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五歳児だからわかることもある?

ブックマーク登録や評価をしてくれた方、いつも読んでいただき、本当にありがとうございます!!

とても、、、、うれしいです!!!

「優遅い! 早く来ないと浮気するわよ!」


 開口一番のセリフがそれであった。


「浮気ってなんだよ。あと、呼び捨て辞めようか」

「うるさい! 迎いに来るのが遅い優が悪いんでしょ!」


 保育園の正門前。明莉ちゃんを迎えに来た俺はなぜか、いや遅れたのが悪いのだが、怒られていた。


「ごめん、ごめん。お兄さんも忙しいんだよ」

「優が忙しい? 笑ちぇないでよ」

「悪態ついているところ悪いけど、噛んでますよ。あと、明莉ちゃん。呼び捨てやめようか」


 まあ、実際忙しいと言えば嘘になるが。


 ここのところは毎日、図書室によって椎名とおしゃべりをしているんでね。それで迎えに来るのが遅れているんだ。


 すまない亮介。天野さんと話すきっかけを作るために教えてくれた話だったが、今俺は彼女と話す気はない。


「ふん、じゃあ行くわよ」

「はあ」

「はあ、じゃなくて。早く手を握りなさい! 言われないとそんなこともわからないの!」

「わかりましたよ。お嬢様」


 俺は差し出す小さな手を包み込むように優しく握る。


「これでいいですか?」

「及第点ね」


 及第点か......


 なぜ、明莉ちゃんがこんな態度をとっているのかというと、それは恐らく最近人気のドラマの影響だろう。


 ツンデレお嬢様が密かに仕える執事と付き合っているという話で老若男女から人気なんだとか。


 おままごとの延長だろう。小さな子の悪態はかわいいもんだし、このまま話に乗っかってあげるか。


「それで、明莉お嬢様。今日の保育園は、ぐえっ!」


 執事役を演じている途中、俺は急にすねを蹴られる。


 どうして......


「気軽に名前を呼ばないでちょうだい! それに会話は私がコントロールするから。あなたは黙っていればいいのよ」


 これ、原作より厳しくね?


 一息つく間もなく、五歳児の暴挙は続く。


「それにしても、あなた。辛気臭い顔しているわね。どうせ恋沙汰で悩み事でもあるんでしょ。話してみなさい」


 え? 何この子? めっちゃ核心ついてくるやん。でも、流石に一回りくらい離れている年下にリアルの相談はできねえよ。


「お嬢様、私に悩みなど...って、いった!」


 俺は再び同じ場所を蹴られ流石にうずくまる。


 二度目は骨に効くぜ......


「飽きた!」


 急に始めて急に辞めるなんて.....悪魔や。この子は。


「だから、優も普通に話して。悩んでることも」

「なんでそれが......でも、呼び捨てはやめようか。あと、足を蹴るのも」


 俺は明莉ちゃんのおでこにデコピンをする。


「いたっ」


 俺は痛がる明莉ちゃんを抱きかかえ近くの公園のベンチに座る。


 さて、明莉ちゃんが俺の核心をついてくる件だが。これはさすがに俺でもわかる。


「ったく、亮介から聞いたのか? 俺に好きな人がいるってこと」

「うん! お兄ちゃんが家でいっつも優君の話をしてるから」

「俺の個人情報駄々漏れじゃねえか。てか、妹に俺以外に話すことないのか」

「お兄ちゃん、優君以外に友達いないもん」


 あの野郎。妹にあることないことべらべらと喋りやがって。それにそのせいで友達がいないことばれてるぞ。


「優君好きな人いるの?」


 キラキラ目を光らせて。やっぱり、この年頃の女の子でもその類の話は好きなのか?


「別にいないよ......それに近い人は何人かいるけど」

「教えて! お願い!」

「しょうがないな」


 俺は明莉ちゃんに最近の身の回りの話をしてあげることにした。主にキャプテンイタリアンさんと椎名と鬼寺先生について。


「インターネットで出会うなんて大人な恋をしてるんだね」

「そ、そうなのか?」


 インターネットを知っているなんて。今どきの幼児の知識はどうなっているんだ?


「そうよ。それに急にイメチェンをしてきたクラスメイトね。胸熱じゃない」

「胸熱!?」


 これもドラマを見て得た知識なのか?


「担任の先生も気があるみたいだし。モテモテだね。優君は」

「わ、わかるんですか?」

「当たり前じゃない。これでも私もれっきとした女よ」

「では、明莉さん。いや、明莉先生。私はどうすればいいのでしょうか?」

「そうね......まずは呼び捨てで呼んでみてみることね。そうしたら、何かが見えてくるはずよ」

「そうですか! ありがとうございます!」

「いえいえ、これくらい」


 なんかノリで先生って呼んだけど結構それっぽい答え返ってきたぞ。これはまじで試してみる価値があるんじゃないか?


 そして、俺は五歳児のいうことをうのみにして次の日に実際に試してみるのであった。



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