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ブラッドカラー  作者: 福乃 吹風
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68話 電気は糸に、ガラスは影に

 リアたちを逃がした後のお話であります。和吉はできる限り逃がせるようにとゲートを作り出し逃げてもらったであります。先生は子供たちを避難させるべく、和吉たちが住んでいた旧島へと逃がしたでありました。

 動ける社員はファンズマなのかまだわかっていない化け物に挑んでもらったであります。 


「ルシャンダ、扉が限界を来ているようです!」


 ハッカークロウがハッキングしなくなったことで、よかったでありますが、これでハッカークロウにも攻撃されていたらアウトでありました。


「バリゲードを多く作るであります。ワイズたちが戻って来るまで耐えるでありますよ!」


 社員ははいと返事をしてもらい、ゲートを作ってもらいながら、放送を流し、できるだけ対処できるようにしたかったであります。そしたら一番上にある左画面が壊され、糸がそこに張り付き侵入されたでありました。

 和吉たちはえっと疑うような感じであります。なぜならここにいるはずのない、デッドハラン王国第三調査隊長グックがいるでありました。


「へえ、お前がクロウの宿敵、ルシャンダら。思ったよりがきらな」

「なぜここにいるでありますか!さっきはカディヴィアにいたでありますよね?」

「目的果たして、カディヴィアをうろうろしてたら、あのお方の命令が来たんだら。フリジンダ社にいるティルとついでにリアたち連れてきたら連れてきてほしいという指示をらな」


 ティルはまだ医務室にいるでありますが、あのお方というのは誰のことでありますかね。デッドハラン王国の王とカタカタさせながら、グックの表情を見たであります。

 グックは糸を使って社員に近づこうとしたから、和吉の電気パワーで守ったでありました。


「静電気やばら」

「和吉の電気パワーを見くびらないであります。ここは電気が多く流れてありますから、勝ち目はないでありますよ!」

「それはどうから。遮断すれば電気は流れなくなるらよ」


 グックはすでに糸を絡めているようで糸を引くような仕草をすると、フリジンダ社の電気が全て落ちたであります。モニターは使えなくなり、社員たちは自分の能力を使うようでありました。グックに挑むようでありますが、グックは第三調査隊長であります。

 簡単に倒せる相手じゃないでありますと、社員だけでも逃がせればと防犯カメラの位置を思い出しながら、ゲートを開けようとしたところでありました。


 助けてと社員が和吉に向かって攻撃し始めて行き、まさか操られたでありますかと避けたであります。糸は炎が一番でありますが、この部屋にいるのは全員、電気系の社員たちでありました。

 勝てっこないでありますと電気ショックを与えるしかなさそうでありますねと、電気を多少与えたであります。けれど気を失った社員は糸で操られているでありますから、身体が勝手に動いているでありました。


「気絶させても無理ら。大切な社員たちをどうやって飾ってあげようらかな」


 まるで作品を作るような瞳をして、デッドハラン王国の第三調査隊長しかいないのが疑問であります。こういう場面は部下も連れてくる感じでも、侵入してきたのはあの化け物とグックのみでありました。

 もしかしてと和吉はグックに質問をするであります。


「ここに侵入してきた化け物は一体なんなのでありますか?」

「教えるつもりはねえらよ。知ったとしても、お前はもうすぐ死ぬんらから、言わないら」


 タングは何か知っているんでありますかと聞きたいでありますが、違うところで化け物と戦っているような感じでありました。

 電気を流したとしても効果はあまりないでありますから、社員を傷つけないようにするにはと周囲にある小道具を確認したであります。


 和吉は物心ついた頃からネットばかり見ていたでありますから、体力はあまりないでありました。開発している試作品を手にとり、電気を流すであります。これで倒せなくてもグックにダメージを与えられるのなら、いいでありました。


 いざっとグックに向けて攻撃を与えようとした時のことであります。コードがたくさんあったせいで引っかかり、目の前でずっこけたでありました。

 それを見たグックは大笑いをして、和吉は少々恥ずかしかったであります。体制を立て直しリベンジと挑もうとしたのでありましたが、試作品を素手で掴み壊されたのでありました。


「クロウと違って、お前体幹鍛えていないんだな」


 ぎくっと和吉は壊れた試作品を持ってそろそろと引き下がったのであります。デスクワークのしすぎで、体型がぽっちゃりしているのは気づいていたでありました。やろうやろうと思ってもついネットに夢中になりすぎていたであります。

