休日
『ピンポーン』
家のインターフォンが鳴って目が覚めた。
土曜が仕事になったので、日曜はゆっくり起きようと思っていた。
特に予定無いし。
うーん、体が重いな。
『ピンポーン』『ピンポーン』
あれ?ゆかり居ないのか?
宅配かな?
慌てて、起きて玄関のドアを開けるとしおりが立っていた。
「おはよー。あれ?玄関からじゃなくても入れるだろ?」
「もしかして、今起きたの?もうお昼よ。
って全く、何言ってるのよ。魔法を使って誰かに見られたらどうするの」
んー?
俺、少し寝ぼけてるかも。
さっきまで寝てたしな。
昨日異世界だったから、感覚がおかしくなってるのかな。
「あれ、時間…本当だ、十一時じゃんか」
壁にかかっている時計を見ると十一時を回っていた。
「電話出ないんだもの。生きているのか心配になって来ちゃったわよ」
随分大げさだな。
それにしても、スマホ鳴ってたのか?
気が付かなかったけど。
「あれ?今日しおりと何か約束してたっけ?」
「特にしてないけど、家に遊びに来ても良いでしょ?」
「まあ、玄関で立ち話しも何だし、家に上がって」
異世界での仕事、疲れる事してないはずなんだけどな。
精神的に疲れたのだろうか?
「おじゃまします」
「ちょっと俺、着替えてくるわ。適当に座ってて」
俺は、パジャマのままだったので着替えるために自室に戻った。
「何か飲む?冷たい麦茶あるけど」
「うん。お願いするわね」
ゆかりは何処かへ出かけたらしいな。
「ゆう、ずいぶん疲れて見えるけど…ギルドでお仕事して学校とか大丈夫?」
「まだ、初日だし慣れていないからな。大丈夫だと思う」
昨日が初めての仕事だったし、慣れてくれば平気だろう。
「じゃあ、今日はお家でのんびりしましょ?」
どうやら今日はお家デートに決定らしい。
家で肩を寄せ合って、サブスクの映画を見るのも良いかもしれないな。
「たまには出前にするか」
注文をしようとスマホを手に取ると、しおりからの着信履歴数回と、メッセージが何件か入っていた。
どおりで心配するはずだな。
ネットでピザの注文をする。
お昼は彼女と一緒にご飯を食べて、のんびりしよう。
*** 黒田しおり視点
彼と、一緒にお家でピザを食べた。
相変わらず男子って沢山食べるわよね。
大きいピザのほとんどが彼の口に消えていった。
ポテトやチキンもあったはずなのだけど。
食後に、二人で映画を見ていたら…ゆうがわたしの肩に寄りかかってきた。
「??」
お腹いっぱいになって、眠くなったのかな。
急に、寄りかかってきたからびっくりしちゃった。
彼の頭をわたしの膝の上に載せる。
肩だと不安定だからね。
「仕事に慣れるまではお家デートかな?ゆうも寝ていると可愛いのよね」
わたしは彼の頭を優しく撫でる。
髪は柔らかいのよね。
チュッ。
彼のひたいに唇を付ける。
あら?頬が赤くなったわね。
もしかして起きているのかしら。
「今度は口にキスしちゃおうかな?」
耳元で囁いてみた。
「ちょ、ちょっとタンマ」
ゆうは目を開けて、ストップをかけた。
慌てて起き上がる。
「冗談よ。狸寝入りしてるんだもの。つい揶揄いたくなっちゃった。疲れてるみたいだし、わたし帰ろうか?」
「しおり、帰らないでくれ」
ゆうはぎゅっとわたしを抱きしめた。
わたしは、彼の胸の中に包まれる。
温かい幸せな気持ちに包まれていた。
「もう少し居てほしい」
彼の顔が私に近づいて、唇に触れた。
いつもよりも、深い口づけにわたしは驚く。
頭がふわふわしていて、意識がぼーっとしている。
何だか気持ちいい。
「しおり、高校を卒業したら結婚しよう」
「結婚?」
今、結婚って言った?
「身内だけで小さい結婚式をしよう。結婚したら俺たち一緒に暮らせるだろう?」
えええっ?
近いうちに結婚するだろうなとは思っていたけど。
急にプロポーズされるなんて思ってもいなかったわ。
ちょっと、混乱してきちゃった。
「しおり?」
「ああ、ごめんなさい。急だったから、驚いちゃって…結婚できるなんて嬉しいわ。
ゆうの親に挨拶しないといけないわね」
「うちの親は年末に帰ってくるとは思うけど、その時に話す事にしよう」
緊張してきちゃった。
わたし、ゆうのご両親に一度も会った事無いけど大丈夫かしら。




