表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/65

カップル?

 チュン、チュン。

 すずめの鳴き声が聞こえた。

 朝になったようだ。


「黒田さんおはよう」


「えっ?あっ…ごめんなさい。わたしってずっと寝ちゃってたのね」


 昨夜は魔物が出てこなかったようで、しばらくぶりにぐっすり眠れた。

 ベッドから体を起こしてカーテンを開ける。

 窓を開けると、爽やかな空気が入ってきた。


「十二時で起こしてくれて良かったのに」


 彼女は毛布で顔を隠している。

 恥ずかしがっているみたいだ。


「まだ眠たそうだったし、何だか可哀そうになってさ」


 いつもの凛とした感じじゃない黒田さん可愛い。

 こっちが素なのだろうか。


「上原くん…笑ってる」


「ああ、悪い。何だか可愛くて」


「か、可愛い!?」


 コロコロと表情が変わる彼女。

 見ていて飽きないな。

 俺はどうやら黒田さんの事が…好きみたいだ。


「今から家に帰って…」


「一緒に学校へ行かないか?」


「え?」


「朝ごはん一緒に食べよう?」


「そこまでお世話になるのも、わ、悪いし…」


「そのくらい、平気だよ」


 食パンをトースターで焼いて、マーガリンを塗ってハムを乗せる。

 黒田さんと一緒に同じ食パンを食べた。

 飲み物はホットコーヒーだ。

 コーヒーの良い香りがダイニングに漂う。


「はいどうぞ」


「あ、ありがとう」


 彼女はクリームとお砂糖をコーヒーに入れた。

 苦いのが苦手なのかな?

 黒田さんが家に居るのが何だか不思議で。

 胸がポカポカしてきた。


「お兄、にやにやしていて気持ち悪い」


「そんな顔してるか?」


「うん、してるわね」


「原因はまあ、言わなくても分かるんだけどね」


 ゆかりが黒田さんをチラリと見る。

 黒田さんの頬が赤くなった。


「二人とも食べて、早く学校行ってくれないかなあ」


「お前も学校だろ?」


「カギ閉めるし、今日は少し遅れても平気だから…」


「そうか。カギ閉め頼んだ」


「ごめんね。ゆかりちゃん」


「いえいえ、どういたしまして」


 そういえば以前も一緒に学校へ行った事あったな。

 前は心配で付き添った感じだったけど。


「行ってきます」


「ご馳走様でした」


「行ってらっしゃい」


 ゆかりが手を振った。

 俺と黒田さんは一緒に歩き出していた。


「せっかくだから手を繋がないか?」


「え?どうしたの急に…いいけど。こ、恋人同士に思われるかもよ?」


「良いよ別に」


「ふえっ?」


 彼女の顔が真っ赤になっている。

 俺はそんな彼女の手を優しく握った。



      *



「昨日は久々に休めたね~」

 昼休み、いつもの様に安良坂が教室に遊びに来ていた。


「毎日こうだと良いんだけどな」


「…そうね」


「あれ?何だか二人変じゃない?」


「変って何がだ」


「うーん。よく分かんないけど」


 安良坂は首を傾げている。


「黒田さんがしおらしいし…二人が仲良さそう。仲良いのはいつもか」


「黒田さんは普段と変わらないと思うが」


「そ、そうよ。普段通りよ。確かに上原くんがいつもより頼もしい気がするけど…」


 黒田さんは照れているみたいだ。


「ふうん、そっか。やっとカップルになったんだね〜」


「「カップルじゃ無いし」」


「否定しなくても。近いうちになるだろうなって思ってたから。じゃ、邪魔者は退散するとしよう。バイバイー」


 安良坂は自分のクラスに戻ったようだ。

 付き合ってもいないのに誤解されてしまった。


「上原くん、わたしの勘違いじゃなければ…わたしの事好き?」


「ほえっ?」


 思わず変な声を出してしまった。


「えっと、今答えなきゃダメか?俺の家とかで良ければ」


 今は学校の教室にいる。

 みんな聞いてないふりして、結構俺たちの会話を聞いている気がするんだよな。

 遠足の後からよく揶揄からかわれるし。


「彼女大事にしなねー」なんて女子から言われたりした。


「人の目があるから恥ずかしいんだ。一応…」


「そ、そうね。ごめんなさい」


 ていうか、これって肯定しているのと同意な気がするのだが?

 彼女は恥ずかしそうに目を伏せていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