 ポイッと試作品を捨て、今度はレッツォが考えた武器を手にしたでありました。これはレッツォ特製の銃で、打つとレッツォが常に出している釘が出るであります。狙いを定めてグックに当てようとしたところ、鳩が出たでありました。


 ぽかんとしてしまい、グックは余計に笑い出して、手品かよと突っ込まれたのであります。全身赤くなりレッツォがその場にいたら、電気ショックを与えていたでありました。

 なら今度はウバンが開発したという薬品があったでありますから、これでグックは終わりでありますと投げたであります。何も起きず、グックと一緒に首を傾げたでありました。

 そしたら次の瞬間、甘い香りが漂いお酒でありましたと換気をしたであります。


「酔わせてもらいは全然平気らよ。そっちは大丈夫そうに見えないけどら」


 やばいであります。和吉、成人してもお酒は大の苦手でありました。ウバンもここにいたら完全に電気ショック与えていたであります。

 匂いで酔ってきたでありますと地べたに座り、こんなことしている場合じゃないでありました。社員を早く逃さなければと椅子にしがみつきながら、立ち上がるであります。

 ここはマッチとか火に関する道具は持ち合わせていないでありました。糸を切るにははさみぐらいでありますとペンたてにあるハサミを取り出したであります。


「はさみ持ってもらいの糸は切れないら。らいの弱点は炎らよ」


 教えてくれるも、それくらい知っているでありますと社員に絡まっている糸がある場所を切ろうとも、社員に絡まった糸が切れないであります。

 そしたらファンズマのスニャンパが少数現れ、余計に酔わされることになったでありました。グックもファンズマのような姿となり、和吉を糸で絡め上げたであります。


「手品は終わりにしてもらうらよ」


 和吉がもっとしっかり鍛えていれば、こうにはならなかったでありました。悔しいでありますと糸で首を絞められ、和吉はリアたちと過ごした思い出が見えたであります。ごめんでありますと涙を流したでありました。

 そしたらここでやられるなという言葉に電気が放って、それにより静電気が流れたのか糸が緩くなったであります。ケホケホとなりながら大丈夫でありますかと社員たちを揺らすも、うんともすんとも言ってはくれなかったでありました。

 悔しいでありますと涙を拭き取り、机に置いてあるワイズたちの写真を一目見たであります。ワイズたちが帰って来るまで、なんとしてでも生きなくてはと、コードを鞭がわりにし電気を流したでありました。それによってモニターに電気が届き、画面は島で撮ったみんなの写真が壁紙になっているであります。


 大丈夫、和吉にはみんながついているでありますから、怖いものはないでありました。社員がどれくらい殺されようとも和吉たちの絆は決して壊させないであります。


 ひゅうと吹き、いい写真だらとさげすんでスニャンパとグックが一斉に攻撃を再開したでありました。和吉は思いっきりコードを振り回して、スニャンパを倒し、グックとの糸と和吉が使用しているコードが絡み合うであります。


「お前、やっぱり面白えなら。もっと早く会っておけばよかったらな」

「和吉もそう思ったであります。そうすればもっと早く、対策ができたでありましたから」


 糸が顔に引っかかり眼鏡がパキンと割れたでありますが、グックを絡めたことで電気を流し込み続けるでありました。このまま行けであります。




 ポタッポタッと出血しているお腹を押さえながら、椅子に座り片手で操作しながらワイズに伝えたであります。


『応答であります。たすけてであり』


 ワイズと連絡が取れても、背後にグックがいて和吉は糸に絡まれグックのアートにされたのでありました。 


 様子を見に行ったら信じられない光景を目の当たりにしたっす。それはおとぎ話に出てきた天魔ジェルロ

 これを早くヨウミさんたちに伝えないと危ないっすとフリジンダ社に戻ろうとしたら、わんぼがガラシャディとなっていることで天魔ジェルロがわんぼを囲む。

 ガラシャディとシャガヴァを複数だし、フリジンダ社に戻ったっす。戻ってリアちゃんたちを守らなければと走っていたら、目の前にいたのは寝ていたはずのティルがいたっす。けれど様子がおかしいと感じつつ、ティルと声をかけたらティルが左腕を上げ、影魔と叫んだっすよ。

