↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『最強探偵、異世界で攫われた相棒を探す旅に出る』  作者: れいじ
第一章 攫われた相棒

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
7/33

第7話 魔王ダグラス

第7話です。


ついに総一と魔族が激突します。


そして、この戦いが二人の運命を大きく変えることになります。


それでは、お楽しみください。

五人の魔族が、一斉に地面を蹴った。


 左右から二人。


 正面から一人。


 残る二人は木の上から総一へ襲いかかる。


 完璧な連携だった。


 だが。


「遅い。」


 総一の姿が消えた。


 次の瞬間、正面から飛び込んできた魔族の懐へ潜り込み、拳を突き上げる。


 鈍い衝撃音。


 魔族の身体が宙へ浮き、そのまま数本の木をへし折りながら吹き飛んだ。


「なっ……!」


 残る四人が目を見開く。


 総一は振り返ることなく、背後から振り下ろされた剣を指先で受け止めた。


「そんな……馬鹿な。」


 魔族が力を込める。


 剣は一ミリも動かない。


「悪いな。」


 総一は軽く手首をひねる。


 剣が砕け散った。


 驚愕する魔族の腹へ蹴りを叩き込む。


 その身体は地面を転がり、動かなくなった。


「あと三人。」


 総一は静かに呟く。


 シンは目の前の光景が信じられなかった。


(一撃……。)


 自分が命懸けで戦った相手を、この男は一撃で倒していく。


 しかも、息一つ乱していない。


「化け物め!」


 残る三人が同時に飛び出す。


 槍。


 斧。


 双剣。


 三方向からの攻撃。


 総一は半歩だけ身体をずらした。


 槍と斧が空を切る。


 その隙に双剣の使い手の懐へ入り込む。


「ぐっ!」


 鳩尾へ拳がめり込む。


 魔族は白目を剥き、その場へ崩れ落ちた。


 振り向きざまに斧を持つ魔族の手首を掴み、そのまま身体ごと投げ飛ばす。


 最後の一人が槍を突き出す。


 総一は槍を片手で払いのけると、そのまま額へ軽く拳を当てた。


 ゴッ。


 鈍い音が森へ響く。


 最後の魔族も静かに倒れた。


 森が静まり返る。


 誰も言葉を失っていた。


 総一は肩を回しながら息を吐く。


「思ったより丈夫だったな。」


 薫が苦笑する。


「その感想なの?」


「いや、勇者が苦戦したって聞いたから、もう少し強いかと思って。」


 シンは思わず苦笑した。


「十分……強いですよ。」


 その声には悔しさよりも、純粋な尊敬が混じっていた。


 サリーも胸をなで下ろす。


「助かりました……。」


 ようやく緊張が解けた。


 誰もがそう思った。


 その時だった。


 空気が変わる。


 森を吹き抜けていた風が止み、鳥の声が消える。


 肌を刺すような重圧が辺りを包み込んだ。


 総一の表情が変わる。


(……まだいる。)


 目の前の空間がゆっくりと歪み始めた。


 黒い霧が渦を巻き、一体の魔族が静かに姿を現す。


 漆黒の外套。


 長い黒髪。


 冷たい赤い瞳。


 ただ立っているだけなのに、森全体が支配されるような威圧感だった。


 総一は本能で悟る。


(こいつは……今までの連中とは別格だ。)


 魔族は倒れた幹部たちを一瞥すると、静かに総一へ視線を向けた。


「……なるほど。」


 それだけだった。


 だが、その一言には総一を認めたような響きがあった。


 総一は一歩前へ出る。


「お前が親玉か。」


 魔族は答えない。


 その視線は、総一ではなく薫へ向いていた。


 薫は思わず身構える。


「……私?」


 次の瞬間。


 魔族の姿が消えた。


「薫!」


 総一が叫ぶ。


 しかし、一瞬遅かった。


 魔族はすでに薫の背後へ回り、その身体を抱き寄せていた。


「そうちゃん!」


 薫が必死に手を伸ばす。


 総一は地面を蹴る。


 届く。


 そう思った、その瞬間。


 魔族は片手を軽く振った。


 見えない衝撃が総一を襲う。


「ぐっ!」


 総一の身体が数メートル後方へ弾き飛ばされた。


 初めてだった。


 真正面から力で押し返されたのは。


 魔族は表情一つ変えない。


「目的は果たした。」


 黒い霧が再び渦を巻く。


「待て!」


 総一が立ち上がる。


 だが間に合わない。


 薫は必死に総一へ手を伸ばした。


「そうちゃん!」


 次の瞬間。


 二人の姿は黒い霧とともに消えた。


 静寂だけが森に残る。


 総一は何もなくなった空間を見つめた。


「……薫。」


 拳が震える。


 その後ろで、シンが苦しそうに立ち上がった。


「あれは……。」


 総一は振り返る。


「知ってるのか?」


 シンは険しい表情で頷く。


「僕も直接見たことはありません。でも、あの圧倒的な魔力……。」


 一度言葉を切る。


「間違いないと思います。」


「……魔王ダグラスです。」


 総一の表情が固まる。


「魔王……。」


「薫さんは、おそらく魔王に連れ去られました。」


 総一は薫が消えた場所を見つめた。


「どこへ行ったんだよ。」


 シンは静かに首を横へ振る。


「僕にも分かりません……。」


 総一はゆっくりと拳を握り締めた。


「ダグラスめ……。」

第7話を読んでいただき、ありがとうございました!


ここまでが物語の序章となります。


そして、ついに薫が魔王ダグラスに連れ去られ、総一の長い旅が始まります。


ここからは各地を巡りながら仲間と出会い、事件を解決し、少しずつ魔王へ近づいていく物語になります。


「続きが気になる!」と思っていただけましたら、ブックマークや評価をいただけると、とても励みになります。


次回もよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。