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俺TUEEEEも、いいもんじゃない  作者: ミギテクビ、オレタ=ミギテクビ、ナヲッタ
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私のために争わないでっ!?

3月20日は冴えない彼女の育て方の澤村スペンサー英梨々の誕生日だそうです。数多ある中で一番好きなキャラクターです。私も丸戸先生みたいな味のあるキャラクターが描けるように頑張りたいと思います。

先輩が出て行って、図書室に一人。何かをするでもなく、ただぼうっと窓の外の世界を見つめている。雨は好きだ。金でなんでも解決しようとする、太った大人たちの汚い心を晴らしてくれるような爽快さがある。だから今も、俺の心は晴れている。


「なんつって」


キザにカッコつけてみたが、雨は止んでくれなさそうだ。さっきはあんなこと言ったが、実際雨は好きでも嫌いでもない。濡れるのは好きじゃないが、ずっと晴れだと思うと憂鬱な気分になる。だから、たまにはこういう日もあっていいんじゃないかと思う。あ、これはカッコつけなんかじゃないからな。まあ俺だから何にでもカッコがついてしまうんだけど。


「ただいま」


「おかえりなさい」


あいつと何があったかは、話してくれなかった。けど、悪い顔はしてないし、むしろ機嫌が良さそうなくらいだから、うまく気持ちを伝えられたんだろう。姉様といい、子供の成長を見守る親にでもなったかのようだ。



アイツに指摘されたから、俺と先輩は図書室で昼を済ますのをやめにした。食堂でたべたら身動きが取れなくなるということで、教員に言って空いている教室を借りているからあまり変わらない気もするけど。


「よっすー相棒」


上機嫌に扉をあけて侵入してくる。聞いたことのない挨拶と理解できない存在の出現により、瞬時に俺の 頭は超速で仕事を始める。


「なんでお前がここに…?」


「神楽坂先輩が誘ってくれたから〜」


いつもに増して、まるで酒を飲んでいるかのような態度だ。でも酒なんて飲めないからどこかで頭でもあったのか、それとも本当にアホになったのか。


「雨で屋上空いてないって言ってたから…どうかって…誘ってみたの」


先輩が少しだけ来るのが遅かったのは、コイツを呼びに言ってたからなのか。間接的に俺の時間を取りやがって。


「と、いうわけだ!ほらほら、早くたべないと冷めちまうぞ」


「弁当なんだから元から冷めてるよ…」


呆れた、観念した俺はため息混じりにつっこんだが聞こえてなかったみたいで、アイツのペースにのまれていった。


「うおっ!先輩の弁当豪華っすね〜!」


いつからかゴマをするのがうまくなっている。褒めのプロになりやがったコイツは、先輩を褒め倒す。


「ありがと…毎日頑張って作ってるから」


俺と話す時よりもスロウペースで喋るけど、凄く嬉しそうな表情を浮かべている。


「手作りなんすか!そしたらさぞ美味しいんだろうな〜」


先輩の顔色を伺う。これ目当てだったのか、クズ野郎。姉様が作った弁当を他の人間の手に触れさせるなんて、姉様の愛への反逆はできない。ということでコイツに何も与えてないが、それが裏目に出たのか。先輩に被害が及んでしまうとは…いや、でも俺は姉様を守り通せたんだからよかったじゃないか。ああ、そうだ。


「一口だべて…みる?」


「いただきます!」


強情なアイツは馬鹿みたいに大きく口を開き、一般的な一口の範疇を超える量の一口で頬張る。


「先輩!これすっごく美味しいですよ!」


「そう…?よかった」


自分の弁当の3.4割は無くなっていることも気にせず、嬉しがっている。あれが作り手の気持ちなのか…?自分よりも他人を思う生産者は全員そうなのか…?


「僕も自分で料理作るんですけど、先輩みたいにうまくいかないんですよね〜」


「教えてあげよっか…?私でよければ」


「是非!是非!」


ものすごく食い気味だけど、先輩は依然嬉しそうにしているだけ。ここまで一方的だとみてられないな。


「あー…先輩」


「ダイスケ…くん?」


その聞き方は、俺であるか否かを問うてるみたいで、おかしいというか虚しいというか悲しいというか言葉にならないな。


「僕も教えてもらいたいなーなんて…」


「料理を?」


「はい。いつも姉様にお世話になってるので、少しぐらいはお手伝いでもできるようになりたいなと思ってのことですけど…あ、でも、先輩が谷口と二人っきりでいたいのなら別ですけど」


悪いなアホ野郎。俺の方が何枚も上手だ。まあ俺は一枚目であり二枚目、対するお前は三枚目で枚数は変わらないんだろうがな。


「えっ…二人っきりとか…別に…」


七枚目の野郎の幻想の世界から解き放たれた先輩は、我にかえる。


「あれ?これは失礼しました。それで、僕は行ってもいいんですかね?」


「うん。今週の土曜と日曜どっちがいい?」


「どっちでもいいっすよ〜」


ダメだな。二択に迫られどっちでもいいなんていう男は。一見優しそうに見えるが、自分で物事が決められなく、自分で責任を負えない男の端くれにも置けないようなやつだ。


「土曜の方で頼めますか?」


「うん…じゃあ決まりね」


今度は先輩を守ってみせるから。

あ、お釣りはいらないよ。側にいて、好きなことについていつでも話すことができるのなら。


ーはい、カッコいい。決まったな。完全勝利だ馬鹿野郎。

ここまで読んでくださってありがとうございました。

明日は祝日ですね。1日に2話だすなんて無謀なことはしないですよ…

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