扉・2
俺の死んだ祖母は、崖の上にある洋風の家に住んでいた。
その家の埃まみれの廊下の一番奥の扉。
開かずの扉として開けることを禁じられた扉がある。
ひさしぶりにこの家に訪れた俺はこの開かずの扉を開いてみることにした。
扉にはカギがあるうえに誰も入れないように木の板まで打ち付けてある。
俺はバールで打ち付けてある板の釘をすべて引っこ抜いた。
次はカギだ。正直これはどうしようもなかったのだが、予想外なことに扉にカギはかかっていなかった。
性格が少し変わっていたが、財産も残せず質素な生活をしていた祖母だ。きっとここにも祖母の大切な思い出がしまわれているのだろう。
俺は懐かしい気持ちを抑えきれず、開かずの扉を勢いよく開けた・・・
* * *
「おめでと~ございます」
パンパーン。突然クラッカーと拍手が鳴り響く。
「あなたがここにたどり着いた最初の人です。どうもはじめまして。驚かれたでしょう。私はあなたのおばあさまの専属弁護士でして。私はおばあさんの遺言として、ここに最初に訪れた者におばあさまの全財産を相続するようにと頼まれていました。なんといってもあなたのおばあさまは世界第3位の大富豪でございましたからね。おめでとうございます。あなたは今から世界第3位のお金持ちですよ」
まさかあの祖母が世界第3位の大富豪だなんて全く知らなかった。人生何があるか分からないもんだ。




