31.過去からの誕生日プレゼント(2)
もう一度、本棚に本を入れてみる。
ゴツリ
「やっぱり何か変な音がする」
しかし、本棚の奥を見ても、そのスペースに何もなく、背板があるだけだ。
逆に本の背表紙の方を見てみるが、金具で装丁されているわけでもない。
「やっぱりこっちかな」
アッチェルは身をかがめて、本段の一番下の一番右端の背板をたたいた。
ゴツ、ゴツ
硬質な低い音がする。
並んでいる本を少し寄せて、今度は本棚の一番左端の背板をたたいてみる。
コン、コン
乾いた軽い音だ。
次に、本棚の一段上の段の右端の背板もたたいてみる。
コン、コン
乾いた軽い音だ。
「つまり、こっちに何かあるというわけだ」
わくわくしながら、一番下の段の右側から本を出して床に置いていくと、背板に切れ目があり、指をひっかけて揺すると背板が外れた。
そして、背板の後ろ、右端に小さな空洞があり、そこに黒い毛皮の小さな袋が入っていた。
音が違ったのは、これのせいだったのだ。
「何だろう?」
その袋の口を閉じてある黒革の紐を解くと、中には硬いゴツゴツしたガラス製品? と紙とが入っていた。
取り出して、窓からの光が当たるように少し掲げてみると、非常に透明な美しい深い藍色をしたガラスの……、骨貝型の置物??
いや、置物ではない。骨貝を縦に一刀両断した片割れのような、不自然な形で、その切り口に、まるでくるみを埋め込んだように膨らんだ部分がある。ここの部分だけ、もしかして宝石??
「もっと明るいところでよく見ることにして……」
その半分のガラスの骨貝を袋にしまい、折り畳まれて袋に一緒に入っていた紙を広げた。
おそらくその品物の説明書きだろう、とたかをくくって広げたのだが、思わず「あっ」と声を上げてしまった。
それは、アッチェル宛ての手紙だったのだ。




