第51話:『毒の贈り物』
サオトメ技研が共闘に沸く一方で、
「ギャラクシー・エンターテインメント」の地下室では、
社長が冷酷な笑みを浮かべていた。
「……首尾はどうだ?」
社長の問いに、暗がりに座る対面の男が不敵に答えた。
「ご安心を。共闘の申し入れは無事に受け入れさせました。
奴らは今、新たな名声に目が眩んで夢心地でしょう」
「……フン、おめでたい奴らだ」
社長はデスクから、鈍い光を放つ黒いチップを取り出し、
小型の特殊装置にセットした。
そこから出力されたデバイスを幹部へと静かに差し出す。
「これを持っていけ。作戦中、隙を見て奴らの機体に付けろ。
それは敵を際限なく呼び寄せる『ビーコン』だ。
世界中が目撃するだろう。彼らの誇る『本物』が、
無限の敵に囲まれ、無残に撃墜される光景をな」
幹部は無言でデバイスを受け取り、深く頷いた。
「我が社の戦車部隊は、その窮地を救う正義の味方として、
最高のタイミングで介入し、人気を奪い取ります」
社長は満足げに、サオトメ技研のニュースを睨んだ。
「サオトメ……ゲン。お前たちが築いた砂の城、
せいぜい今のうちに楽しんでおくがいい」
共闘という名の包み紙に隠された、悪意の招待状。
ユイを死地へと追い込むための「罠」が、
着々と、そして静かに、戦場へと運ばれていく。




