ドラゴン出現!
「「ピピピッ!ピピピッ!」」
銀の腕輪が鳴りだした。
映像に『ファイヤードラゴン』が表示されている。
因みに音と映像は持ち主しか認識できないので、他の人には見えていない。
今は授業中の五時限目、真昼間である。
町の中心街に出現したらしい。
当然のことながら学校だったので、体調が悪いと言って早退した。
かなり無理があるけど…。
安良坂は良いとしても、俺と黒田さん一緒に早退ってどうよ?
「わたし保健室へいったん行ってから帰るようにするわ」
「おう、すまないな」
バラバラに帰る風に見せかけて学校を離れる。
何とか無事に学校から出ることが出来た。
*
バラバラバラ…。
ヘリコプターが上空を飛んでいた。
どうやらテレビ局のヘリのようである。
「不味いな。俺たちの姿が映ってしまう」
「魔法で姿を変える事にしましょう」
「そんな事出来るの?」
『変化魔法』
黒田さんが魔法を唱えた。
俺は180センチ長身のグラマラスな金髪女性の姿に。
黒田さんは白髪の男性老人の姿に。
安良坂は白い子犬に姿を変えていた。
「「すげえええっ」」
俺は、胸が大きくて胸元が大きく開いている悩殺的な衣装だ。
鏡で自分の姿を見てみたい!
「騒がないで」
「これ凄いよ、一体どうなってんの?っていうか何でぼく犬?」
「見え方が変わっただけで体は同じなのよ。犬でも心配しないで。いつもどおりでいきましょう」
「「ゴオオオオッ!」」
ファイヤードラゴンが飛びながら口から炎を放っている。
近隣の建物が燃え始めた。
「早く倒さないと不味いな。大火事になる」
「わたしたちはドラゴンを倒すことだけに集中するわよ」
「ファイヤードラゴンって水が弱点だっけ?」
『ウォーターボール』
安良坂が水の塊を大量に作り一斉に投げる。
白い犬が魔法を放つって、何だかシュールだな。
「ウォーターボール」はドラゴンに当たって水蒸気が立ち込めた。
「「ギャアアアアアアアア―—―」」
苦痛でドラゴンが叫んだ。
水が弱点らしい。
「「ゴオオオオオ…」」
怒りに触れたのか、ドラゴンが俺たちに向けて炎を放つ。
『魔法障壁』
黒田さんが直ぐに魔法障壁を作りだした。
透明な半円形の壁がドラゴンの炎を防ぐ。
ドラゴンは飛びながら攻撃してくるようだ。
「やはり、空を飛ばないと物理攻撃が当たらないか…」
剣で切るには飛ぶしかない。
「上原くん、行って来て」
「了解」
見た目グラマラス金髪美女の俺。
風魔法で上空に行き、ドラゴンの前に浮かぶ。
スカートがスース―する気がする。
実際にはスカートは穿いてないのだけど。
姿だけでそんな気がしてしまうのだから凄い。
『・・・・』
『・・・・』
近くにいる、テレビ局のヘリが邪魔だな。
マイクで何か喋っているようだ。
俺が上空に来たことで、撮影を始めたのだろうか。
カメラがこちらを向いているようだった。
俺は大剣をアイテムボックスから取り出す。
今回は水の剣にしよう。
水の攻撃が効きやすいみたいだから。
『水よ』
大剣に水を纏わせてみる。
あ!そうだ。
超音波のブレードをイメージする。
魔法はイメージで変化出来る。
これで切れやすくなるはずだ。
ドラゴンは何せ図体が大きくて、表面のウロコは固く切るだけでも大変なのだから。
『「危ないからどいてください!!」』
ヘリに聞こえるように魔法で大きな声を響かせる。
プロペラの音?で乗っている人は大きな声じゃないと聞こえないだろうから。
しばらくして、ヘリが少し離れ始めた。
聞こえたようだ。
俺はさらに上空を飛ぶ。
ファイヤードラゴンの頭上へと降り立った。
「はああああっ!」
大剣を振りかざし下に降ろす。
固いと思われたウロコは難なく、剣が通っていく。
力を込めなくても、剣が吸い込まれていくようだ。
首を切り落とした。
頭部が地面に落下する。
どんな生物も、頭が無ければ生きていられないだろう。
「「ズドーーン!」」
ファイヤードラゴンの巨体はそのまま地上に落下した。




