プロローグ
夢の世界へ。 他の星へリンクする光の欠片。
地球から夢の中で接続する他の星で繰り広げられるヒューマンドラマ。
この作品は、特定の説明や答えを目的としていません。
日常の中に混ざるわずかな違和感や、説明しきれない感覚の断片を、そのままの形で残しています。
物語は静かに進みますが、必ずしも意味を回収する構造にはなっていません。
読後に何かがはっきりするというより、少しだけ輪郭が残るようなものを想定しています。
その日も、雨だった。
そして昨日も、雨だった。
僕はフードを深くかぶり、雨の中を小走りに進んでいた。
急いでいる理由は、ただひとつ。
気になっているからだ。
『少年バンプ』の最新刊が出ている。
その一冊だけは、どうしても早く手に入れたかった。
誰よりも早く手に入れたかった。
続きを、早く知りたいだけだ。
誰かと話すためじゃない。
ただ、続きを知りたいだけだ。
別に、強がりで言ってるんじゃない(笑)
本当のことだ…
僕は、日々を繰り返している。
仕事をして、帰って、食べて、風呂に入って、寝る。
それだけ。
365個のたこ焼きが並んでいたら、それは僕なのかもしれない。
そんなふうに思って、ふと笑ってしまった。
そして今週も、同じ時間に同じ本を買いに、同じ本屋へ向かっている。
本屋の看板には文字がない。
いや、正確には消えている。
そこに名前はあるはずなのに、誰もそれを正確に読めない。
その店の名前は、〇〇堂。
観音堂とも読める気がした。
もしそうなら、神様がいる書店なのかなと、ほんの少しだけ思った。
そこに名前はあるはずなのに、誰もそれを正確に読めない。
その店の名前は、誰も知らないかもしれない。
ただ、その日は少し違っていた。
どこかで、何かが動いた気がした。
思い立って、僕はもうひとつの場所にも書き込みをしようとしている。
それはインターネット上の掲示板だ。
掲示板といっても、質問箱のようなものだ。
ウフーと呼ばれている匿名の空間。
僕はそこに、今日こそ書こうとしている。
「今日こそは書く。」
思い立ったものの、怖気づいているわけでもなくて、なんだか....
昨日も、書けなかった。
その前の日も、書けなかった。
同じことをここでも繰り返してるように感じる。
でも今日は、なんだか違う気がしていた。
うまく言えないけど、時が動いたような気がしていた。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
この物語は、はっきりとした答えを持つために書かれたものではなく、日常の延長にある微細な揺れを記録するような形で進んでいます。
本屋や喫茶店、掲示板といった場所は、現実と非現実の間にある境界のようなものとして扱っています。
そこに明確な意味はなく、読み手ごとに少しずつ異なる形で成立することを前提としています。
もし何かを感じたとしたら、それはこの物語の完成ではなく、途中のまま残っている部分かもしれません。
※本作品は感想・評価・レビューを受け付けています。
ただし、作品の性質上、明確な解釈や正解は設定していません。
読後の印象や、感じたことをそのまま受け取る形でご利用ください。




