規格外
第18話
導入
ルークとナークの会話 戦争19分時点
ルーク
「B級上位で名高い3人、ギーク、ナーク、ゲンマを中心に、陣営を展開してる。
西部、北東部、南部から南西部に集中しているよ。
ゲンマは上位の中で普通だけど、好かれているし、友人の能力と適合系統のバランスも最高なんだよな」
ナーク
「戦況情報を具体的にお願いします」
ルーク
「はいはい。
ギーク、ナーク、ゲンマの辺りに、6部隊、1部隊、29部隊それぞれ配置して、A級下位の隊員を、それぞれ2人、0人、1人配置。B級隊員は、それぞれ40人、10人、260人」
ナーク
「僕らおとりですか?その戦力比率と配置は理不尽すぎないですか?」
山場1
ルーク
「ちなみに、君のところのC級隊員30人は全員、入部半年以内の最優秀新人だから、経験積ませろよ。
こんな機会そうそうないからな。安心しろ。
能力や適合系統のバランスが取れるように構成しているんだ。
君たちをすり抜けて分散した敵は、1番外で陣取っているA級5人と残りのB級、C級上位組を固めていて、弱ってるところ叩きに行くから、気楽に戦え」
ナーク
「僕たちをおとりにするなんて、あんまりじゃないですか!」
ルーク
「思ってたより、そっちの方に敵が集中しているんだ。
だから、戦争開始30分後には、そっちの方の前方にS級を1人送る予定だ。
敵の出方にもよるが、それでもそっちに戦況が有利に傾けられなければ、僕は君たちの側に参戦するつもりなんだ。
とりあえず、戦争開始から1時間くらいは、自力で耐え抜いて欲しい」
ナーク
「当初、全体の計画として上がっていた、外側から内側の軍と合流して連携して挟み撃ちにする話は忘れてもいいって事ですか?」
ルーク
「一旦立て直してから、余力があれば、そうしてもいい。
たぶん君たち、結構な力で潰しにかかられるはずだ。粘ってくれ。僕たちが仕留めかけた敵に、君らが喉元付ければ、相当な武功だね。まあ、期待してないけど」
ナーク
「期待していない作戦しか聞かされてなかったんですけど」
ルーク
「戦場に淡い期待は命取りだ。
でも、そう言って君を追い込んでも、君は乗り越える可能性があると思う。
期待じゃなくて、選択肢として使えそうな手札として残したまで。
まぁ、君には僕が直々に1ヶ月戦いの基本を叩き込んであるから。
もちろん、無理でもその時はそれまでだ」
ナーク
(ルークさん、半年前のB級上位の訓練で、僕の事覚えていたんだ。名前とか色々すぐに一致させずに忘れたふうに言ってくるくせに。能力とかで人の事バカにしてくるくせに。)
ルーク
「1時間とりあえず踏ん張れば、君はA級だ。
戦果的には十分A級上位には見合うからね」
ナーク
「えっ、本当ですか?」
ナーク
(この人のおかげで僕は強くなった。
この人は、能力とかで人をバカにするけど、自分は恵まれた能力持ちで得意げにしてて鼻につくけど………)
戦争開始23分半後
ナークが東の隊員に迫ってくる準1級の食虫植物ウツボカズラ型メレピー、ウツボカヅをフィールドで切り刻む。
ナーク
(ルークさんは、能力とか使わずとも、素で戦闘員最強レベルなんだよな。誰に異論も言わせない圧倒的1位の存在感。
周りの状況とか戦況把握の腕も抜きん出て、ああ見えて知略にも秀でている。ふざけた態度で、めちゃくちゃ真面目に戦闘について手取り足取り教えてくれる。
あなたに憧れていたんだよ。僕も強くなりたいって)
太陽は決して出ないが、ぼんやりと明るんだ、その星ウラニス7。
その日、バリリオンズにとって、快晴の戦闘日和だった空は、突如、曇天の鳥籠日和になる。
クラッドが戦闘に踏み切ったのだ。
バリリオンズは、その脅威を知らしめられる事となる。
山場2
ネラ
「この天気、あの雲型のせいか?」
ヒル
「どうやってるんだろうな?」
サマンダー
「呑気な事言ってる場合じゃないわ!あの雲のフィールド、レンジ11くらいあるわよ。それも、フィールドに部分的なステルス使いながら、遥か上空にフィールドを緻密な網状に分布させて、今、ドーム状に私たちを取り囲んで……」
クラル
「まるで鳥籠だな。
無差別砲撃なら向こうに利があまりないようだが」
ネラ
「クラル、その腕の傷…」
クラル
「大した事じゃない。それよりサマンダー………」
引き
ヒル
「まずい!ナーク!あの雲型から攻撃が!!!」
ナークは、イヤホンからヒルの信号を受け取る前に、次の瞬間に起こる事も、ヒルが言いたい事もわかった。
雲型が大量に分裂して、それぞれが槍とレーザーと奇妙な粘性の高い物質の雨を降らした。隊員に向けて的確に狙いを定めて。
そして、おそらくコアである本体が、中心に取り残された。
閃光を放つプラズマのような物体のような、ワイヤーと鎖が、鳥籠から放たれて、ナークの左腕を縛り上げた。
クラッドからの攻撃を防御するように、半径700mほどに渡り、フィールドを変形させて必死に攻撃を凌ごうとするナークは、左腕の自由を奪われた。
ナーク
「くそっ!!」
ナークの、ルームにより強化されて最大レンジ15まで引き上げられたフィールドでも、広範囲にわたる的確かつ多様で強力な攻撃は、防ぎきれなかった。
ナークを含め32人が残る4部隊は、クラッドの攻撃を受けた。
3名の隊員が、戦闘不能となり、4名が負傷した。
ヒルとマラルも負傷者の1人で、ヒルはケラとネラを庇い右腕を損傷していた。
皆が完全に防御に徹していた。ヒュラ以外は。
ナークが手薄の防御を敷いて、ヒュラは攻撃の残り火を自分で防御する事となった。
ヒュラは、この間に、盾にバネ性のワイヤーを何本も括り付けて、周囲のスコーピアとアンテ計9体に括りつけて、盾に攻撃を受けた。
そして、電気を帯びて針だらけになって粘性のスライム状の物質が付着したその盾を、70m先にいるタイガに不意打ちで投げつけた。
独自生物 ネバナ 0級
根に花があり、茎から複数の根が生え末端に多くの花が咲く。
茎の先は枝状に分化していて、葉は葉脈骨格のような形状の金網みたいな物体で、チクチクしている。
茎の一部は多孔質の構造を持ち、そこから時々、針や樹脂などを飛ばす。
葉にやって来た虫などの足を時々挟んで神経を内部に伸ばす奇妙な植物。
地面や地中の死骸や弱った生物の元まで根を伸ばし、土の中で養分を吸収して花を咲かせる。
ネバナが遠方でヒルとマラルの流出したニューオンを吸収していた。




