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京の守護から解放された最強おっさん陰陽師、式神や弟子と共に旅をする。~異世界で【陰陽術】は常識の範囲外~  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第54話 おっさん陰陽師、協力する

「やはり戦力的に厳しいのであるか?」


 エルネに聞いてみる。


 我はこの世の魔物との戦いについてまだそれほど知らぬが、街をぐるりと囲んだ強固そうな壁もあることだし、あの魔法とやらがあれば撃退できそうな気もするのだがな。


「数が多いというのは少し相性が悪くてのう……。サーロン殿ならばわかると思うが、魔法使いというものは持久戦にはそれほど向かないのじゃ。確かに魔法は強力なのじゃが、魔力を激しく消費するからのう」


「ああ、魔力には限度があるからな。エルネ殿はエルフで魔力は他の者よりも多いのかもしれないが、数百という魔物を相手にするにはさすがに厳しいであろう……」


 そういえば魔法を使うには魔力が必要と聞いている。なるほど、魔法はある程度長い時間を戦うには不向きであるのか。


「二級相当の魔物数体の方が妾にとってはやりやすいのじゃがな……。ヤコウ、実際のところそなたの式神であればどれくらいの数の魔物を相手にできるのじゃ?」


「ひとつ聞きたいのだが、その魔物の群れにワイバーンのような空を飛ぶ魔物はいないのか?」


「ああ。基本的にそういった魔物の群れは同じような種族が群れになることが多い。さすがにワイバーンのような第三級相当の魔物の群れであればとっくに街を放棄して逃げ回っているさ。今回は四足歩行の魔物で、第四級相当はオオカミやクマなどの魔物だ」


 ほう、魔物の群れにはそういった習性があるのか。妖の場合は種類などお構いなしなのだがな。


 なんにせよ飛行する魔物がいないというのはよい情報だ。


「……ふむ。街を囲む壁があり、守りを誰かに任せると言うのであれば、第四級~五級相当の魔物なら数百程度は問題ないだろう」


「なに、本当か!?」


「うむ、我は多くの敵と戦うことを得意としている。こちらでそれほどの数の魔物と戦ったことはないが、おそらく大丈夫であろう」


 京の都で黒日(こくにち)、あるいは四箇悪日(しこあくにち)と呼ばれる凶日は特に妖がよく現れる。その中でも月に一度、特に大量の鬼や妖などが群れとなって現れる日が存在する。我ら陰陽師はその鬼や妖などを百鬼夜行と呼び、その日は陰陽師総出で京の都を守るのだ。


 守りを任せれば、我と式神だけで数百の妖を祓うことは可能である。人や都を守りながら戦うよりも、敵を祓うことだけを考えるほうが容易であるからな。


 ちなみに夜行という我の名も、百鬼夜行に決して負けぬ陰陽師になることを願って両親が付けてくれた名だ。


「エ、エルネ殿……ヤコウ殿の名を聞いたことはないのだが、第三級冒険者なのだよな?」


「うむ。じゃが、ヤコウがこの国へやってきて冒険者になってからまだ一月くらいじゃぞ。それにワイバーンも余裕で狩れたようじゃし、妾から見た実力も第二級以上はあるはずじゃ。この者の実力は妾が保証するのじゃ」


「おおっ、たった一月で第三級とは! これは希望が出てきたぞ! どうか私たちに力を貸してください!」


「うむ、全力を尽くそう」


 そのあとはエルネやサーロン殿と共に魔物の群れを撃退する作戦を立てる。早ければ明後日ごろにこの街へやってくるとのことなので、今日はゆっくりと休み、明日はその準備をすることとなった。




「待たせてすまなかったな。サーロン殿が宿を手配してくれたので、そちらへ行くとしよう」


「う、うん……」


『待ちくたびれちゃったよ~』


 レイラとスーも一緒に冒険者ギルドマスターの部屋へ入っていたのだが、しばらくは我とエルネだけで話し合っていたのでだいぶ待たせてしまったな。


「レイラも心配する必要はないぞ。どんな状況でも弟子であるそなただけは守るからな」


「うん! レイラも頑張る!」


 不安そうにしていたレイラだが、我の言葉を聞いて安心したようだ。


 今回の戦いではレイラにも協力してもらう。むろんレイラのそばには我が常についているつもりだが、初めての大きな実戦がこんなことになってしまって緊張してしまうのも仕方がない。


「ヤコウの本当の力を見せてもらうのは楽しみじゃな。そして妾の実力もしっかりと見てもらうからのう!」


「うむ、本物の魔法の力を見せておう」


 今回の戦いでこちらは主力な戦力を欠いている。街の者や戦闘に参加する冒険者や騎士たちの命もかかっていることだし、我も本気で挑むつもりだ。


 そしてエルネの魔法は少しだけ見せてもらったが、本気の魔法をまだ見せてもらってはいない。長期の戦いは厳しいらしいが、一撃の力は自身があるようだし、期待するとしよう。


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