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森の奥の白い家の魔女  作者: プーマン
白い家の魔女と僕
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5/14

【5】それからの僕の話と彼女

 

 この街では誰もが魔女を当たり前のように毛嫌いしている。理由なんてない、魔女だから当然だ。


 でも。何故だか僕は昔からそれが好きじゃなかった。

 悪い事は全部魔女のせいだと言われているけど、そこに人の悪意を感じる事があった。


 「いやぁ、辛気臭い話をしてすまなかったね。話を聞いてくれたついでに、一つ質問をしていいかい?」


 「……質問?」


 考え込む僕に、彼女が声を掛けて来た。

 正直なところ、彼女に対する敵対心のような気持ちは無くなっているのだけど、接し方がイマイチ分からないので、ついぶっきらぼうにオウム返しをしてしまう。


 それでも彼女は気にする素振りもなく言葉を続けてくれる。


 「意味が分からなかったらそれでもいい。ーーキミはどうやってここに来たのかな?」


 「え、っと、歩いて、来ました?」


 「ふふっ、そうか。それならいいんだ」


 拍子抜けする質問に思わず吃ってしまった。

 でも、その答えを聞いて彼女は何だか楽しそうにしている。


 「ああ、ところで」


 そう彼女は切り出した。


 「殺され掛けた身としては、キミがここに来た理由も聞きたいのだけど、構わないかい?」


「ーー大丈夫。でも、まずはごめんなさい。さっきの貴女の話が本当だとして、僕は間違っていました」


 彼女の問いかけに、心から詫びて自分の身の上を話す事にした。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 「キミも大変だったね」


 僕の話を聞いた彼女は、眉をひそめて僕の境遇を哀れんだ。その哀れみに嫌味な感じはなく、他人から向けられる感情としてはどこか心地よいものだった。


 それだけに申し訳ない気持ちが止まらない。


 「本当にすみませんでした。他に捌け口がなかったんだと思う。貴女が憎いという気持ちではなく、僕の気持ちのゴミ箱にしてしまっていました」


 「……キミは他の人と自分がズレていることには気が付いているのかな?」


 僕の謝罪に、彼女は真面目な様子でそう言葉を返した。その言葉に心当たりがある。


 「みんなが魔女の話題になると、なんていうか盲目的になっているなとは思っていました。僕はそれが少し変だとも」


 「ふむ……」


 僕の答えに思うところがあるのか、しばらく何やら考え込んだかと思うと、彼女は少し眉間に皺を寄せると、僕に語りかける。


「……色々あったけれど、ここでの事は忘れてしまいなさい。久しぶりに人と会ったせいで私も口が回りすぎた。気になる事はあるだろうけれど、もう町に戻って二度とここに来てはいけないよ」


「でもーー」


「ダメだ。アレはキミが来た事にも気が付いているだろう。今は面白がって見過ごしているのだろうが、いつキミに危害が及ぶとも限らない」


「分かりました……」


 押し問答をしても無駄だろう。

 彼女は明確に僕を拒絶している。


 「早く行きなさい」


 急かされるように彼女から追い出された。

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