22世紀からやってきた天使
姉成分足りてなかったので
誰かを思うだけでなんだか、なんでもできる気がするから。
睡眠時間は8時間しっかりとったし、土曜日はきっちり休んだ。だけど疲れたよ…しんどいな。
「お疲れ気味だね〜」
エプロン姿が映える女神様。俺のためだけに食事を作ってくれる天使が俺の隣にちょこんと座る。ふわりと香る果実系の香りが俺を癒してくれる。
「面倒事ばっかりなんですよ…」
姉様が隣にいるから、ふと愚痴が溢れる。
「頑張ってるんだね」
聞き上手な姉様はどんなにしょうもないことでも同情してくれる。そんな存在が今は嬉しい。お陰で力が湧いて来る気がする。
「でも、姉様からその一言がもらえて今日も頑張れそうです」
「無理はしなくていいんだからね。ダイちゃんが困った時、支えてあげるために私がいるんだから」
俺から離れられない、狂気にも似た姉様の笑顔。
「姉様も1人で抱え込まないでくださいね。その為に僕がいるんですから」
姉様の笑顔に、おんなじぐらいの笑顔で返す。この技は親からもらったものだったんだな。お父様は堅っ苦しいからお母様かな。
「カッコつけちゃって」
照れた姉様は人差し指で突っついてくる。恋人みたいだな。今更だけど、これは姉弟の域を超えてるんじゃないかな。
「でも、好きなんですよね?」
意地悪に言ってあげる。
「大好きー」
姉様の両腕の中に俺は包まれる。安定の俎だな。でも、さっきの香りが濃く香ってくる。
「これじゃご飯が食べられません。姉様の愛情が冷めてしまいますよ」
「熱いうちに食べてね?」
いただきます。
姉様は癒しだな。今まで何回助けられたことか。
「じゃあ、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
今日も馬鹿でかい黒塗りの車に乗り込んで学校に向かう。頑張れる気がするな。
前言撤回。もう憂鬱です。
「いつもこんなに早くから来るのかい?」
車を降りて人気がない校舎を歩いていたところ、狐面に見つかり捕まりましたとさ。
「はい。遅くに来ると囲まれちゃって遅刻になってしまうので」
どんどんと登校時間が早くなるんだよな。勘弁してくれよ。
「大変なんだね」
「いえ。会長はお仕事ですか?」
「いや、そうじゃないんだ。ただ、今日は朝早くに学校に来たらいいことが起こるかなってね」
ナニソレ。コワイ。着けてたのか?
「何かいいことありましたか?」
「こうして君と話すことができただけで満足だよ」
僕は不服なんですけどね。
「そうなんですか。それは良かったデスネ」
「うん。あっ、そうそう。昨日君が帰ったあと、一年生の資料を見直して見たんだけど、なんとか学年長が決まりそうだよ」
「それは良かったデスネ」
「アドバイスをくれたことに感謝するよ。それじゃあ失礼するね」
去って行った。耳が痛い。帰りたい。姉様に甘えたい。姉様に意地悪なことをしたい。姉様に甘えられたたい。姉様に意地悪なことされたい。
…依存症だなこりゃ。でも、一族の、姉様の世間体のために頑張らないと。姉様を思うだけでなんでもできるんだから。頑張れるんだから。
ぺったんこ被り、無口クール系被り。そんな不遇なキャラクターにもスポット当ててあげないとね。雫の逆襲(シュッ




