世界初の機銃
塹壕の実習終わると、塹壕での訓練を繰り返し行っていた。
塹壕を掘る→射撃→前進の繰り返しであった。
訓練中ヌルの工場では輸送車の量産に注力していて、砲弾の量産などは余った労働力の手作業で行われていた。
しかし、手作業で鋳造と組み立て両方やる状況だと生産速度が遅く自分たちの砲弾数を確保するのが精一杯である。
輸送車の輸出で儲けた資金を使い、第2工場の建設に入った。それは、ヌルの計画である。
砲弾は砲や車両より単価は安いが数が要るため、継続的な利益になると考えていた。
ヴィーレ市の南東に位置した工場が、今までの車両などの大型製品の工場であるが、そこより200mほど北に行った砲撃訓練場跡地に、中規模の砲弾専用の工場を建てる物であった。難民が大量に街に職を求めていた時期と相まって臨時建設要員を確保でき、半月ほどで工場が完成し街の風景に煙突が追加されたのである。
ミリアは、次の戦いまでに203mm砲弾5000発以上、150mm榴弾砲(装薬分離式)10000発以上、105mmL/48用榴弾15000発以上確保したいとその時ヌルに伝えていた。
第2工場が完成した頃ミリアが設計した改良案の製品が出来上がっていた。
「よし・・・形は大丈夫・・・箱形弾倉も円盤型もはまる・・」
「ミリア・・・その辺りは作り慣れてると思っているが?」
「まぁ最初の試験だからねヌル」
「では早速この前の塹壕実習の所でテストするね」
ミリアとヌルは第1工場を装甲輸送車で塹壕の所まで移動する。
郊外に出て平地が見えると塹壕がある。
「よし!これからテストします」
ミリアは助手席に移り座席に立ち半円形の枠と5mmの装甲板で覆われた所から顔を出す。
左右に動かす、少し力要るが無事に動く、仰角・俯角は簡単に動かす事が出来ていた。
「可動範囲は正常・・・弾倉込めてみる」
最初に円盤形の弾倉を下から入れ装填する。
「よし!レバーはそこまで重くないしちゃんと装填出来てる」
セミオートでの射撃テスト開始
ターンと小気味よい音を出しながら次弾装填していた。しばらく撃ちつづけたが特に問題なく終わった。
リロードしてフルオートで射撃を開始、5発から8発程度で区切りながら撃つ。
「連射速度は今までの比じゃ無いなミリア」
100m先の的の一番外側の円の中に全て入り精度は悪くない。
しばらくして、24発ほど撃つとジャム(弾詰まり)を起こした。
「う~ん最初だからこんなもんか」
装填レバーを引きながら、挟まってる弾薬を除去し、弾倉にもう一度入れ全弾撃ち尽くした。
次に、箱形弾倉の試験に入る。
円盤形の弾倉を外し、箱形弾倉を装着、装填レバーを引く。
今度はレバーの戻しが硬く初弾さえ、装填出来なかった。よく見ると、弾を支える金属の薄い板が装填レバーと干渉して戻らなくなっていた事が判明。
「ジャムはバネが弱いからかな・・・当分は円盤形か・・ヌル、箱形の改良続けて、あとばねの強化もね」
「はいよ」
「円盤型で妥協か・・」
こうして装甲兵員輸送車の兵装が問題が残っているが完成したのだった。
補足であるが、この30口径機銃は、総重量12kgあるが持ち運べない重量ではないため緊急時は、陣地や突撃支援のために取り外せる構造になっている。
自走砲にも同じ物を付ける予定だが配置はまだ決まっていなかった。




