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俺TUEEEEも、いいもんじゃない  作者: ミギテクビ、オレタ=ミギテクビ、ナヲッタ
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やっぱつええ

前見た時と同じく、無駄に凝った作りの内装。俺の家にはなかった金の使い方を見て、一般人が何も言わないわけがない。


「スゲェなこれ…あんまり知識ない俺でもわかるくらいの作者の絵とか飾ってるしよ…お前って本当に金持ちなのか?」


「んなもん書く必要ないだろ。っつか黙れ」


こいつの口を縫ってやりたいくらいだ。なんで言っていることができない。先程和解しただろ?


「いらっしゃい…」


長い廊下を抜けた先、使いの人に案内された部屋に向かうと、エプロン姿で気合十分の先輩が恥ずかしそうに立っている。姉様でエプロンの耐性はあるが、これはこれで破壊力抜群だ。まあ先輩のことをBマイナーだとかいうやつは、安心していいよな。


「先輩似合ってますね〜」


少し嬉しそうな先輩は、上目遣いで俺にも求めてくる。まあこれも高い金かけてるんだろうからな。


「来させていただいてありがとうございます。とてもお似合いですよ。先輩」


「…二人ともありがと」


「いえいえ〜お金がかからないことならなんでもできますよ!」


這い蹲って靴でも舐めて欲しいんだが、しないだろうな。


「じゃあ、頑張って料理してね。まずは二人がどれくらいできるか知りたいから、好きな食材使って何か作ってみて」


先輩の目線の先に広がる食品の数々。どれもブランド物とかなんだろうな。俺の家もそうなんだが。


「なんでもいいんですか?」


「…うん。自分が出来る限りの事をしてみて」


「わっかりましたー!」


早速あいつは食材を凝視し始める。

そろそろ俺も考え始めないとな。残念ながら難しい料理の作り方は知らない…が、料理自体はできなくはない。ここはいっそオリジナルのレシピで賭けに出てみるか?その方が面白そうだしな。じゃあいっちょやってみるか。


そっから1時間ぐらいたったかな。アホの方の料理ができたから、急いで仕上げに入ったから少し不安だが…とりあえず出来た。


「谷口くんのは…」


「ハンバーグです!お弁当の定番ですから!」


無難な道を選んだな。肉と少々の野菜を混ぜて炒める。俺でも出来る作業だが、たまに視界に映る時のアイツはとても手の込んだことをしていた。そこそこなうではあるのだろう。


「それで…ダイスケくんのは?」


「焼き魚…ですかね」


調理過程が多かっただとかは知らない。魚を焼いたんだから、焼き魚だ。


「焼き魚?確かに料理自体に名前は無ぇみたいだけど、なんか付けないのか?」


「つける必要ないだろ。名前なんて短いもので俺の料理が全て表されてたまるか」


これが出来上がるまでの過程を一言にまとめられるなんてふざけている。


「…谷口くんには教えがいがありそうだけど…ダイスケくんには教えることがないかも…?」


姉様から調理工程の一つ一つの意味を聞いたことはあったけど、全くの素人だぞ。先輩も素人という域ではあるが、まさか俺の力がここまでとは。


「でも味はわかんないですよ…」


俺は苦笑いを浮かべて、アホの方を見る。食べることに金はかからないぞ。たぶん。


「なあダイスケ、一口だけ食べていいか?」


「…私も食べて見たい…」


「先輩の食材を使わせていただいたので、先輩がいいというならば」


「先輩…!」


先輩に委ねると、アホが懇願している。


「みんなで食べよっか」


料理を教えてくれる役目の先輩がこう言うんだから、従うしかあるまい。


「先程も言いましたが、味の保証がないので…毒味ということで、一番最初に手をつけてもいいですよね?」


あのアホにさせてもいいんだが、それで殺したらまずいしな。俺が死んでもまずいけど。


「いいよ。ダイスケくんが作ったものだし」


「では。いただきます」


先輩とアホが見守る中、俺は白身を口に運んでみる。


「どうなんだ…?やっぱうめぇのか?」


急かすアホなど気にせずに、ゆっくりと味わう。不味くはないが、姉様ほどでもない。


「普通…ですかね。でも、不味くはないので、食べたかったらどうぞ」


「普通にうめぇじゃねえか!」


「私よりも美味しいと思うよ…」


自分の思いとは違う賛辞が飛んでくるので、もう一口と口に運ぶが、やはりまずまずといったところだ。


「そう…ですか?」


「うん。ダイスケくんって、本当になんでも出来るんだね…初めてなんでしょ?」


「ええ。姉様が厨房には立たせてくれませんから」


「親が一流の料理家だったらしねえのか?」


父上はおろか、母上も料理をゆっくり作る時間などない。


「いや、むしろ料理作ってるところを見たことがないくらい」


「ヤベェな…」


あのアホでさえも言葉を失う。


「まあ、俺の料理は置いといて。次は谷口の料理を見て見ましょうよ」


せっかくさっき作ったばっかなのに。冷めてしまってはもったいない。


「お前のほど上手くはないがな。でも、そこそこはできてると思うぜ」



うん。意外とうまいじゃないか。


「ちょっと味が濃いかな?」


これは俺の味覚がおかしいってことでいいのか。それとも単に疲れてるのか。後者であってくれないと、今までの食費がもったいないぞ…


ここまでのお付き合いに感謝します。

春が始まったようですけど、嘘みたいに寒いですね。

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