第2話 息遣い指使い
私はいつしかナミさんの手を導き、あられの無いのない音を出し今までに無い声を上げて何度も何度も昇り詰めた。
だからナミさんには殆ど何もできなかった。
その悲しみが歓喜の涙を上書きしてナミさんの胸を濡らした。
「ごめんなさい」
「どうして?」の言葉をキスに載せて
ナミさんは私の涙を拭ってくれた。
「私ばっかりで……ナミさんに何もできなかった。 せっかくお持ち帰りされたのに」
「お持ち帰りの目的なら十二分に果たしちゃったよ」
「それって……“時代劇の悪徳商人”越後屋みたいな意味でですか?」
「言ってる意味がいまいち分からないけど、私は充分満足したよ」
「ナミさんが言ってる意味こそ分からないです」
「ん? はっきり言っちゃって大丈夫?」
「ぜひ!!」
「私は加奈を演奏して手や指や肌で加奈を感じ唇と舌で加奈を味わったよ」
その言葉で私はズキュン! と撃ち抜かれて何もかのもが火照り溢れ出した。
そんな私の耳元でナミさんは言葉を流し込む。
「私、いったからね」
「……確かにそんな事、言われて……ドキドキ恥ずかしいですけど」
次の瞬間、ナミさんは私の聞き違いを正す為、私の耳へとんでもない言葉を挿入した。
「『いった』って……絶頂に達したって意味だよ」
「はううぅ!」
耳から挿し込まれた熱い柱が全身を貫く。
これが『言葉でイカされる』って事?!!
頭が真っ白になって魂が抜けた半開きの口をナミさんに塞がれ、ネットリと舌を絡まされて……第2ラウンドが始まった。
長い応酬の後、私は必死に抱き付き、そんな私の全身をナミさんがふんわりと撫でる。
「こんなに幸せなのは初めて! ナミさん、ありがとう」
「私もありがとうだよ。やっと自慰から抜け出せた気がする」
「自慰って?」
「そうだね。加奈には話してみようかな。私が男に躓いた話を」
「ぜひお願いします!」
私、自分の薄い胸をナミさんの柔らかな胸にグイグイ押し付けながら強請ったらナミさんは笑ってこう言った。
「何の参考にもならないと思うけどね」




