表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いじわる継母の心変わり~これまでの行いを猛省した私は、家族と仲良くなろうと奮闘する~  作者: 夏芽空


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
10/27

【10話】二度目の呼び出し


 どうしてここに!?

 

 という疑問が浮かぶけど、まずは飲み物が先だ。

 カラカラで死んじゃう。

 

「ありがとうございます。いただきます」


 お礼を言ってから容器を受け取った私は、中の水を勢いよく体内に流し込んでいく。


 なにこれ……すごい!

 疲労感がどんどん消えていくんだけど!

 

 さすがは凄腕の魔術師。

『氷の貴公子』の力を、私はその体で実感した。


「今しがた、キミが娘たちと遊んでいる様子を見させてもらった」

「……お恥ずかしい限りで」

 

 きっと体力が底を尽いて、へとへとになりながら走っているところを見られたのだろう。

 恥ずかしすぎる。渇いた笑いしか出てこない。


 けれどレオネル様は、なぜか微笑んでいた。


「以前キミが言った『娘たちと仲良くしたい』という言葉。どうやら本物だったらしいな」

 

 え……この人、本当にレオネル様?

 

 私の知っているレオネル様は、疲れて休憩している人に飲み物をくれたりする人ではない。こんな風に優しく笑わない。

 まるで別人だ。

 

 いったいなにがあったんだろ?

 でもこれってたぶん、いいことよね。

 

「夕食の後、談話室に来てほしい。話がある」

「承知しました」


******


 談話室に入った私は、ソファーに座る。

 

 二人きりになるのは、やっぱりまだ緊張する。

 でも、前回よりはずっとマシだ。

 

 今回で二度目ということもあるかもしれないが、一番はレオネル様の雰囲気だろう。

 前回と比べて、格段に柔らかくなっている。全然違う。


「そのだな……」


 私の対面のソファーに座るレオネル様は、さっそく言葉に詰まってしまう。

 言葉を選んでいるような感じだったが、少しして続きを話し始めた。

 

「キミは以前俺に、『娘たちと関わりたいときは協力する』と言ってくれたよな。……その言葉に甘えてもいいだろうか?」

「それはつまり、二人と仲良くなりたいということでしょうか?」

「まあ……そうなるな」

「やったわ!!」


 望んでいた最高の展開になった。

 嬉しさのあまり立ち上がった私は、ガッツポーズを決める。


 ……あ、やば。やらかした……。


 レオネル様の前だということをすっかり忘れていた。

 慌てて座り直す。

 

「はしたない真似をして申し訳ございませんでした!」

「別に俺は気にしていない」


 気にしてないってことは、元々そういうことをやりそうなやつって思われてたの?

 それはそれで地味にショックなんだけど……。

 

 無性に落ち込みたくなるが、それをするのは私室に戻った後にしよう。

 私にはまだ、聞いておきたいことがあるのだから。

 

「理由をお聞きしてもよろしいでしょうか?」


 どうして急に二人と仲良くなりたいと思ったのか。

 気になっているその部分を聞いておきたかった。


「近頃、思うんだ。毎日の食事や外で遊んでいるキミたち、があまりにも楽しそうだと。そして俺もその中に加わりたいと。……今更だがな」


 レオネル様は自嘲を浮かべる。

 これまで娘たちに無干渉だったことへの後悔を浮かべているのかもしれない。


「だが俺はこれまで、まともに娘たちと関わってこなかった。一人ではどうあがいても無理だ。ドルムント公爵家の当主として情けないことこの上ないが、キミの力を借りたい。……協力してくれるだろうか?」

「もちろんです!」


 レオネル様の願いを叶えることは、きっとリーシャとミアのためにもなる。

 断る理由なんて一つだってなかった。全力で協力する。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