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扉・1
俺の死んだ祖母の家は、ブラックジャックのような断崖絶壁の上にある洋風の家である。
その家の一番奥の扉。
開かずの扉として開けることを禁じられた扉がある。
十年ぶりにこの家に訪れた俺はこの開かずの扉を開いてみることにした。
扉にはカギがかかっているうえにご丁寧に入れないように木の板まで打ち付けてある。
俺はバールで打ち付けてある板の釘をすべて引っこ抜いた。
次はカギだ。正直俺は昔は割と名のある悪だったのでこんなカギなんてかかっていないのと同じだ。
カギはものの数分で開けることができた。
性格がひねくれていて、一銭も財産を残さなかった祖母だ。相当金を貯めこんでいたに違いない。
きっとこの扉の奥には祖母が貯めこんだ財産が相当詰まっているに違いない。
俺は堪える気持ちを抑えきれず、開かずの扉を勢いよく開けた・・・
* * *
扉の先に部屋は無く、男は真っ逆さまに断崖絶壁の下に落ちて行った。
開かずの扉は建築ミスでついてしまった壁の一部だったのだ。
(おしまい)




