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3/7

真夜中を統べるシェフ

 写真に恋をする人間がいる。


 画面の中のアイドル、ポスターの俳優、小さなガラスの長方形に収まった完璧な照明の顔。彼らはピクセルを拡大し、ほくろやまつげの一本一本まで記憶する。そして残りは頭が勝手にやってくれる。空白を声で、人格で、話し方で埋めていくのだ。あの完璧な一枚で光が頬に当たっていた、その角度にふさわしいように。馬鹿げているが、妙に効率的だ。美しい画像を見れば、脳は内側が外側とちぐはぐにならないよう、それに見合う台本を急いでこしらえる。


 そうした妄想の中でさえ――罪深いものでも、清らかなものでも、その中間のどんなものでも――言葉のやり取りは必ずある。話したり、メッセージを送ったり、書いたり。アイドルは、ファンが望むとおりのやり方で、アイドルの美しさが最初に落とした稲妻をそのまま保つ、まさにその口調で答える。幻想のすべては一貫性にかかっている。妄想の中の人格が写真にそぐわなければ、幻想は壊れてしまう。


 では、それを学校生活に置き換えてみよう。


 現実が妄想と食い違ったとき、展開されるシナリオは二つある。誰かが、どういうわけか、安全な距離から眺めるのをやめて俺のところへ歩み寄ってきたとき。わざわざ俺という存在を「背景キャラ」から「話しかけてもいいかもしれない人」へと翻訳する手間をかけたとき。


 シナリオその一――失望が俺に向けられる。


 彼らは雑談を試みる。なんとなく落ち着いていて頼りになりそうな男、教室でいつも手伝いをしているあいつなら、性格も同じくらい口当たりがいいだろうと期待して。質問をし、冗談を言い、話題を振る。そして俺は、自分だけの失敗のブランドに忠実に、可能な限り短く、安全で、栄養価のまったくない答えを返す。


「まあまあだった」「わからない」「いや」「ああ」


 実は自分が話しかけていたのが、端正で礼儀正しいモアイ像だったと悟るにつれて、彼らの目の光が薄れていくのを俺は見ていた。


「そもそも、なんでこの人と話したいなんて思ったんだろ? キモっ!」


 彼らは口には出さない。だが距離は戻ってくる。妄想は静かに自壊する。それが第一のパターンだ。


 シナリオその二――失望が自分自身に向けられる。


 最初の近づき方も、つながろうとする試みも同じ。俺の側の崩壊も同じだ。平板な返事、気まずい沈黙、全速力で確保される逃げ道。ただ今度は、「つまらない人」と思う代わりに、彼らはナイフを自分の内側に向ける。


「なんで私と話したくなかったんだろ? 私ってキモいんだ!」


 彼らは、俺の無反応を自分への個人的な拒絶だと思い込む。まるで俺の社交上の失敗が意図的なもので、ただの誤射ではないかのように。


 どちらにしても、絶望的だった。


 俺のイメージは、俺の会話と一致しなかった。俺の佇まいが漠然と与える「イケメン」という印象がどうであれ、それは俺の実際の自己表現――あるいは表現の失敗――とは何の関係もなかった。


 妄想と一致したのは、俺の料理だけだった。見た目は素晴らしく、たいていの場合、味も格別だった。外側と内側が揃っている。だからこそ、俺のチャンネルはうまくいった。サムネイルの料理と動画の中の料理は同じものだ。ひと目見たときとひと口食べたときのあいだに裏切りはなく、その一貫性が心地よかった。


 それ以外のあらゆる項目で、俺はミスマッチだった。


 琴音のような人間が、予想もできない一撃にすでに傷つけられている世界で、何よりいらないのは、下に栄養のひとかけらもない、もうひとつのきれいな嘘だった。


 心の奥底から、俺は自分を超えたいと願っていた。俺が学園に入った頃、うちのショコラトリーは苦しい状態にあり、兄は大学の学位を取るために家を離れていた。だから俺はホスピタリティの勉強に飛び込んだ。


 海外では、料理動画はシニカルなほうが売れた。こちらでは、調和が売れた。だから俺はその二つを融合させて、建設的な批評にすることにした。


 うちのショコラトリーも家の台所も大したものではなかったが、提携しているレストランにはもっといい厨房があった。俺は閉店後にその厨房を借りた。それが、俺の名前――MidnightChef――の由来を確かなものにした。


 俺は決して顔を見せなかった。料理を徹底的に分析し、改善点を挙げ、アップグレード版を披露して、店の繁盛を祈る。


 そして俺は話した。ここしばらくなかったほどに。動画は、普通の会話では決して得られなかったものを俺に与えてくれた。時間だ。考えを差し出す前に形を整える時間。いつも口から漏れる「ああ」と「いや」の後ろに隠れている言葉を見つける時間。


 それは、何年も前に自分を閉じ込めた檻から抜け出す道のように感じられた。MidnightChefは鍵だった。失うつもりはなかった。


 誰かとつながるには、夕食ひとつ分の長さが必要だった。心に錠をかけたこの鉄格子の向こうから、自分の答えを差し出すための、夕食ひとつ分の時間が。


 超富裕層の依頼人たちは、いつでも、どこでも食事を求めた。夜に時間を空けておくことで、依頼のほとんどは俺の得意な夕食とデザートになった。


 チャンネルをプライベートシェフの仕事へと発展させる頃には、人を遠ざける俺の癖は、もっと穏やかなものへと形を変えていた。テーブルへと招き、食事を差し出すことへと。


 もっとも、それは増えつつある依頼人たちに対してだけのことで、当時のその数は片手で数えられるほどだった。

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