 まじっすかよと影魔がわんぼを襲いかかってきて、ガラスで塞ぐもパリンと割れ粉々にされたっす。影能力者だとは知ってたっすけど、よりによって影魔ドゥシャーを出せるだなんて卑怯っすよ。一旦距離を離したほうがよさそうっすねとフリジンダ社から出たっす。


 ルシャンダたちにも伝えないといけないのに、どうなっているんすか。ヨウミさんが昔教えてくれてたことがあったす。左腕を肩ぐらいまで上げた者はただものじゃないから用心しておくのだよと。

 言われてみればギーディスさんがあれほどの炎が出せる意味。仮に炎魔ホムヴァルがいるからあれくらいの威力を出せるとしたら、大事になるっすよ。


 息を整えていたら影がこちらに向かって来て、わんぼは水槽を降らせるも捉えることができないっす。これは苦戦しそうっすねと汗を拭い、海に潜ればどうすっかねと浜辺へと向かったす。

 そう言えばこっから天魔ジェルロが出てたっすけど、さすがにと走るのに急ブレーキをかけたっす。海から次々と天魔ジェルロが出てくるし、浜辺は渋滞しているかのように天魔ジェルロがいたっす。


「逃げ場はない、タング」

「ですよねっじゃないっすよ!どうしたんすか?急に襲いかかるだなんて卑怯っす!」

「わからないかな。僕はあの種族の末裔だよ。館長は気に食わなかったけどさ、やっと手に入るんだ。リアを」


 やっぱりおかしいっす。ワイズとリアちゃんの披露宴をサプライズしたじゃないっすか。

 ボルダウ国から帰って来てから様子がおかしかったんすかと考える暇を与えてはくれず、影魔ドゥシャーがわんぼに襲いかかろうとして、ガラシャディを複数出したっす。

 そしたら浜辺にいた天魔ジェルロが素速く動き、まずいっすとシャガヴァを多めに出したっす。


「早くリアに会いたいから、タング、早く死んでほしいな」

「わんぼは死なないっすよ。それにティル、思い出すんす!ワイズとリアちゃんの披露宴、サプライズしたのティルじゃないっすか!」


 わんぼが言った言葉で、ティルは頭を抱え、もしかして洗脳されているんすかと、ティルに触れようとしたら、触るなと手を振り払われてしまったす。

 

「汚い手で僕に触れるな!穢らわしい!」


 グサッと心に刺さるようなことをティルに言わせてるんじゃないっすとぐずんと泣きそうっすよ。これリアちゃんやワイズたちがいたら絶対に悲しむっす。

 元のティルに戻すには一度気絶させないと無理っすかねと考えていると小僧と呼ばれたっすよ。よくよく見るとギーディスさんの親父おやっさんで、左腕を上げたんす。

 心の準備できてないっすよとあわわしていたらめちゃくちゃでかい炎魔ホムヴァルが現れ、これ確実に火の海になりそうじゃないっすかと目を閉じちゃったっす。


 あれ、わんぼにはなんも影響がないと恐る恐る目を開けると、炎魔ホムヴァル影魔ドゥシャーに攻撃を与えていたっす。魔はファンズマだけを嫌うと聞いていたっすけど、炎魔ホムヴァルは違うんすか。

 けれどギーディスさんの親父おやっさんは体力がないのかしゃがみ込んでしまったっす。あまり時間はないようっすねとティルとの相性はまずますっす。

 影ならハディックが一番いいっすが、ハディックはルマと一緒に別件でいまこの島にいないんすよ。やっぱりハディックをここに置いておけばよかったす。


「リアはここにずっといたから、穢れたんだ!はあはあっうっ」


 頭痛がしているのか見てられないっすとあんなこと言われようとも、ティルに触れているとわんぼにしがみつき、助けてと苦しそうに言っていたっす。

 頭が痛いのはまだティルの心が戦っているんすね。そうは言ってもこのタイプは初めてのケースでヨウミさんが帰って来ないと難しそうっす。考えていると影魔ドゥシャーがわんぼに攻撃しそうになって、一度ティルから離れたっす。

 まるでティルの覚醒を邪魔させないようにしていたっす。これは手強そうっすとガラシャディとシャガヴァを複数出し攻撃を与えていくっす。


 炎魔ホムヴァルも負けないように影魔ドゥシャーに攻撃をしていたっす。ギーディスさんの親父おやっさんの様子が気になるも、炎魔ホムヴァルがまだ元気でいられるから大丈夫だろうと信じたいっす。

