表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
擬似屋のミラノ嬢  作者: HIDEKO
第一部 ミラノ・アウディラ
4/18

第四話 報酬は擬似屋の年商の五倍!?

 なるほどね。やっぱド田舎っ子だったか。


「でもさ、手紙届いたのが(インディ)二十色日(カラサ)ってことだけど、もう五色日(カラサ)経ってるし、さすがに十七歳の少年が十二色日間(カラサン)も戻らないってことはないんじゃないの? 金だってないだろうしさ――あ、金持ちなんだっけ」


「いんや。戻っとらんようだ」

 バウランは手を振った。「先方さんはかなり参っとる」


「ふ~ん。そっか」


 ま、父親の居ない家庭の家出少年の代役くらいお安い御用だね。ていうか、こういう手の依頼は多いんだよね。結婚式直前に花嫁さんが蒸発したとか、占い師が消えたとか、親が突然いなくなったとかさ。中でも青少年の家出はもっとも多い。


 あ~あ、アタシも家出したいな。自由になりたい。ま、それもこれも先立つものがないとダメなんだけど。


 

 ミラノは手紙を折り畳んで、あることに気づいた。


「そういや、今日の報酬は?」


「まだ話し合い中だ」

 バウランがワイプ入口のゲートを通過しながら言った。トロッガンを専用区域に停止させる。


「もしかして田舎者の金持ちってケチ?」


「口を慎むんだ小娘」

 ギロリとミラノを睨んだバウランは、「残念だがその反対だ。あまりにも高額だったから値引きさせてもらってるんだが、どうしても応じてくれない」


「で、いくら?」


「350万マドルだ」


「ワオ! 凄いじゃんか! 擬似屋の年商の五倍だ!」


 ミラノは興奮して目を輝かせた。そんな大金があったら即刻学校に通ってやる。350万マドルでしょ? そこからアタシへの小遣いは3%だから(つうか精々5%にしろって!)――10万5千マドル!


 10万5千マドルだ! これだったら今までの貯えと合わせれば、アタシだって高院に一年通える。一年も通えば専門職の見習いにもなれる。これはこれは、念願の華麗なる職業も予定より早く叶っちゃうかもね。無理しなきゃ家出も可能だし。


「ねぇおっさん。350万マドル有り難くいただこうじゃないの」


「バカ言え小娘。擬似屋の報酬には仕事に応じての相場ってのがある。一人の代役、それも一時間ぽっきりでは最高でも1万マドルだ。平均的には8千マドルってところが好適な金額になっとる。350万マドルも受け取ったのが国にバレたら一発罰則だ。首を跳ねられるのオチだろうな」


 それでも良ければ受けるが?

 バウランはミラノの首元を見ていた。


「チェ。つまんないの」

 ミラノは首をボリボリ掻いた。何だかムズムズする。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