表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
酒鬼   作者: 半端者の柑橘系 
第三章
31/32

File.31 VS

バレー見てたら締切に全然間に合ってない事に気づいた男。


「よし」

ハーネスと、()()()を取り付けた紅羽。


第三ホールは舞台などを専門に行う。

円形の客席に囲まれる位置にいる司会者に、全員は視線を向ける。


観客席に関しては二階建て。

そこから更に“上”から、紅羽は全体を見つめる。


二階にある観客席より少し上にホール用のセキュリティ室。


「─────いた」

単眼鏡を用いてガラス越しにログロを発見。


一年前。柊家を襲撃した“刀を持った男”の姿だった。

彼女の奇策を始める為には、晴菜と潜一の連絡が必要不可欠。


『柊さん』


「…ルシアか?」

彼女は紅羽よりも近く、今も観客席から競売を監視している。


『冥本達と一緒にいた時は、この競売に私は何も思わなかった。お金を得る手段だったから』


「……………」


『いざ俯瞰して見ると、イカレてる……人を殺す武器をこんな楽しそうに見つめているなんて──』


昔の彼女にとってはただの売買。

冥本だって「仕方のない事なんだ…」と残念そうに言っていた。


ルシアにとっては、冥本は大義の為に戦う“親”だったし、実際渋谷テロ時点ではそうしていたのだが……


『…これを止めて、私は出頭する。そして日本…いや、世界に知ってる情報を話す。それが今の私にできる贖罪』


「…ルシア」


『柊さん。遠慮はいらないわ。皆…頼りにしてるから』


「期待に応えよう」

そうしてルシアとの通信は終了。


彼女なりに前を向いて戦うつもりなのだろう。

通信越しにもルシアの悔しさ、覚悟を感じた。


(いつでも良いぞ。潜一、堺!)


強い紅羽の思い。

そして同時に司会者がマイクを通し、叫ぶ。


『さぁ、ここからは武器と人身売買を始めましょう!!』


それは紅羽達にとって、()()の合図である。


─────────────────────

【ホール外】


「此方セキュリティ室。異常なーし」


『こちら機械室。同じく問題なし』


ログロの指示により、潜入に備えて武装した警備員を二人配置していた。


「………ハッ」

あまりにも重装備にセキュリティ担当の男は鼻で笑う。


何を警戒しているか知らないが、競売が始まってからもう三十分は経っている。


流石にまだ終わりは見えないが……警戒する必要なんて───


「すみませ〜ん!扉が開かなくてー!!」


「あ?」


後ろの扉越しに女の声が。

ドアノブを押したり引いたりしているが全く開かないのだ。


「引き戸だぞ!」


「無理です〜開きません!」


「あ〜?開かないなんて事あるか?」

警備員の一人が扉へと向かう。


他の人間は誰も彼を気にせず、ただカメラから映る情報を見ていた。


ガチャッと音を鳴らし扉が開く。

「あ?全然開くじゃねぇか────って、あれ?女は?」


さっきまで確実にハッキリと聞こえた音が嘘のように静かだ。


競売に人が集まっている以上、近くには人がほとんどいない。


じゃぁ…あの女の声は?


今度は開いた扉側の方を見た瞬間。

カチッと音が鳴る。


変わった形をした銃を警備員に向けた、“女”


