第69話:『黄金の再起』
基地に戻った俺たちを待っていたのは、惨溺たる被害状況だった。
予備のコアユニット、戦車換装パーツ、飛行パーツの数々。
あの大逆転劇の代償として、そのほとんどを戦場へ捨ててきた。
手元に残ったのは、ユイのコアとボロボロの人型パーツのみだ。
だが、アリスが差し出したタブレットの数字に、俺は目を疑った。
「……ゲンさん、安心して。再建のための資金は、腐るほどあるわ」
俺たちを嵌めたディフェンス・ノヴァに国の強制捜査が入り、
裏で糸を引いていたギャラクシー社の悪事も全て明るみに出たのだ。
「奴らから絞り出した賠償金と、制裁金が山のように入ったわよ。
あの二社は民間防衛の資格を剥奪され、業界から永久追放。
もう二度と、私たちにちょっかいを出してくることはないわ」
アリスが勝ち誇ったように笑う。悪意の代償は、高くついたようだ。
「ハッ。あの社長、今頃は檻の中で『いいね』でも数えてろ」
俺は札束の山を想像し、整備士としての創作意欲を燃え上がらせた。
金はある。敵は消えた。ならばやることは、たった一つだ。
失ったパーツを全て作り直し、さらに最高の性能へと引き上げる。
「カナタ、新しい戦術に必要な装備を全てリストアップしろ。
ユイ、次はどんな無茶な動きをしても、壊れない機体にしてやる」
俺の宣言に、カナタは「最高の盤面を、鋼鉄で組みましょう」と頷き、
ユイは「……おじさん、期待してるね」と小さく微笑んだ。
サオトメ技研、第二章の幕開けだ。
俺たちは潤沢な資金を燃料に、銀河で最も「映える」最強のロボを、
一から、いや、ゼロから再構築し始めるのだった。




