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06

 ──白い発光。

 それは、現実か夢か定かではない状況で起きた、曖昧で不可解で奇怪な現象だった。白光が視界いっぱいに広がり歪んだ直後に、神であるアムスと邂逅している。ので、神託に通づるナニカと解釈するのが妥当だろう。と、言うより、この共通点の先に残念ながら答えを見つける事が、幸人には出来はしない。器官に突っかかる米粒の如く、嫌な感じしかしないが、致し方ないと溜息をついて立ち上がる。


「まあ、明日はちびっ子のムアとスーと遊ぶ約束をしてたし……寝るかな──しっかし、歩のヤロウ……ビックリしたっつーの」


 二階建てではあるが、高さは勿論ある。下を覗き、薄ぼんやりと見えるレンガにもし頭をぶつけたら。云々考え、堪らず身震いをしながらも、気持ちを切り替える努力を幸人はした。

 明日のメインイベントであるところの、ダルマさんが転んだのイメージトレーニングを行い、屋根をはしごを伝い下りる途中、薄らと幸人は笑みを浮かべる。


「ま、ゴーレムの化身と呼ばれた俺に抜かりはぬぇぜ」


 それは、小学生の頃の話しだ。友達、六人で行った、お菓子を賭したダルマさんが転んだ。数時間に及ぶ死闘の末──勝敗は喫しなかった。皆が、あと一歩の所で、光の速度を超えた、チート級『ダルマさんが転んだ!!』の詠唱に捕まる中──織田幸人だけは微動だにしなかったのだ。

 スタートラインから、微動だにしなかったのだ。

 いくら、早口で唱えようが、タイミングをずらして唱えようが、幸人のフォームは正に直立不動。その姿が鬼を苦しめた。それ以来、彼は悪魔の石像と呼ばれるようになる。今更ながら、いい思い出だと幸人は懐かしむ。


 故に、付け加えるならば、今回のイメージトレーニングは全戦全勝である。年甲斐に無く楽しみに幸人はしているのだ。だが、いくら思考を逸らしても、心に空いた隙間から本音が語りかける。


「──この世界を、滅ぼす事がはたして正しいのだろうか……。こんなにも、あたたかい人達がいる世界を──」


 幸人の心は、人とは何たるかを脳に問いかけていた。神・アムスは何故、脅す行為と共に呈示してきたのか。

 空を見上げ、疑問をアムスに視線として送るが、帰ってくるのは、風の音《おと》と遠くで聞こえる涼やかな虫の音《ね》。


「本当は、何故、何の為に……? この世界を滅ぼす理由を俺は知らない──つか、何も知っちゃいない」


 幸人は、ここに来た理由の真意も含め、最低限の知識も備わっていなかった。もしかすると、他の三人もそうだ。目の前の大切な者を守ると言う使命が盲目にさせている。非道を歩み非情に生きる。そんな人生を誰が望むのだろうか。


「いいや、少なからず、歩とヤンは覚悟しているよ、な──。だが、まてよ?此処の神はなにをしてるんだ??」


 ヘルウルフと対峙した時、ソフィア隊・隊長のソフィア=グレガランドと真剣を交わした時の目は、同情の一切を消失させた覚悟の色を濃く宿していた。

 だが、地球にも神が居るなら、この世界・ディスティアにも居るはずだ。故に、力を授かった者がいる。


「歩が、言っていた興味が無いッてのは……こう言う事なのだろうか」


 腑に落ちて欲しくない場所に落ちた感覚は、気持ちがいいものでは無かった。


「考えても、嫌な結果しかうまないな。多分、俺は信じたくないし、受け入れたくもないんだ。きっと、未だに答えもない、証明もない、明るく嬉しい未来を──ハッピーエンドを探してるんだろう。……目を背けても意味が無いのに──」


 廊下に立つと、未だ下で太陽よりも熱量があり、明るい二人の声が響いていた。話の内容的に、ミシェルもヤンも加わっているようだが、やはり歩の名前は無い。


「おやすみな、歩」


 幸人は、歩が居るであろう扉に触れた後、用意された自分の部屋へと入る。


 ──その数時間前。闇夜の下で膝に手をつく男性の姿がルイン村にはあった。


  「……ゼェ……ゼェ……。やはり、此処にはもう──居ないか……。早く彼等を探さないとグランの奴が……。これ以上、大切な人を喪う訳には。あの、どくされ勇者達め」


どうも、夢魔《むま》です。評価をしてくださいありがとうございました。二・三日空けた後の投稿だったので、読んで頂けるか不安だったのですが、まさか評価まで貰えるとは思っておりませんでした。

なので、本当に嬉しかったです。


さて、きっとこの作品を読んでる方は、ファンタジーが好きだと思うので、一つ豆柴を──。


アーサー王伝説に於ける話です。

アーサーペンドラゴンの生まれを皆さんはしってますか?

あれは、父であるユーサーが街中の女に一目惚れをして、それをマーリンに相談しました。

すると、マーリンはユーサーを魔法で女の旦那に化けさせるのです。

そして、夜な夜なベランダから忍び込み、旦那に化けたユーサーは、女と体を触れ合いました。

そこでできた子供が、アーサーらしいですよ!


昔の神話って、意外とドロドロなのが多いいんです。

因みに、カムランの戦いでアーサーが使ったとされる、ロンの槍は、ロンギヌスの槍とも言われてるらしいですよ!

てな感じで、本当に読んでくださいありがとう!

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