「あ───ッ!?」

空気を圧縮したような音を鳴らし発砲。

注射器のような物が警備員の首に刺さり、そのまま倒れた。


「!?なんだ!どうした!?」


ダッシュでもう一人の警備員が扉の方へと向かう刹那。


もう片方から銃口が見える。

「なっ──」


バッシュッと小さな音をたてて放たれる注射器は、腕に直撃。


もう一人も撃沈。


「晴菜ちゃん流石!」

千景の一言に嬉しそうに頷く晴菜。

そのまま敵の動きを見る。


扉側に晴菜。

反対に千景。


警備員は仕留めた。

後は……


「ッ…此方会場セキュリティ室!!何者かが──」

通信するには遅過ぎた。

敵の首に命中させ、残った二人を眠らせる事に成功。


急いで受話器を取り。

『どうした!?何かあったのか!?』


「カメラが少し異常になってただけだった。問題ない。切る」


『?なんか声がおかし─』

そのままブチっと通信を切断。


敵は辺りにいない。

警備員達も眠らせた。


通信の違和感は多分バレてないだろう。

「堺さん。本部のセキュリティ室を制圧しました」


『良くやった。そっちは無事か?』


「晴菜ちゃんも私も問題ないです」


『よし。後は錯乱を頼んだぞ』


作戦の一つ。

クリア。


【堺と迅】


千景と晴菜をセキュリティ室の制圧を命じた堺。

残った二人で兄である拓を捜索していた。


「クソッ!!どこだよ柊兄!!」

走りながら怒りを漏らす迅。


こんなに何も気にせず走れるのは、千景達が場所を制限しているから。


「ん?」


「!!」

曲がり角に警備員がいるが、堺が反射で麻酔銃を放ち眠らせる。


「一体どこにいるんだ?」

ルシアの読みでは、能力を強化する血を持つ(かもしれない)人間は最後になるだろうとの事。


ギリギリまでどこかに捕まえたままでいるだろう。


少し前に彼女はこう話していた。


──でも、私はそこを知らない。


──あ?なんで?

迅が思わず聞き返すと。


──教えてくれなかったのよ!!冥本は!


──もしかしたら……冥本はお前がこうなる事を読んでいたのかもしれないな。


堺の一言に、俯くルシア。

あの怪物はどこまで読んでいたのか。


「冥本智。あいつは──」


「え?」


「怪物だ」


─────────────────────

【機械室:潜一と湊】


紅羽の大暴れに必要なのはセキュリティ室と機械室の制圧。


二人はそのまま機械室を乗っ取る。

「僕がそのまま突撃します。潜一さんはサポートして下さい」


「分かってる」


そうして湊はダッシュで部屋に潜入。

扉をこじ開けそのまま麻酔銃を警備員の一人に放った。


「なんだ!?」

「クソッ!誰だ!?」


(…思ったより警備員いた〜)

湊は苦い顔になる。

倒れた人を含めて四人。


「グッ!」

パンッと即座に彼女の肩に撃ち抜かれ、その場に倒れた湊。


警備員が入ってきた扉の方へと視線が向いた時、湊はコッソリと注射器を麻酔銃に入れ───撃つ。


「ッ!!」


「ゲッ!?」

背中に注射器が刺さる。

片手だけじゃ少し狙いは粗くなるがなんとか当たった。


「チッ!!」


生かして情報を吐かせるつもりなのを諦め、湊の頭に当て射殺。


「なんだこの女…?」

良く鍛えられているが学生みたいな……


同時に、注射器がドスッと音を鳴らして警備員に突き刺さった。


急いで扉の方を見ると、そこには仲間と思われる男が。


「今だ。湊」


「!?」

最後の警備員が見た光景は殺したはずの女が銃口を向けて放つ瞬間だった。


バシュッ。

その音と同時に男は倒れる。


「よし……」

湊の頬に脂汗が伝う。

能力は“使えば使うほど体力を消費する”


死ねば怪我はリセット出来るが、とんでもない疲労感に襲われるのだ。


「ふぅ……はぁ…」


「湊。まだまだこっからだ、気張れよ」


「…はい!」


『此方晴菜。潜一さん聞こえますか?』

セキュリティ室からの通信。

どうやらそっちも成功したらしい。


「あぁ聞こえる。作戦通りに頼むぞ」

潜一は機械室にある、ありとあらゆる機械を停止させた。


「後は頼みましたよ。紅羽さん」


───────────────────

【紅羽】


『紅羽さん。セキュリティ室確保しました』

『機械室、確保完了しましたよ』


晴菜と潜一の通信。

やっと……


ナイフを取り出し、紅羽は飛び降りる。


(柊紅羽!?一体何を──いや、まさか)

第三ホール内にあるセキュリティ室にいるログロが一早く気づいた。


「グッ…クッ…あぁ!!」

ロープに自身の体重を強く乗せて、壁側にぶつかった紅羽はそのまま、ナイフを壁に刺す。


これでバランスを取る。

練習なんてした事ない。


ロープだけ切れるかもしれない。

少しだけ──怖い。


だが、それでも紅羽の思いは変わらない。


「勝負だ物喰い。『酩酊』」

酒に関する能力。

その真骨頂は─────






















明日も遅れます。

すみません!!


それでも明日には投稿してみせます!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