↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
森の奥の白い家の魔女  作者: プーマン
白い家の魔女と僕
PR
12/14

【13】 彼のはなし


 「おーい。そろそろ起きられるかー?」


 「……起きられます」


 男の声で目が覚める。

 同じようなことが少し前にもあったけれど、彼の声はローズとは違って目覚めに聞いて心地いいモノではなかった。


 「あれから、どうなったの?」


 第一に気になることを尋ねる。


 「とりあえず大丈夫だ。パパッと上手いことしておいたから安心しろ。3日経つけどなんの問題もねぇよ。……それよりも、だ」


 「……なんでしょうか」


 適当にはぐらかされた上、話の主導権を奪われた。



 「お前、ローズの知り合いであってるんだよな? 勢いで助けたはいいんだが、ロクに話も出来なかったからな」


 「知り合いというか……あの人は恩人です。返したい恩があるんだ」


 「へーえ? 忌み嫌われてる魔女相手に変わったヤツだな」


 「その辺りの話はローズから聞いている。揶揄っても無駄だよ」


 「話が早くて助かるねぇ」


 軽薄な口調で言葉を返す彼。

 その正体にも流石に勘づいている。



 「ローズは貴方のこと、ずっと待ってたよ。手紙残したの、貴方だよね」


 「 あー、そう……か。そりゃ悪いことしちまったな」


 短い付き合いだけど、これが彼のバツの悪い顔っていう事はよく分かった。



 「俺の話は一旦置いとくぞ。お前はローズの居場所も知ってるし、そこへの行き方も分かる。それでいいか?」


 「そうだけど……。行き方って言っても、森を真っ直ぐ歩くだけだよ」


 「なに言ってやがる。ローズの家はアイツが許可した人間以外に見つける事も出来ねぇよ。ましてや入る事なんざ不可能だ。俺でも大まかな気配を探すのにすら手こずったからな」


 そういえば、オジサンもそんなことを言っていた。

 でも僕は、ただ真っ直ぐ歩くだけでローズの家に辿り着いたし、普通に玄関から中に侵入した。


 「僕は迷ったりしなかったよ?」


 「ん? そりゃお前はーーっと。アイツが何も言ってねぇなら俺から話す事じゃないな。まあとにかく、お前はちょっと特別なんだよ」


 「特別?」


 「おっと、その話は終いだ。俺の本題に入るぞ。お前には今から直ぐにアイツの家まで案内して欲しい」


 またしても僕の話をはぐらかし、彼の本題に移られた。


 「言っておくが、お前のせいで急ぐ事になってるんだぞ。俺だって準備してからローズの居場所を特定して、会いに行こうと思っていたんだ」


 彼は続ける。


 「お前を起こす前、ローズの魔力を一瞬感じたんだけどな、それがすげぇ不安定だったんだ。……多分、間の悪い事が起きちまったんだと思う」


 「簡単にいうとどういう事?」


 「ローズが悲しんでるから急ぎたい」


 「分かった」


 「……急かしといてなんだが、お前変わってんなぁ」


 ローズの為という話に嘘はないと感じた。

 だったら細かい話なんて後でいいと思っただけのことです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。