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エリクサーと時空

 俺は安良坂と一緒に公園に来ていた。

 小さい公園で遊具もあまり置いてない。

 ブランコと滑り台、砂場があってベンチが設置されている。


「ここで気を失っていたんだよな」


「うん」


 最近、子供は公園で遊ばないようで見当たらない。

 家の中でゲームをして遊んでいるのだろうか。


「クラスの奴も、ここで昨日気を失っていたらしい」


「それはまた…」


「面白そうな話だから、わたしも混ぜなさいよ」


 黒田さんが割り込んできた。


「面白そうって危険かもしれないんだぞ?」


「そんなの分からないじゃない。でも、この三人なら何があっても大丈夫でしょ?」




「こんにちは」


 俺たちの前に青年が現れた。

 黒いスーツ、茶髪で浅黒い肌…一見チャラそうに見える。


「あれ?あの人、どこかで見たような気がする…」

 安良坂が呟く。


「キミが上原くんだね?初めまして、オレは神之内礼と言う。異世界から戻ってきた勇者なんだって?」


 青年が笑顔で俺に近づいてきた。

 何で知っているんだ。

 鑑定能力を持っているのだろうか。


「俺に何か用でしょうか?」

 俺は彼を睨む。


「そんな警戒しないでほしいな。一つ聞きたいことがあってさ。実はエリクサーを探しているのだけど持っていないだろうか?」


「エリクサー?万能薬って言われている?」


「そんな薬存在するのかしら…」


「お嬢さんでもいい。持っていたら譲ってほしいのだけど」


「あ…前に、この人に訊かれたかも…」


 安良坂が「うーん」と言って、思い出そうとしていた。




『あらあら、三人とも集まって一体どうしたのですか?』


 突然、鈴の音のような女性の声が聞こえた。

 ふわりと目の前に突然、金色の長い艶やかな髪、青い瞳の女性が現れる。

 胸元が開いた大胆な白いドレスを見に纏っている。


「「「女神さま?」」」


 以前、俺が異世界に行くきっかけになった女神だ。

 確か名前は…。


「リリアホワイト様?どうしてここに?」

 黒田さんも同じ女神を知っているみたいだ。


「女神だと?」

 神之内が困惑している。


『あー成程。分かりました。神之内さんには今回は特別に差し上げますが、これ以上能力を使って勇者たちに変なことはしないで下さいね』


 女神は微笑んでいる。

 よく解らないが、女神にはすべてお見通しらしい。


「え?まさか、オレの能力の事がバレているのか?」


 神之内は驚いている。

 女神リリアホワイトは、何もない空中から青い瓶を取り出した。


『これはエリクサーです。貴方の《《彼女だけ》》に使用するのですよ?これで病気は治るでしょう。それとこの事は内緒でお願いします』

 

 女神リリアホワイトは人差し指を口に当てる。


「エリクサー?本当に?」


 神之内は女神から、エリクサーを受け取った。


「ありがとうございます」


 彼は、何度も女神にお辞儀をして立ち去った。



      *



『実は、今日来たのは貴方たちにお願いがあったのです』


 どうやら神之内の事は本題じゃなかったらしい。

 しかし女神のお願いってロクな事じゃない気がするのだが。


『実は…何度も異世界を人が行き来している所為で、時空が歪んでしまったらしくて魔物がこちらの世界に来てしまうのです。危険なので魔物がいたら討伐してくれないでしょうか?出来る範囲で良いですから』


「魔物ですか…」

 戻ってきてまた魔物討伐か。


「時空って直せないのですか?」

 黒田さんが訊ねた。


『直りますが、少々時間がかかってしまいまして。その間だけでもお願い出来ますか?貴方たちにしか頼めないのです』


「「「分かりました」」」


『お詫びに、無事終わりましたら何か報償を差し上げることに致します』



      *



 女神と会ってから三日後。

 俺たちはオーガ相手に戦っていた。

 身長は三メートル程だろうか。

 周りの住宅に被害が出ないように慎重に戦う。


 真っ黒い穴。

 突然それは現れる。

 異世界からこちらの世界に繋がる空間。

 テレビでニュースキャスターが叫んでいた。


「「何という事でしょう!この空間は何処へ繋がっているのでしょうか?」」


 直ぐに空間が閉じるので、こちらから向こうへ行く人は居ないようだけど。

 魔物は意図しないでこちらに来ているのだろうか。


「まさか、戻って来てから攻撃魔法使う事になるとは思わなかったよ」


「同感ね!」


氷結フリーズ


「今だ!安良坂!」


 パキイーン。

 凍った魔物の体を安良坂が剣で砕く。

 火だと家に燃え移る危険があるから使えない。

 その点、氷ならば解けるからな。


 俺たちは三人で魔物を倒していく。

 魔物を、倒したら直ぐに去る事にしていた。

 テレビとかに映ったら面倒だからな。


 攻撃魔法は主に俺の役目。

 回復系は黒田さんに。

 他の補助魔法は安良坂が担当だ。


「思っていたよりも魔物が少なくて助かるな」


「女神さまは一体何をくれるんだろうね」


「寝不足にならないか心配だわ」


 魔物はこの町に主に現れるらしい。

 他の場所に出ても対処できないから助かるけど。

 時空の修復は一か月はかかるとか。

 こんな事になるのなら、勇者召喚はしばらく控えてもらいたいものだ。

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