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13/22

01

 幸人を含む四人は、村を通りかかった荷馬車に乗せてもらっていた。行動を起こすにしろ、基礎が何も出来ていない状況では、盲目も当然。

 当たり前な行動ではあるが、村に行き情報を得る事になったのだ。

 だが、土地勘もなにもなきゃ知識もない。こんな状況下、だだっ広い自然の中で村や街を探すのは、至難と言える。


「助かりましたよ。偶然、通りかかった上に村まで乗せてくれるなんて──。えーっと……ミリ、ミル」

「ミリルカータだよ、坊主。なあに、偶然とは奇跡の思し召しよ。旅は道連れ世は情け、ッてのが、俺達のモットーよ!! まあしかし? 今の世の中、情に付け入るバカヤローもいるけどな。だから、財布の紐はキッチリ結んどかなきゃよ? ガハハハハ」


 茶色い長袖長ズボンに、皮でできたカーボーイハットのような物を被るミリルカータは、歯茎をむきだし豪快に笑みを浮かべる。実に男らしい対応に、幸人はカッコイイと思っていた。日本に居たら、ヒッチハイクをした所で何人が車を止めてくれるだろうか。

 人の暖かさを痛感する。


「それに、可愛い嬢ちゃんが楽しそうじゃねぇか」


 御者台には、ミシェルが座っており荷台に幸人・歩・ヤンが商品の邪魔にならない様に座っている。


 いつもは陰に隠れるぐらい、臆病なミシェルが少し遠慮をしながらも、馬をじっと見て「可愛いなあ」と笑顔を零したり、大きい野鳥が飛ぶのを見て「はわわわ」と、微動し歓喜したりしていた。さながら、小動物である。


 彼女は、本当に動物がすきなんだろう。幸人は、ミシェルの背中に、純粋な優しさを感じた。


「わあー、鳥さん、デカイです」

「あれは、ズーって魔鳥《まちょう》だ。まぁ、魔獣種ではあるが、気性は穏やかで、主食は魚介類なんだ」

「ほえー。怖くない、んですね」


 ミリルカータは、物知りだ。行商人ゆえの知恵かもしれない。

 あの村をルインと呼ぶ事を教えてくれたのもミリルカータだ。加えて、地図までくれる気前の良さ。


「……だがな? 産卵日になると、近づいてきた者は誰彼構わずに──」

「構わず、に??」

「わあ!! ──って、あれ? 居なくなった??」


 大きな声に、穏やかな気候に包まれ油断していた幸人は竦み上がる。


「いひゃあ!」


 しかし男としてここは、平然を装うべきだ。と、深呼吸を一つはいた。

 真正面に座る歩は、何かを言いたげに見つめているがここは知らぬ振りをすると決め込む。


「ごホン……。いやあ、空が綺麗だな歩」

「んー? なあに? 私が綺麗だって??」と、歩はわざと姿勢を崩して魅せる。

 今朝の事もあり、幸人は仕草一つ一つを妙に意識してしまう。ただ足を崩しただけにも関わらずだ。

 あざとく笑う歩を、冷めた目で穿ち口を開いた。


「そんな事──ある訳ないだろ。空だよ空。誰も、歩の事なんか言ってねぇよ」

「まあ、褒める余裕も無かったもんね?? ミリルカータさんの声に、なまらビックリするぐらいなんだから」

「べべ別に、ビックリしてねぇし!?」


 歩は、口に手を翳しわかり易く笑い声を漏らした。


「ぷぷぷ。あんだけ、ビックリした声だしてたらわかるよ? ──ひゃあっ! って何? ひゃあっって……ぷぷぷ」

「そ、そんな声出してないわ!!」


 幸人は、自分の誤魔化し方を完璧だと思っていた。“いやあ”、を言い間違えた風に見せつければ勝利である。確かに、歩は見抜いて入るが、多数決と言う最強の計算式の前では全てが無力となるのだ。

 世の中の大切なものは、殆どがこの多数決で決まる。政治も、裁判も、ここぞと言う時は多数決。幸人自身、多数決は好きじゃないが男の威厳があるゆえに、背に腹はかえられない。


「ヤンさんなら、隣に座ってたし分かりますよね??」


 地図を眺めていたヤンならば、意識は地図に向いているはず。ならば多少の聞き間違いはあって普通だろう。このままだと、何日間も歩に揶揄われる気がしてならないのだ。


「ああ」


 ヤンは、短く相槌を打った。渡りに船とは正にこの事。

 幸人が、便乗し口を開こうとした時、ヤンが割って入った。


「かなり、ビビってたぞ。か・な・り! な」

「ちょ! ヤンさん。そりゃあーないよ!!」


 地図を眺めながら、薄ら笑いを浮かべるヤンに幸人は泣き付く。その姿を見て、目尻から涙を流し歩は笑みを浮かべていた。


「ちょ、いや、盛り上がってる所すまないが、お嬢ちゃんの姿が……無くなっちまったんだが。そっちに居ないかい??」

「ぁあ、多分隣に居ますよ。ミシェルは、隠れるのが得意なんです。ホラ、此処に居るでしょ?」

「す、すいません、です。ビックリして、しまって……。まだ、扱い慣れてない、ので……」


 幸人は、ミシェルの頭の位置を探り当て、手を乗せた。


「戻るのには少し時間がかかるんですけどね」

「ほー、そりゃあ頼りになる力だな。お嬢ちゃんはすげぇーや」


 ミリルカータは、驚く様子一つ見せない。逆にミリルカータの反応に幸人が驚く。


「え? 怖かったりしないんですか?」

「なあに、この御時世、力の一つで驚いてちゃ生きてけねぇよ。勇者様だって豪炎を扱う。まあ、悪い噂の絶えない勇者様だけどな」

「悪い、噂??」


ここまで読んで頂きありがとうございます。

評価も頂いたりと、嬉しく思っています。この調子で、皆さんがこの作品おもしれえーよ!とか、晒したくなるようなのを書けるように努力してまいります。


作者事ではありますが、F○○をやっているのですが、今日やっと最終段階まで進化させることが出来ました……。素材集めがしんどいですよねw

フレンドさんには、いつもお世話なっとります!

雑種ー、当たらないかなあ←

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