 ティルはゆっくりと立ち上がり、頭の痛みは引いたのだろうかと思ったっす。そしたら影魔が消え倒れそうになりわんぼが支えたっす。


 ギーディスの親父おやっさんが降りて来て、用心するんじゃと電柱にしがみつきながら言ったんす。これで終わってっすよとティルを見ていたら、ティルが光出してわんぼはゆっくりティルを地面に寝かせ撤退したっす。

 するとティルが宙に浮き始め、さっきまで黒い衣服を纏っていたものが、白い衣服に飾りは銀色へと変わったんす。


「タング、逃げるんじゃ!天の裁きが降ってくるぞ!」

親父おやっさん!最初から言ってくださいっすよ!」

 空の色が黙々と曇り始め、わんぼはギーディスさんの親父おやっさんを抱え、海へと飛び込んだっす。次の瞬間、島を丸ごと包むかのように、空からのビームが来たんす。

 ルシャンダたちが心配っすと空が元通りになり、ギーディスさんの親父おやっさんを背負って浜辺に到着したんすよ。そしたら一番厄介な人物が覚醒したらしいティルを抱っこしていたんす。


「久しぶりだら、タング」

「わんぼのこと覚えててくれるとは思わなかったっす」

「ふん、背負っているじじいをいただこうら?」

「渡さないっすよ。デッドハラン王国に侵入していたグック」


 ヨウミさんがデッドハラン王国に一度潜入した時に、ある国の手下が潜伏していると聞いたっす。まさかグックがある国の手下だとは想定外だったすよ。糸を使う仕草を取り出し、わんぼはガラスでガードしたっす。


「子守りしながらだとやりづらいら。そこにいるんだら?スターリー」


 姿を現したのはスターリという少女と見知れない兵が二名いたっす。グックは丁寧そうにティルを兵に渡し、その子は会釈してティルを連れ去ってしまったっす。

 いなくなったことでグックは指と首を鳴らし、本気でかかってきたっす。これはさすがに親父おやっさんをおんぶしながらだときついっすと思いながら、ガラシャディを出していったっす。


 グックはいとも簡単にガラシャディを倒し、今度はシャガヴァを数体出すも、すぐ倒されるっす。次第にはスニャンパも出してきて、逃げられそうにないっす。そしたら背負っているギーディスさんの親父おやっさんが降ろせと言い出すんす。


「駄目っすよ。怪我しているじゃないっすか」

「よい。これくらい、平気じゃ。えぇか?わしが囮になるから、タングだけでも逃げるんじゃ」


 そう言われても後でギーディスさんになんて言われるか想像がつくんすけどと言われた通りに降ろしたっす。立っているだけで精一杯のギーディスさんの親父おやっさんであり、わんぼが手を貸そうとするもいらんわと断れてしまったっす。


「じじい、いい度胸だなら。動くなら」

「行け、行くんじゃ!生きてこのことをヨウミに告げよ!」


 親父おやっさんはわんぼにある情報を口にし、それを聞いてしまったわんぼも消されそうになったっす。気がつくと電気がついていないフリジンダ社にいて、浜辺ではさっきのようなビームが数秒光っていたっす。

 どこの部屋も糸で社員が捕まっており、モニター室に入ると血塗りでデッドエンドと書かれわんぼたちはグックに勝てず敗北したのだと知ったっす。ヨウミさんたちが来るまで、体力を回復しようと水となり姿を消していたっす。



 会議室で二人の内容を聞き俺たちは言葉を失っていた。キアの他にティルが連れ去られるだなんて信じられない。すると鈴を使って親父と母さんがやって来たのだ。


「リアは?リアはいるか?」

「ルシャンダ、まだリア見つからない?」

「ワガラ都市の防犯カメラが全て壊されているであります」

「…ワガラ都市に行かせたのか!」


 親父はルシャンダの肩を掴みルシャンダは動揺しながらそうでありますがと、親父に告げると母さんは鈴を使ってどこかへ行く。


「ワガラ都市にはカディッちがまだいたっ。カディッちに捕まったらリアとミライがっ」


 俺たちには全くわからずにいると、すぐに母さんがミライを連れて戻ってきたのだ。ただミライは泣き疲れたようで寝てしまっている。母さんに代わりミライを抱っこした。


「行ってみたらウバンを見つけてな。話を聞いたところ、カディーラが現れ、リアはミライをここに残してほしいという要望に応じ、リアのみカディーラと一緒に行ってしまったそうだ。それでミライは泣き疲れて寝ているということになる」

