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ウラニス戦記  作者: 7s9
第3章 第Ⅲ次戦

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異能力転移

第26話


ナーク

「僕も一点重要な事を伝え忘れてました。

戦闘中、敵は自身の体を電気か何かに擬態するように攻撃を受け流しました。

そんなことはないと思うんですが、詳しいトリックを見破れませんでした。すみません」


ルークはデルトの多方向からの電気攻撃を素早く交わしながら応答する。



ルーク

「自分の体を擬態?まあ、戦えばわかるから、そんな事は気にしなくていいよ。だいたいの感じだけ教えてくれたから十分。

それに、向こうもこっちの技の極意知らないからね。

まあ、どれだけ対策されても僕には敵わないけどね」


デルトの威力を増した衝撃波混じりの爆発系の集中攻撃を二本指で弾き返して、一瞬で回り込んでデルトの首を背後からチョップした。


デルトは明らかに首を捻るか切られるかしているはずだったが、見た目には何も傷が残らなかった。ルークは流石におかしいと思ったが、特段危機感はなかった。デルトはただの電磁系の普通の戦闘員ではない事は、確かであった。


デルトが口を開く。

「君、僕は何系統かわかるかい?」


ルークが答える。

「いや、どう考えても電磁系でしょ。というか、考えなくてもわかるよ。それしかあり得ないじゃん」


デルト

「それじゃ完璧な答えにはならない。俺は、元意思系の特異体質持ちで、第一世代の物質内エネルギーへの干渉操作だった。ほとんど錬金術に等しく、物体と物質をそれ自体の特性を限りなく自由に利用でき、かつその長所を誰よりも引き出せる、優れた能力だった」


ルーク

「物質操作とか、物体の具現化とかって、かなり電磁系の特性に近いよね。稀に異なる系統の間の類似点をきっかけに、個人の能力がその能力の持ち主の適合する系統ごと選び直すことがあるって聞くけど、そういうこと?」


デルト

「ああ。今の俺は電磁系だ。

だが、ただの電磁系じゃない。元となったのは、物質そのものに普遍的に存在するエネルギーを知覚できる能力だ。

それが、たまたま電磁力の知覚や電覚に近しかっただけ。

今、電磁系能力者として物質の化学反応全般を司る適合能力を付与された俺のフィールドは、エネルギーを介して俺の選択する形で如何なる変容も可能となる。

今の俺は第0世代。自ら能力を選び進化した者の極致だ」


デルトが体を電気状にする。


ルーク

「なるほどね。莫大なエネルギーを空費しがちな特殊性の能力の代表格、意思系。意思系にしか存在しない、他の系統に対する圧倒的超越点、ステート発動のフィールドを自分条件で空間そのものに適用できる、まさに意と虚の体現。この利点を生かしながらに、その代償を回避して実践的に戦闘可能な電磁系のエネルギー利用を相性よく組み立てた、申し分のない最強戦闘スタイル」


デルトの人格が変わる。身体中から放射状に電気を発した状態で、黒髪が白髪、銀髪に変わる。

体全体が電気と一体化したようになる。


デルト

「わかってくれたようですね?

このように説明する事で、私は最大限の特異性を持って、ほとんど代償もなしに、意思系と電磁系に同時に適合できるのです。

そして、ウラニス7の大気は素晴らしい。ここの媒界からも、仮界の気配が………………。

あぁー!!これは私の物!ここに私だけのユートピアを築き上げましょう!!」




四方から光を放つ電気に、あるはずもない人影が現れ、黒い笑みを浮かべたかと思うと、影はすぐに消えた。

デルトの目の色が一瞬変わった。




ナークの敗北前後のヒュラ達


サマンダーとマラル離脱




ケラがヒュラを切り掛かりに走ってきたタイガを胴体ごと蹴り飛ばす。


ヒュラ

「ありがとう」

ケラ

「危ないでしょ?

今は頭を抱えてうずくまっている場合じゃないのよ」







ルーク

「なんだこいつ?気狂い過ぎだろ」


デルト・プペフがルークの周囲を覆い電光石火の猛攻撃を大量に繰り出す。ルークはあまり動けず、受けで精一杯の様子だった。辺りの半径600mほどが1000℃近い電気の渦で包まれ、プラズマ球にルークは圧縮されているような状態になった。




ヒュラ

「なんだあれは。敵の攻撃か?ナークと戦ってた奴だよな?」



ヒル

「ああ。本部から連絡があった。

さっき伝えた通り、ナークはやられた。

今はルークが戦っている」


クラル

「能力や実力に関係なく、あの球体の中にいる戦闘員がまともに戦える状態とは到底思えないのだが、ルークは大丈夫なのか?」


ヒル

「どうやら全く心配には及ばないようだ」


ヒルの言う通り、その言葉の1秒後には、プラズマ球が自ら伸縮してはじけ飛ぶように大きく揺らいだかと思うと、プラズマに大きな空洞ができ、デルトの体が傷だらけになってプラズマ級から吹き飛ばされた。大量のニューオンを流出していた。


ルーク

「ふん、甘いね。君が僕に勝てるわけないでしょ?

君、電気と同化できれば自分の体がダメージを受けるわけないとでも思った?」


デルト

「そんなバカな、私は確かに電気と化してやつの攻撃を回避して、致命傷を与えたはず………」


引き


ルーク

「君のフィールドとステートでかかってきても、僕には目と鼻の先のコバエなんだよね」


デルト

「そんなはずはない!私のフィールドのレンジはさっきの攻撃では14,5はあったはずだ」


ルーク

「あっそ。僕のレンジの最高記録22だから。まぁ22はまぐれにしても、普段18〜20だから、君より遥か格上ね」


デルト

「レンジ22だと!?」


ルーク

「うん。じゃあ、もうお疲れ!」

ルークが空を殴りつけると、周囲100mの1級から2級のメレピー150体相当が吹き飛ばされ、うち3割は大破、4割は半壊した。

その衝撃はヒュラたちにも伝わる。




そして、デルトが防御する隙もなく腹を貫かれて吹き飛ばされた。デルトが顔を歪める。

ルークが高速でデルトの元へ行き、直接殴りかかろうとした時、デルトの目の色が変わっていた。

歪んだ表情でルークを見つめた。



ルークがデルトにとどめを刺し終えたら、デルトは消えていた。

頭部を殴り飛ばしていた。ルークの手にデルトの首飾りが残る。

そこには宗教徒メソリアの紋章が刻まれていた。


ルークは違和感を抱いた。

デルトが最期にプラズマ弾を送り込んできた。

ルークの頬を掠った。


が、とりあえず完全勝利だった。

そして、ルークは頬にできた数ミリの傷を除き、無傷だった。



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