輪廻の剣<アリア視点>
<アリア視点>
ローガン先生は世界の異変を間に当たりにし、今更ながらに自分が引き起こした事の意味を理解をして座り込んでいた。
アリアはそんなローガン先生を見て、悲しい顔をした。
(ローガン先生はずっと、病の治る見込みのない妹様のことを気に病んでおられましたわ。
きっと妹様のために『復活の宝珠』が欲しかったのですね。
でも、世界が崩壊してしまっては・・)
その時、アリアの元に空から一筋の光が刺してきて、アリアの意識にハッと何かが告げられた。
(あぁ。私の本当の役目は、そういうことでしたのね)
アリアはラピスのそのそばに力なく座りこむカイルとエライザの所まで歩いて行った。
アリアは横たわるラピスを見て、
(ああ、ラピス様、いつも兄の様に優しく私を導いて下さってありがとうございました)
と、ラピスに色々教えてもらった日々を思い出した。
「カイル様、エライザ様、大丈夫です」
アリアはそう言うと、手に持った輪廻の剣を自分の腕に滑らせた。
アリアの左腕から綺麗な赤い血が滴り、アリアはそれをラピスの口に注いだ。
カイルとエライザにその光景は、聖職者が洗礼を授ける儀式の様に見えた。
ラピスのわずかに開いた口がアリアの血で潤うと、ラピスの眉がピクンと動いた。
「ラピス!」
カイルがラピスの肩を手で掴んだ。
「うぅ・・カイル・・」
ラピスが薄目を開けると、そこには今にも溢れ出しそうな涙を湛えたカイルの顔が映った。
カイルはラピスの肩を持ったままラピスに顔を沈め、
「よかった・・」と肩を震わせた。
アリアは二人の様子を見てにっこり微笑むと、ローガン先生の所に歩いて行った。
アリアはローガン先生の肩に優しく手を置いて微笑んだ。
「ローガン先生。大丈夫です」
「アリア・・」
ローガン先生は力なくアリアを見上げた。
「私、ローガン先生の優しい笑顔のそばにずっといたかったです」
アリアは悲しそうな顔で微笑むと、ローガン先生から離れた。
アリアは膝を付き少し上を向くと、両手に輪廻の剣を持った。
(皆さんさようなら。とても楽しい幸せな日々でした)
そして、アリアは剣を自分の喉をに突き立てた。
「アリア!」
びっくりしたローガン先生がよろめきながらアリアの元に駆け寄った。
アリアの体は、ゆっくりとローガン先生の腕の中に倒れていった。
アリアの両手に握られていたはずの輪廻の剣は、いつの間にか黄金色に輝く一つの卵に変わっていた。
そしていつの間にか空に立ち込めていた暗雲は晴れ、青空が戻っていた。
アリアがフェニクスの卵を出現させ、世界の崩壊が止まったのであった。
「アリア・・なんて事を・・」
ローガン先生は腕にアリアを抱き、呆然としている。
「アリア・・」
アリアの元に皆が集まった。
「私は・・私はなんてことをしてしまったのだ・・」
ローガン先生は項垂れ、死んだような顔でアリアをただ呆然と見ている。
「ローガン先生・・手に持っている赤い宝石は・・」
エライザが聞いた。
「これはフェニックスの血から生まれる『復活の宝珠』です・・」
エライザがふっと笑って言った。
「それをアリアに使えばいいのではないのですか?」