「リア、ティル、キア三名が連れ去られたってことかよ。リアは今、妊娠してるんだぞ。俺の子に何かあったら…」


 あれはミライじゃなく次の子だったのかと夢を振り返ろうともあまり覚えてない。そしたらミライが起きて、俺を見ると再び泣いてしまい、あやす。もう大丈夫だと頭を撫でると俺の腕に小さな手がしがみつく。

 ミライは悔しかったんだろうなと会議室を出て、社長室に入り、ままだよと写真を見せた。悪影響だったかなと思ったが、ピタッと涙を止め、まんまと言い出す。必ず助けに行くからなとミライのほおにキスをし社長の椅子に腰を下ろした。これからは俺がミライを一人で育てていくことになる。


 ミライが落ち着くまでいるとルシャンダのゲートで帰ってきたっぽいイルルが入ってきた。歯を食いしばって服をギュッと握り、リアを守ろうと必死だったんだと感じる。


「イルル」

「リアを助けられへんかったっごめんっ。たわしの力不足やっ」

「イルルはリアを逃がしてくれたんだろ?それだけで十分だよ」


 せやけどと涙を手のひらで拭くイルルで、俺はミライを抱っこしたままイルルを軽めにハグをした。


「イルルは責任を感じる必要はない。社員として、俺たちの友として、家族として、動いてくれたんだ。リアはそれをわかってくれてる。大丈夫だよ。リアを信じよう」


 イルルはそれでもわかっているのだろう。リアの未来がどうなるかを。それを防ぐために動こうとしてくれたことをな。

 大丈夫と背中を摩っていると、咳払いをするコルアであって、その後はコルアにイルルを慰めてもらった。

 


 ここは一体どこなんだ。空は赤く地面は黒く見たことがないファンズマが多く住み着いていた。ニディアのそばにいたノールト兵、ただ者じゃなかったというべきか。帰り方を探したくても人の気配が全くないな。

 変える方法を探して師匠のところに戻らないと、キアたちが危ない。進んでもファンズマに気づかれ、挑んでみるも炎では倒れず、バリアを使いながら逃げる。


 ファンズマに見つからないような場所を見つけて、そこで一度休憩を挟んだ。

 総長がなぜエンディードを出せたのか想像がつかない。エンディードは主人の叫びの声量を超えたら出るようになっている。キアは俺との相性がよかったのか、叫ばずにエンディードは出せるようになった。

 あんな短時間で出せるタイミングと言ったら、ニディアの能力しかない。ニディアの能力は声。ニディアが歌えば治療回復と防御が増すし、叫べば攻撃力がアップする。総長はそれを利用して叫び、つまり攻撃力をアップさせエンディードを出したというべきだろう。

 

 スマホは圏外だし使い道にならないと待受画面を見た。待受画面はずいぶん前に撮ったニディアとのツーショット。ロック画面はキアとのツーショットにしているが、ニディアのことが心配だ。ワイズがいるから大丈夫だろうと思いたいが、ニディアの心が完全に壊れないことを祈るしかない。

 キアが連絡してくれた時、相当心のダメージをもらっていて、本来ならば戻ってニディアのそばにいたかったが、俺にはまだ師匠を裏切れない理由があったからだ。

 頭に手を置き早くニディアのところに戻ってあげてばよかったと吐息を漏らす。そしたらあのーという声に前を向くと嘘だろと目を疑いそうになった。


「ノース、なぜお前がここにいるんだよ」

「アイズさんの近くに拙僧いたんです。アイズさんを助けようと猛獣に乗って助けようとしたら一緒に入っちゃったようで」


 ノースは足を怪我しているようでハンカチで傷を覆っている。俺は左腕を上げ炎魔を呼び、ノースの傷を癒やしてもらう。


「これもファンズマですか?」

「違う。ヴィアント家に仕える魔遺伝子ティオスと言って、まあ神様に仕えているような存在だろうな。ノースもヴィアント家だから出せるようになる」


 ノースはびっくりして猛獣から落ちてしまい、父さんこのこと赤遺伝子の子たちに何も教えていなかったのかと疑問に思った。ノースは目を輝かせ、出し方教えてくださいと言われたから、ノースに炎魔の出し方を伝授していく。  

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