王都での試射演習
榴弾砲を納入した次の日の朝、王都カリータの演習所で試射が行われる事になった。
ミリア達は、自走榴弾砲で150mmL/10を演習所まで運び、砲撃姿勢にして隣に停車し待機していた。
ミリアはその時、自走砲の105mmL/48の砲身が長い事を再確認する。
当たり前であるが砲身長は口径長×口径で計算でき、10×150mmつまり1500mmの砲身長の150mmL/10と48×105mmつまり5040mmの105mmL/48を比較すると、約3倍になるためである。
広告で集まった民衆に加え、聞き慣れないエンジン音により大量の民衆が集まった。しばらくして太陽が少し高くなった時間に試射および式典が開始した。
国王「民衆よよく集まってくれた。これから我が軍に新しい力が加わる。我が軍の新しい力により安全により快適に過ごせる時を得たのだ!そして今日!その力を皆に知って貰いたい!」
そう締めくくり民衆が沸いた。
ミリア「砲撃用意!」
エリー「砲撃用意!」
自走砲周辺に置いてある150mm砲弾を装填手が運び、照準手のトーシアが仰角と方向を調整する。
トーシア「照準よし!」
エリー「砲撃用意よし!」
ミリア「てーーぃ!」
乾いた音が付近に轟く、未だカロネード砲やカルヴァン砲の発砲音しか効いたことが無い人には大きく聞こえる。
ミリア「照準そのまま!全力射用意!」
エリー「全力射用意!」
装填手が弾薬を砲のすぐ後方に配置する。
トーシア「照準よし!」
エリー「全力射用意よし!」
ミリア「てーーぃ!」
発砲音がしてすぐ尾栓を開き廃薬莢、装填、尾栓し砲撃これを最大の速度で行う。
二分間射撃して、分間15発を発揮していた。標的であった500m先の馬車の荷台は消し飛んでクレーターが出来ていた。
民衆と国王はその結果に唖然として静まりかえっていた。
ミリア「やりすぎた?」
エリー「どうだろう・・」
しばらくすると民衆が騒ぎ始めていた。
民衆A「大砲ってあんなに速く撃てる物なのか?」
民衆B「俺が見た大砲はもっと遅くて前から砲弾入れてたぞ」
民衆A「新型なのかやっぱり」
国王「す・・すばらしいな!」
ミリア「ありがとうございます!」
国王「しかし、隣ある砲はなんだ?」
ミリア「私達突撃砲兵隊の主力です」
国王「それも見せてはくれないか?」
ミリア「分かりました。乗車!エンジン始動!」
装填手の一人がエンジンにクランクを差し込み始動させる。
ミリア「最大仰角32度!砲撃用意!」
エリー「砲撃用意!」
装填手二人とトーシアが後部を開放させ、トーシアが照準器に着く、装填手は弾薬箱から弾薬を取り出し即応弾のスペースに置く。
トーシア「32度照準よし!」
エリー「砲撃用意よし!」
ミリア「てーーぃ!」
腹に来る重低音が辺りを包み、反動で車体が少し前後に揺れる。
105mm砲弾は先の150mm榴弾砲を遥かに越える速度で飛んでいく、川を越え岩山に命中、それは、5000m先であり最大射程であった。
ミリア「次弾装填!角度そのまま!全力射用意!」
エリー「全力射用意!」
トーシア「照準よし!」
エリー「全力射用意よし!」
ミリア「てーーぃ!」
左右からの装填と開放した後部から高い金属音がして薬莢か排出され、その量が増えていく。
150mm榴弾砲より小さい口径で着弾時の加害範囲は小さいが、掴みやすく弾頭部分は150mm榴弾砲より軽くなっており、装填速度は倍近くなっている。先の装填速度は分間15発であったが、これは24発を発揮した。
5000m先に目をやると着弾音は遅れて届き、岩山は消し飛んでいた。
凄まじい音に民衆は耳を塞ぎ沈黙していた。
砲撃は2分間続けた
国王「こ・・・これ売ってくれないか?」
ミリア「これは商品ではありません。ヴィーレ市の突撃砲兵隊だけの装備です」
国王「そうか・・残念だ・・」
国王が残念そうにするとようやく民衆の気が元に戻っていた。
民衆C「あのデカイ音はその音だったのか」
国王「皆に見せたこの大砲の記念すべき日を華やかにするため宴を開く 思う存分騒いでくれ」
国王が演説したあとすぐにメイドたちが会場に料理を運んできた。それらは貴族用の豪華な物ではなく民衆用の大量な料理で鳥料理がメインになっている。その大量の料理に民衆のテンションが最大になっていた。
ミリア「国王も太っ腹だねぇ~」
トーシア「そうですね隊長」
突撃砲兵隊も民衆に混じって宴会に参加するのであった。




