修行 その三十二 愛護神の巫女 メルル様の祝福
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
メルル様に呼ばれて、女の子たちの輪に近づくと……仲良く手を繋いでいるメルル様とザザちゃんがいました。
二人ともニコニコして、お揃いの花冠をしています。少しだけ歪なのは、たぶん自分で作ってお互いにプレゼントしあったからかな?
うふふ、すっかり仲良しさんになりましたね!
もう、何年も前からのお友達のよう。三歳と四歳だから、そんなわけないんだけどね。
「いい加減放せよ、鬼ババリルカ!」
カチン! ときましたよ?
いつもいつもイタズラばっかりして! 反省が足りない!
「イデデデ! 痛い! 痛い! 痛いっつーの!」
「ちゃんと謝りなさい! 謝るまで放さないからね?」
「わかった! スマン! ごめん! おれが悪かった!」
一応は謝罪したので、ゆっくりと放してあげます。
まったくもう。もうイタズラしないようにね!
あっと、メルル様に呼ばれてたのに、つい……。
「お見苦しいところをお見せして申し訳ありません、メルル様。それでなにかご用ですか?」
目線を合わせるため、しゃがんで話しかけます。
……昔、子供の頃にミラお姉ちゃんがしてくれたように。
「うん! あのね? ザザちゃんにメルルから祝福をあげたの。ちょっとだけ病気にかかりにくくなって、ほんのすこし運がよくなるんだって。だから、ここのみんなにも祝福したいから、集まってくれる?」
えっ? メルル様から祝福をいただけるのですか!?
しかも、神の子であるメルル様から直接にいただけるなど……本当に稀有なことですよね?
そんな特別なものを孤児たちにいただいてもいいのでしょうか。
女の子の輪の中にいるオデット様の方を窺うと、ニッコリ微笑まれ、頷かれました。
そうですね。基本的にメルル様のしたいようにするとミラお姉ちゃんも言ってましたし。ここはありがたくお受け致しましょうか。
「ありがとうございます、メルル様。それでは皆を集めますね。みんな〜〜! いったん遊ぶのをやめて〜〜! 全員集合〜!!」
あー……。急に大きな声を出したから、メルル様がビックリして目を丸くしてますね。
女の子たちは慣れてるから手で耳を押さえてるけど、メルル様はまだそんな大声を聞いたことなかったんですよね。ましてとても耳が良さそうですし。……すみません、粗忽者で……。
急な大声を詫びるとメルル様は笑って許してくださいました。お優しいです。
「なんだよ、なんか用か?」「おっ。ザザにちびす……メル様、その花冠似合ってるぜ」
「うん! あのねあのね、メルルからみんなに祝福をおくります! みんな病気にならないよ〜に! みんなにいいことがありますよ〜に! えーい!」
集まった子供たちの前に立ち、勢いよく両手を振り上げたメルル様。
手を繋いだままなので、ザザちゃんの手も高く上がったのはご愛嬌ですね。
すると、メルル様の全身が淡く銀色に輝き、小さな光がわたしたちに向かってフワフワと飛んできました。そして、その光はわたしたちの体に触れると、すうっと体の中に消えていったのです。
気のせいかもしれませんが、光が触れた部分がほんのり温かくなった気がしますね。そう、まるでメルル様の優しい気持ちが伝わってくるような。
さすがにやんちゃな男の子も神妙にしています。
いつの日か、今日のことも神話に語られたりするのでしょうか。
少しばかり厳かな空気が漂っていたのですが……。
「メルルの初めての祝福なのデス! みんな、ありがたく思うのデスよ!」
「お前なぁ……ちったあ空気読めよ!」
レイ様とユルン様の言葉に空気は緩んだのでした。
某神『ユルンだけにね!空気が緩んだんだね!』
某神の嫁『さすが御歳ウン億歳。オヤジギャグも年季が入っているのです』




