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転生世界の野望(仮)  作者: even
第7章 サマーレ会戦
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サマーレ会戦~本格的塹壕戦の始まり~

支援砲撃で何とか持ち堪えた東側面の装甲兵員輸送車2両であった。


軽傷の5人は装甲輸送車に輸送され機銃手の補佐についた。

その代りたこつぼの防御火力がさがってしまった。榴弾砲の支援砲撃で敵が離れて白兵戦に持ち込まれる恐れが減少。しかし、時間が経つにつれ装甲兵員輸送車の負傷者が増大していく。


時を少し遡る


20vs3000という数字は突撃されればひとたまりもない。

機銃での突撃阻止と支援砲撃での突撃破砕が生命線である。

装甲兵員輸送車の2丁の30口径機銃で50m範囲内の敵は薙ぎ払われる。

たこつぼからの射撃で100m範囲の敵を確実に減らしていく。そんな中での支援砲撃の被害であった。

機銃掃射で敵の足を止め、そこにミリアⅡ式の射撃で粉砕していくが右手側から発砲炎を視認、視認してから1秒程度遅れて甲高い風切り音が聞こえ、たこつぼの前方20mに着弾する。


「おいおい!隊長!支援近いよ!総員たこつぼに隠れよ!」


支援砲撃は1分間続けられた。約40発程着弾したのである。

おそるおそる隊員はたこつぼから顔を上げる。

そこには敵兵がばらばらになってちらばってる光景が広がる。それでもその奥には敵兵が進んでくるのが見えていた。


「「うあぁ・・・・・」」

「痛いよ・・・」


負傷兵が出ていた。


「機銃手は敵を近づけさせるな!射撃開始!」

「私に続いて負傷者を車内へ!」


2丁の機銃が息を吹き返す、その間に急いで5人を収容を済ませる。

兵員が元の配置に戻ると防御射撃を再開した。


辺りの空はだんだん明るくなっていく。

硝煙と血の匂いが周辺にたちこめる。


そして、完全に陽が上ると周辺は地獄絵図になっていた。

50m~100mの範囲に死体が散乱し山となっていたためである。それでも攻撃をしようと敵兵が現れるのであった。

その時、機銃手が叫んだ。

「もう弾が500発程度しかない!誰か弾をくれ!」

「補給要請しないとだめだ!」


発光信号で補給を要請した。

発光信号を視認した自走榴弾砲1号車長エリーがミリアに報告、ミリアはすぐに正面に居る装甲兵員輸送車に弾薬補給を指示したのだった。


東側面の部隊の前にある死体の山と似た現象が正面の本隊にもある。そこは、自走榴弾砲を集中配備していたため、東側側面より巨大な山を形成していた。


「くっそ・・・用意してた弾薬の消費が激しい・・・補給班!駅から弾薬を受領し前線に持ってきて!」


輸送車を全部後方に回し弾薬の在庫をもとに戻そうとした。


砲隊鏡で敵を観察していた自走榴弾砲6号車照準手カシアは、敵が塹壕を作っているのを目撃、通報する。


「隊長!敵は塹壕を掘っています!私達の側面を塹壕で突こうとしているのかも!」

「正面突破をあきらめ側面攻撃に移行したのか・・・そうはさせない・・・正面火力を最小限に!塹壕の拡張を最優先に!」

自走砲に詰める人員を車長、照準手、装填手の3名を残し全員で塹壕を掘ることにした。


3列の塹壕がどんどん拡張されていく。

正面を監視していた自走榴弾砲4号車照準手スァリラが牽引砲が前線に出現していることに気づいた。

「隊長!我が隊より遥かに小さいけど牽引砲が現れました!」

「まぁ来るよね・・・引き続き監視して発砲してきたら叫んで!」

敵は牽引砲を投入してきていた。弾薬は不明であるが榴弾であれば脅威である。


塹壕掘りを継続、東側側面は昼戦になり元々数的に不利だったが圧倒的不利になっていた。

30口径機銃弾が1000発 ミリアⅡ式の弾薬2000発ほどしかなく負傷兵も10人に上っていた。

戦闘継続できる兵員は半分の10人となり、2丁の機銃でなんとか敵の突撃を押しとどめるだけになっている。

「ジリ貧にもほどがある・・・撤退するか増援に期待するか・・・」


この時塹壕拡張を最優先にした本隊と南方軍が東側側面のたこつぼと合体。実は東側面の装甲兵員輸送車と本隊の塹壕は100mしか離れていたなかった。このため、南方軍に防衛を任せ、東側側面の装甲兵員輸送車と負傷兵を中央の後方に移動することとになった。装甲兵員輸送車の30口径機銃を取り外し塹壕に設置、弾薬を下して移動したのだった。


東側側面の戦線は安定したため西側側面に攻撃が集中し始めた。この時南方軍は300人ほど重軽症者が出ていた。


西側側面の装甲兵員輸送車は、増員されていく敵兵に翻弄され始めていた。

発光信号で増援と支援砲撃を要請。

本隊の自走榴弾砲3号・4号車で支援砲撃を実施する。歩兵が動けなくなっているところに攻撃を加えて逃げるという戦術しか残されていなかった。そう、塹壕がないためである。相手の装甲車が現れたら撃破どころではなく逃げなければ戦線維持が難しい。


敵は正面から圧力を高めていった。装甲兵員輸送車は互いに防御しつつ機動力で物を言わせて敵前線を削り続けた。銃眼から敵弾が入り込んで兵員室から叫び声が増えていく。機銃手は、敵の弾幕射撃を砲塔状にした装甲板で弾き返して無傷であるが精神がそがれ続ける状況になっている。


自走榴弾砲からの支援砲撃の合間に装甲兵員輸送車が突撃を開始してすぐ離脱し支援砲撃の組み合わせであった。この戦い方は鈍感な精神じゃないとPTSD(心的外傷後ストレス障害)になってしまう確率が高いものである。


「敵は正常な判断ができないのか! 味方の砲撃に臆することなく突撃・・・・」


繰り返すこと10回、敵は後退し攻撃が止んだ。


「こんな攻撃二度としたくない・・・」


その後塹壕が西側側面の装甲兵員輸送車まで届いたのだ。この時、西側側面の装甲兵員輸送車2両の負傷兵は14人に上っていた。

3列の塹壕の全長が2kmに達し、敵の塹壕はまだ1kmほど。こうしてある程度は戦線が安定したのである。



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