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侯爵令嬢と異世界人  作者: 薺
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侯爵令嬢 7

訓練を終えたナオトさんと合流し、エルラ様から預かったナオトさんへの荷物を渡した。

2人で何だろうと覗き込むと、入っていたのは真新しい制服。

この制服って…


「スウェン高等学校の制服だ」

「本当ですわね。どうしてナオトさんに…」

「俺、スウェン高等学校に入学するんだよ。あれ?言ってなかった?」


キョトンとするナオトさんに、私は驚いた。

え、聞いていませんけど。

ナオトさんは悪い悪いと謝った。


「元の世界でも学生だったから。王様が俺に、この世界に慣れるためにも入学したらどうかって勧めてくれたんだ」

「まぁそうでしたの。そう言えば、私と同じ歳でしたわね。学校にはいつから通われるのですか?」


私の言葉にナオトさんは、制服を綺麗に直しながら言った。


「明日から。スティリーと同じクラスだって」

「まぁ!それじゃあ、エルラ様とも一緒ですわ。スウェッティッド様は残念ながら別のクラスですけど」


私がそう言うと、ナオトさんは、スウェッドと一緒じゃなくて良かったと安心したように笑った。

確かに、スウェッティッド様は色んな意味で問題が付き物の方ですからね。


ナオトさんとは、また明日とそこで別れた。

家に戻って今日のことを両親に話すと、2人ともニコニコと笑った。

元から変わった人たちだけど、今日の2人は更に変だった。







翌日。

いつも通り制服に着替え、家を出る。

ローリアと校門につくと、なんだか騒がしかった。

とある人物達を遠巻きに見つめる人達で校門は埋まっていた。

まぁとある人物って、エルラ様とスウェッティッド様とナオトさんなんだけどね。


「スティリー様。あれはナオト様では?」

「ええ、そうね。今日からこの学校に通うそうよ。あの方達は目立つから。注目を浴びてしまっているのね」


そう言って苦笑する。

ローリアと立ち止まって話していると、ナオトさんが私達に気付いたようで、手を振ってくれた。

ローリアと顔を見合わせ近づく。


「ごきげんよう、ナオトさん、エルラ様、スウェッティッド様」

「おはよう、スティリー。良かった。この2人だと、異様に視線を集めるんだ」


私の言葉にホット息をついてそう言ったナオトさんの言葉にエルラ様が文句を言う。

スウェッティッド様は興味がないみたい。


「お2人はとても人気がございますから。どうかしたのですか?」

「いやさ、今から教室に向かうんだけど、やたらと視線が多くて。それでやっぱり一人で行くって言ったらめちゃくちゃ反対された」


その言葉にあぁと納得する。

ここ、スウェン高等学校はとても広い。

それこそ、初めて入る人は必ず迷う。

だから、初めての人は中のことを知る人と一緒に行動するのが一番安全なのだ。

私達に新入生も、先輩達に説明されながら校内を回ったもの。

その事を説明すると、そうなのかと驚いていたナオトさん。

そんなナオトさんに一つ提案した。


「私と一緒に行きますか?同じクラスですし」

「いいのか?それじゃあスティリーについて行こうかな。…何だよ」


私の言葉に嬉しそうに笑ったナオトさんは、エルラ様を見て顔を歪めた。

エルラ様はニヤニヤしていらっしゃった。

…エルラ様。

その顔はおやめになった方がいいと思いますよ。


「別にー?私達よりスティリーのがいいんだー」

「はぁ?何でそういうことになるんだよ。お前達といると変に注目浴びるの」

「そんなのスティリーも一緒よ。まぁいいけど。じゃあスウェッド、行きましょう。それじゃあねー」


そう言って2人仲良く寄り添って歩く2人を見てほうっと息をつく。

やはり、お似合いのカップルですわ。

そんな2人を見ながらローリアに話しかけようとすると、ようやくローリアがいないことに気づく。

辺りを見回すと、友人達と仲良くお喋りしているのが見えた。

姿を見つけられてホッとしながらナオトさんを見上げた。


「ナオトさん。私達も行きましょう」

「あぁ」


ナオトさんと肩を並べて歩く。


「ナオトさん。騎士団には馬がいますよね?」

「いるよ。大きいのもいれば小さいのも。俺達が乗るのは、大人の馬だけど」

「ナオトさんも乗ったことがあるのですか!」


私の言葉にナオトさんは頷いた。

昔から馬に乗って見たかったのよね。

ほら、可愛いでしょ?

馬って。


「あるよ。騎士団の移動手段は、馬だからな。スティリーも乗ってみる?副団長に聞いておくよ」

「本当ですか!是非お願いしますわ!私も、今日、両親に話して見ますわ」


お母様とお父様は動物が大好きだから、賛成してくれるはずだわ。

教室がつくまでにナオトさんと色んなことを話す。

騎士団の事とか、騎士の事とか。

騎士団の人達は、陽気な方ばかりだそうだ。

ナオトさんも、そんな皆さんといることがとても楽しいんだって。

職員室に寄ってから私だけ教室に向かう。

向かうのは教室じゃなくて職員室でした。

うん。

聞いた時から疑問に思っていたのだけど、まずは職員室に行かないと。

教室に来るのはそれからですわよね。

教室に入ると、ローリアを見つけたので話しかける。


「ローリア。離れる時は声をかけてちょうだい。心配するわ」

「申し訳ありません。お邪魔かと思ったのですわ。ナオト様は一緒ではないのですか?」


ローリアの言葉に、ナオトさんは職員室に向かったと伝えるとなるほど、と納得してくれた。

その後、朝の先生の挨拶でナオトさんは紹介された。

皆さん朝の出来事を知っていたみたいで、ナオトさんは質問責めにあっていた。

やはりナオトさんは人気者なんだなぁと思った。

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