら押し寄せていた。
その先頭に立つ男。ボルガ。
巨大な槍を肩に担ぎ、不敵に笑う。
「道を開けろ。」
衝撃と同時に、数十体のメレピーが一斉に突撃した。
ボルガの能力は、自身の戦闘力ではない。
個々では2,3級程度のメレピーも、隊列を組めばA級部隊並みの圧力を生み出す。
一方。
敵の前には、一人だけ立つ男がいた。
アルディス。
大盾型アームを静かに地面へ立てる。
「ここより先は。」
低い声が響く。
「通さん。」
その瞬間。
半径数百メートルに巨大なフィールドが展開された。
透明な壁のようなフィールド。
メレピー達が激突する。
轟音。
しかし。
誰一人突破できない。
ボルガが笑う。
「鉄壁」
アルディスは答えない。
ただ盾を握る。
ボルガが右手を掲げた。
「第二陣。」
後方からアンテが十数体現れる。
四足歩行。重装甲。突破専用個体。
一斉に突撃。地面が割れる。
アルディスは静かに息を吐いた。
「レンジ15」
フィールドがさらに広がる。
衝突。
大型メレピーの突進が完全に止まる。
後方のメレピー同士が押し合い、隊列が乱れ始めた。
ボルガの眉が動く。
「……止めた?」
ここでアルディスが初めて動いた。
盾を僅かに前へ押す。
フィールド全体が押し返すように前進する。
まるで巨大な城壁が歩いているようだった。
押し返されたメレピーが次々と転倒する。
ボルガは笑みを消す。
「なら。」
アームを掲げる。
「全軍、包囲!」
メレピー達が左右へ展開。
防御を迂回し始めた。
しかし。
アルディスは振り向きもしない。
「想定済みだ。」
ボルガは遠くから遠距離斬撃をアピソやクローと共にアルディスに送り込んだ。一体では脅威にならない攻撃でも、複数体、この時は29体が送り込んだ攻撃は、ネゲント系で体術に秀でたアルディスでもシールドを敷かなければならなかった。
しかし、その後、同様の遠距離攻撃を空気圧の濃縮で衝撃波としてアピソやクローに送り込み、命中させて全滅させる。
ボルガは一歩下がった。
アルディスは1級のメレピーを探した。
だが、辺りにいたのは3級から2級のメレピーばかりであった。
ボルガが遠距離斬撃をアルディスに送り込む。
アルディスはシールドで攻撃を防いだ。
37体のスコーピアがプラズマ斬撃を送り込む。
アルディスはアームの剣でそれを防ぎ、返す刃でスコーピア達を切り裂いた。
引き
戦争開始28分後
ナークは敵の人型1デルトプペフと交戦する。
手始めに人型1はナークにプラズマ弾を5発放った。ナークは剣にフィールドを纏わせて5つとも弾いた。
人型1は大量のプラズマ弾を宙に旋回させて砲撃してきた。
それらを交わしながら、ナークはヒュラたちと合流しようと走っていた。行く手を阻むように攻撃してくる人型1。
一方、分断されたヒュラたちはナークの助けなしに大量のメレピーと戦闘していた。
ヒュラたちの方へと向かってくる、300体の1級メレピーがヒュラから500mのところにまで差し迫ってきた。
ナーク
「人型に警戒しながら、後方に下がって欲しい。目標合流地を東北東へ700mずらす」




