王都からの帰還
次の日
ミリア達は、ヴィーレ市に帰るために駅に集まっていた。
帰り道は、貨物が無いため、すぐに積み込みが完了し、自走榴弾砲を乗せて出発準備が終わった。
列車が出発の合図を出すとゆっくりと動き出す、駅周辺には民衆が集まって手を振っていた。ミリア達も返事で手を振る。
「かなり人集まっていたけど人間が多かったね~」
「そうですね~ 先の戦いの影響?」
「かもね よし!これからのことを車内で話そうか」
「了解!」
列車が速度を上げ王都から離れていくのであった。
しばらくしてトンネルを何本か通過した頃、自走砲内にて、
車両の外では風と雪が強くなっていた。
「今までの戦術なんだけど、たぶん世界各国に知れ渡ってる頃だと思う、ずっと同じ戦術を取っていると弱点を突かれやすくなるから、更新したいなと思う。皆いい案があったら言ってね」
「議論できるのかな・・・・」
「隊長より頭回らないから答え出ないかも」
「う~ん・・・戦術は客観的に見ないと穴が生まれる・・・だから考えに凝り固まってない人の意見がほしい」
「そうですか・・・う~ん・・・今までの攻勢の戦術は、自走砲で制圧射撃をして戦力の穴を見つけ出して突撃ですね」
「もし、制圧射撃中に騎兵突撃が来たら最悪・・・自走砲自体に近接戦闘できるようにするとか・・」
「ほう・・・自走砲の近接戦闘か1個目の改良点発見」
「制圧射撃で戦力の穴を見つけて突撃する時、先頭の車両は集中砲火受けることに・・・今の装甲ではなんとか持ちこたえれるけど相手も改良してくるかも・・・そうなると耐えれないよ」
「経験上中の人の精神は相当強くないとやってけない、輸送スペースにある銃眼からの反撃はできるけど固有の武装が必要で反撃できれば精神的な負担はある程度緩和できると思います」
「整理すると装甲兵員輸送車は、1.前面側面の装甲を強化 2.固有の兵装を付ける でいいかな?」
「はい」
「次は突破後だね 防御線に楔を打ち、そこに味方をある程度引き入れて、そのまま敵後方まで浸透これが基本になる」
「そのあたりは個人の戦闘能力によってだいぶ変わってくると・・・銃を改良すれば問題はないかと」
「銃の改良か・・・わかった」
攻勢時の戦術と改良点の案は終わって次の議題に入った。
「防御時の戦術は基本は機動砲陣地戦術だけど何かいい案はある?」
「う~ん・・・塹壕に歩兵を配置して突破されそうなところに装甲輸送車を急行させるのは?」
「いいと思うよ で、それで?」
「その装甲兵員輸送車の後方に砲陣地を展開する・・・・」
「砲陣地の機動性を減らして防御力に注力するのか・・・・わかった」
こうして自走砲車内での戦術や足りない部分の討論がおわったのである。気づくと外は雪が止み日差しが出てきていた。
開放型の戦闘室であるが戦闘を想定していないため上面に布をかぶせロープで固定いる。
その自走砲の開放部分からミリアは外を覗く、山から平野まで一面雪で覆われていて街道と川は雪が半分溶けた状態であることが見て取れていた。輸送中の自走砲は定員5名であるが6名乗るため弾薬は車体後方のスペースに箱に入れて置かれ、空いたスペースに布を敷いて寝れるようにしている。気温が低いため息が白い、それでも隊長のミリアは薄着であった。
少しすると駅に近くなり、建物と街道の馬車が見え始めた。
ヴィーレ市に戻るまでの間は途中の駅で食糧を買い、トイレを済ます。ヴィーレ市と王都カリータ間は少し前に開通した鉄道であるが、カリータからは鉄鉱石・燃料・兵士輸送、ヴィーレ市からは鉄鋼製品・石灰・兵士輸送で物資輸送のキャパシタを増やすため、駅と小規模の村が出来ていたのだ。
駅の近くには宿泊施設や料理店が鉄道の客に対して商売をしている。駅を作ったことによりできた村は、先の戦いから逃げた避難民が労働者になり定住をしている。この労働者が鉄道の利用客に対して得た利益は国の非課税対象だったので商売がしやすかったのだった。しかし、農地には課税が発生するためあまり発展せず。
そんな村を眺め、戦争がまた勃発するであろう将来を考えていた。王都とヴィーレ市を結ぶルートが弱点になることを。
移動3日目にヴィーレ市に到着し、無事150mmL/10榴弾砲を届けたことをエーリッヒに伝えた。




