第二十七話
昨日は投稿忘れてました。
チェックしてくれていたかたすみません。
自室に戻り、先ほどまでの出来事を振り返る。
妹のルーを守るために興奮したスーを止めるために俺は呼ばれていた。
超能力について誰にも明かしていなかったのにだ。
急なことで超能力を使い対処したが、ルアナの「よろしく」というのはスーの元に行って落ち着かせてくれということだったのだろうか?
いや。それは恐らくないだろう。ルアナのことだ。すでに俺が超能力を使えると知っていたとみるべき。
「フニャアァ……」
思わずため息がもれる。
階段を落ちそうなアミーを助けて「アンバー様!」みたいなヒーローを演じようとしていたのにまさか最初からバレていたとは。時々一人でにやにやと考えていた自分が酷く滑稽に思えてくる。ああ恥ずかしい。
仰向けになりゴロゴロとベッドの上で暴れる。猫の動きと人間の羞恥心をミックスしたローリング。やってるとちょっと楽しくなってきたのは秘密だ。
ゴロゴロ、にゃんにゃんと動いていると、その場面を戻ってきたアミーに目撃されてしまった。
その小さな子を見るような微笑みは止めてくれ。俺に効く。
「ルアナ様から仰せつかりましたので、先ほどの件についてお話させていただきます」
ベッドの脇に腰かけたアミーは、真剣な顔に戻るとこう切り出した。
「まずは謝罪から。申し訳ございませんでした。先日は世間一般での認識について語らせていただいておりました。あの時点ではアンバー様にどこまで開示していいのか聞かされておりませんでしたので……」
俺に向かって頭を下げるアミー。
そこへペシペシと前足で頭を叩く。「別に気にしてないよ」とモテ男を演じるのだ。しかし顔を上げたアミーは悲しそうな表情。
叩かれたと勘違いしてる⁉
慌ててごろにゃあとスリスリしておく。
フォローは丁寧かつ心を込めて。以前誰かが言っていた。誰だったかな?
とにかくいつもより念入りにスリスリする。
なんとか気持ちは伝わったようで「ありがとうございます」と言いながら抱え上げてくれた。こういった抱っこはアミーにしては珍しい。
少ししてベッドに戻されると先ほどの続きが語られる。
「遥か昔。初めに特殊な力を持つ人間が見つかったのは、とある農村だったと聞いております。成人前の若者が森へ入ると、毎度毎度獲物を捕まえて来ることを不審に思った村人が後を付けその様子を見ると、ありえない動きをする矢の動きを目撃したのだとか。当然それはすぐに村中に知れ渡ることになりました」
唐突に始まる昔話。
アミーがこの場面で無駄なことを話すとは思えないのでこちらも真剣に聞く。
耳がぴこぴこ動き時々余所を向いていますがちゃんと聞いていますよ。
「すると村人たちは『こいつは変な力を持っている。だから動物だ!』と言い始め、父親は人に化けた動物。母親には動物の子を産んだ裏切り者。と決めつけ殺してしまったんだそうです」
ふむふむ。
まるで魔女狩りですね。ひどい話だ。
「時は流れ貴族の中にも特殊な力を持つ者が生まれましたが、すでに『特殊な力を持つものは動物』という話が広まってしまっていたので貴族であっても常識を覆すことは難しく、普段は力を隠し、行使する時には共にいる動物が行ったように振舞うようになりました」
なるほど。守護獣ってのはここから始まったのかな?
「それで先ほどの件に話は戻りますが、ルアナ様。エルミーナ家としましてはアンバー様にそのような役割を期待しているということになります。幸いなことにアンバー様は優秀で、まだ幼いながら力を自在に操っているご様子。是非ともスース様のためにお願いいたします」
優秀だって褒められたぞ!
誇らしい気持ちが尻尾や他の部分へと現れる。
さて。大体のことは理解した。褒められたりアミーに頼まれたからというわけではないが俺に出来ることはやろうと思う。スーとルーは弟と妹みたいなもんだからね。兄として頑張りましょうか。二人からすると俺が弟みたいだけどさ。
それにしても最初に特殊な力を持つと発見された人間が権力者側だったらまた世間の常識は変わっていたんだろう。そう思うと他人事ながらなんだかやるせない気持ちになる。
どうかんがえても現在の情況は歪だ。きっと今も能力があるがためにそれを隠し怯えて生活している人がいるのだろう。
力を持つことがマイナスになるなんて……。
そう思うと俺は、この世界では猫で良かったと思う。




