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ルミビア  作者: 朝裏 刻


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エピソード3:はじまりの合図

夢の中で出会った場所。


それは、自分だけのものだと思っていた。


しかし、同じ景色を見ている人がいる。


ひとつの夢が、ひとつの記憶ではなく、

誰かとの接続になっていく。


これは、まだ名前のない繋がりを記録する物語。

気づいたら朝だった。


起きてすぐ、眠りながらどうやら握りしめていた携帯で、すぐさま掲示板のページにアクセスをした。


予想的中の如く、数人の書き込みが追加されていた。


「同じ夢を見ています。」


「同じ場所へ行っています。」


「その星は、ルミビアです。」


「ルミビアという名前です。」


列挙された書き込みは、数人の名前が羅列されていた。


やっぱり思った通りだった。


「一体何人いるんだろう。」


思わず口から言葉が漏れていた。


本当にあるんだな。


まだ夢を見てるんじゃないか。


「いや待てよ。全員が本物ってまだ決まったわけじゃない...」


そう思った僕は、自分の左頬を少し強めに掴んで捻ってみた。


「いてて。」


夢じゃなかった。


痛みを和らげようとして、頬を叩いてみる。


我ながら、ちょっとお間抜けな感じがした。


我に返って、頭を冷やす意味も含めて、水を口に含んだ。


喉奥を通り過ぎる冷たい水が、現実に引き戻していく。


落ち着きを取り戻した心臓の鼓動を確認して、意を決して掲示板の文字を再確認した。


何度読み返しても、数人の名前が並んでいた。


「ルミビア….」


思わずまた口に出していた。


みんな、どんな生活を送っているんだろう。


行っている場所や地域は近いのかな。


止めどない思考が、ぐるぐると回り始める。


僕はいたって冷静だった。


「何にせよ、自分で始めたことだ。」


口に出して、自分に聞かせる。


鼻から空気を感じながら、深く息をして、口から細く長く深呼吸をした。


この人は女性かな。


この人は、少し年上の人かもしれない。


この人は学生かな。


憶測の域を出ないように、掲示板へ書き込みをしてくれた人たちの言葉と、アイコン、プロフィールから予想を立てていく。


「実際のところは、ネット上だから、この予想が正しいかは定かではないけどな。」


そうこうしているうちに、自分でも思った以上に時間を使っていたらしい。


急いで支度をして、慌てて外に出た。


結局のところ、急ぎすぎて携帯を忘れて、舞い戻ったぐらいだ。


横断歩道と踏切で立ち止まった時に、様々な考えが浮かんできた。


浮かんでは消えていく。


駅のホームで、腕組みをしながら、小難しい顔をしていた。


「落としましたよ。」


急に呼び止められて、自分でもびっくりするぐらい飛び上がってしまった。


その人は、ボブカットの優しい茶色の髪をした、柔和な笑顔の人だった。


飛び上がった僕を見て、温かく微笑んでくれた。


どうやら、集中し過ぎて携帯を落としていたらしい...


駅に颯爽と滑り込むように入ってきた電車の風を肌で感じながらも、僕の思考は今朝までいた『ルミビア』に、まるで接続されているようだった。




ここまで読んでいただきありがとうございます。


今回は、ルミビアという場所が、

主人公だけの世界ではなかったことが分かる回でした。


夢の中で起きていることなのか。

それとも、別の場所へ本当に接続しているのか。


まだ答えはありません。


ただ、ひとつの小さな書き込みが、

知らなかった誰かとの繋がりを生みました。


次の接続が、どこへ向かうのか。

引き続き見守っていただければ幸いです。

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