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森の奥の白い家の魔女  作者: プーマン
白い家の魔女と僕
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11/14

【12】 あの日のこと

 

 ローズが怒っているのは珍しい……というか、僕は初めて見た。

 彼はそんなローズをいなしながら、ことの顛末を説明し始めた。

 

 「よし。まずコイツについて話そう」


 そう言って、僕を顎で指差す。

 ガサツな仕草だけれど、嫌な気分はしない不思議。


 「広場みたいなとこでコイツがな、今にも殺されちまいそうだったんだ」


 ーーそう。あの時、彼がいなければ僕は間違いなく今ここにいないだろう。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 酸欠で頭がズキズキと痛い。

 目の前の男が僕に声をかける。


 「危なかったなぁ、ガキんちょ」


 彼だ。広場に集まっていた人の中で、1人色々と騒ぎ立てていた、あの軽薄そうな男性。


 その彼が、何故だか僕の前に立っている。


 「な、んで……」


 「怖かったろ? もう大丈夫だ、周りを見てみな」


 彼に促されて周囲を見渡す。

 すると、不思議な事に気が付いた。


 「ーー皆、止まってる?」


 広場の観客だけではない。

 僕の真横には、嫌な笑みを浮かべた議会長が、その表情のまま固まっていた。


 「お前、ローズの知り合いみたいだったから助けてやろうとおもったんだけどよ、後のことを考えるとこういう方法になっちまった」


 すまねえなと、彼は僕に頭を下げ、言葉を続ける。


 「聞きてぇ事もあるだろうけど、後にしてくれよ。今はこっからお前を抜け出させなきゃならねぇ」


 「……分かった」


 この状況だとか、ローズの名前が出てきたとか、気になる事は山ほどあるけれど、今の状況をどうにかする事が最優先なのは僕も同じだ。


 「縄、解いてやる」

  

 彼がパチンと、指を鳴らすと、ひとりでに縄が解ける。これはローズもよくやっている、物を操作する魔術だ。


 状況からして、彼が魔術を扱う側なんだろうとは思っていたので、そこに驚きはなかった。

 けれど、その動作がローズよりも滑らかに感じたのはとても意外だった。

 

 ガサツそうに見えて、ものすごく丁寧というか。


 「ありがとうございます」


 「いーよ」


 少し振りの地面だ。正確には台の

 お礼を言った僕にヒラヒラと手を振る。

 

 「ちょっと動かないでくれよ【※※※※】」


 彼が何かを唱え、僕に手を向ける。


 目の前にいるので何を言ったのかよく聞こえたのだけど、その言葉の意味というか、発音は全く分からない。


 「はあ……。これ、アイツめちゃくちゃ怒るだろうな」


 「あ、れ……?」


 目を瞑るどころか、瞬きもしていなかった。


 けれど、いつの間にか僕は意識を失ってしまった。


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