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第八話
「ずっきー、遅いよー」
自然の恵みを発散してから和泉の元に戻ると、先ほどは存在していなかった麗しゅう女性が二人いた。
一人は、ぼくの知り合いの喜多見。
もう一人は―――
「あの、はじめまして。あたし、えりかに誘われてきた千歳です」
目が合うと向こうから自己紹介をしてきた。
「はじめまして。ぼくはみんなからずっきーって呼ばれてる。千歳さんもずっきーって呼んでくれると嬉しいよ」
友好の証として片手を差し出したけど、残念ながら千歳さんは答えてくれなかった。
手持ちぶさとはこのことかもしれない。
「おし、ずっきーも着たことだし、行くとするか!!」
大きな掛け声でぼくらを誘導する和泉。
喜多見も負けじと、
「あ、待って。私が気合を入れたかったのにー。陣を切るのは部活で慣れっこだからね。いおり、どんどん行くよー」
「う、うん」
と小さく頷きながら、二人の後を追う千歳さん。
去年は、和泉と男二人で屋台を駆け巡っていた。
二人でも十分楽しかったけど、浴衣を着た女子と周るお祭りも華やかで楽しい。
こんな時間がずっと続けばいい。
―――似合わずに思ってしまった。




