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ブラッドカラー  作者: 福乃 吹風
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67話 罠

 兄貴のエンディードが出るだなんて信じられないと城から突き抜けてエンディードの姿が見えている。兄貴が無謀に出したら兄貴の命が危険だ。城内では調査員が逃げろと城から多くの調査員が出ているせいで、なかなか中に入れずにいた。

 アイズがそこをどけと言っているも、混乱しているせいで、逃げることが精一杯のようだ。こうなったら別の方法で中に入るしかない。そう思っていると何かが降って来て、それによってみんなは慌てて走り出した。


 降って来たのはなんとファンズマの姿となったヨウミで、思った以上に深手を負っている。助けなきゃと行こうとしたらアイズに引き止められ、みると治療者がヨウミの傷を癒やしていた。

 アイズは僕の手を引っ張ってみんながぞろぞろと出ていく中、強引に城の中へと入っていく。


 城の中はとてもじゃないけど、ひどい有り様で待てよと後ろからワイズたちの声が聞こえるも、アイズはさっさと師匠のところへと向かった。

 行ってみるとヨウミの仲間とニディアの仲間は倒れていて、ノールト兵が傷を負いながらもニディアを守っている。


「アイズちょうどよかった。もう一体ここでエンディードを出せ」

「師匠、ノアに何を吹き込んだ!ノアがエンディードを出せるわけがない!」

「できたではないか。ノアは自力で制御しているようだ」


 それでも兄貴の様子がおかしくて、兄貴と叫んでも僕の声は届いてないっぽい。エンディードの実験でこんな早く制御できるわけがないし、エンディードを従わせる相手がいないとエンディードは暴走する。 

 兄貴を気絶させればエンディードは消えるだろうけど、師匠はそうさせないよう何か仕掛けてくるはずだ。そこにワイズたちも到着する。


「総長!」

「ブルバ、倒れているみんなを避難できる?」

「まあ能力戻ったから移動はできるけど、それより総長が」

「ここはブルバたちには敵わない相手だ。早く避難したほうがいい」


 僕が告げているとそうはさせないと師匠はファンズマで僕らを囲んだ。そう簡単に逃してはくれなさそうだな。ファンズマはブルバたちに任せて、僕は兄貴を止める方法を探す。

 師匠が兄貴に何かを告げたとすれば、母さんかじいちゃんの関することだ。兄貴しっかりしろよとアイズの能力を吸収し、兄貴を止めに入ろうとしたら、エンディードが僕を掴もうとし、アイズが僕を庇った。

 ワイズは意地でも兄貴に触れようとして、そしたらもう片方でエンディードがワイズを掴む。僕は透明人間になり、エンディードに触れようとした瞬間のことだ。


 どこからなのか鐘が鳴り始め、天から眩しい光を浴びると天から大きな翼をつけたピットが出現した。


「キア様、お迎えに参りました。ノア様もいらっしゃるとは。ふふっ怖がらなくても大丈夫。エンディードは消してあげましょう」

 

 ピットは左手を前に出しそして右から左へと移動させるとエンディードが簡単に消え、兄貴が倒れる。エンディードが消えたことで、ワイズとアイズが落下しそうになり、ファンズマで助けようとした時のことだった。

 その時を待っていたかのうように、ノールト兵が動き出して、キューブみたいな正方形を取り出し、アイズをその中へと封印する。


「アイズ!」


 アイズが入った正方形を奪おうとしたら、ピットの翼が僕の周りに刺さり、僕を拘束した。

 ワイズ助けてと手を伸ばすも羽をつけ顔には口しかない不気味の人間が七体現れ、その七人が呪文を唱え瞼が落ちていく。僕を助けようとするみんなの声、師匠が指示を出す声が聞こえながら、瞼が完全に閉じた。


 ◇


 キアを助けに行こうとするも訳わからない化け物が数体現れるし、その化け物はなぜかデッドハラン王国の王に向かって攻撃をしている。ノア、ノアしっかりしろと声をかけるも反応がない。


「無駄です、リア様の旦那様」

「てめえ!」


 キアに何かをした子はメリュレであって、どうなってんだよ。


「お前、メリュレだよな?身体にあった傷は?」


 メリュレは胸に手を当てせせ笑いながら、俺に伝える。


「あれは特殊メイクです。データも偽装。小生はあるお方の命で動いており、名はピット。時期に旦那様、あの夢の通りになります。どうか、リア様と最後のひと時をお楽しみくださいませ」

「そうはさせねえよ!それにアイズをどこへやった!」

「ヘルック、通称、地獄箱と言います。あの中に入った者はもう出ることもできない。よかったですね、邪魔者が消えて」


 こいつイカれてるとノアもキアのようになるのかよ。キアのほうをみたら、すでにキアとキアに呪文を唱えていた七人がいなかった。


「では」


 ピットが空を飛んで行き、俺は無闇にピット目掛けて炎の剣を投げるも届かず、剣は地に刺さる。デッドハラン王国の王を助けるべきか、それともこのままみんなを撤退させたほうがいいか。

 考えているとニディアは地べたに座り込んで攻撃もせず、みんながニディアしっかりしろと叫んでいる。ニディアは次第に赤子のように泣き始め、火元はないのにぼっと火が回り始めた。


「ブルバ!」


 ブルバを呼び、ブルバ班は火を消し、ブルバはニディアに水をぶっかけてもらう。それでも水がかかっていない箇所から火が強くなり始め、これはまずいと動いた。

 撤退命令を出し俺はニディアを抱きしめ、大丈夫と言っても、ニディアは泣き止まず、このままだとノアを巻き添えになる。周囲を見てもここは王の間だし、何もなくてデッドハラン王国の王はまだ妙な奴を倒していた。


 ニディアにべったりくっついていたノールト兵の姿も見られない。となればこれは完全に仕掛けられた罠。とにかくニディアを無理やり立たせ、ノアをおんぶし行こうとしたら、死刑されたはずの館長が目の前にいる。


「館長?死んだはずじゃ」

「説明は後だ。ノアは私が運ぼう。急ぐぞ」


 デッドハラン王国の王を放っておいてきちまったが、ニディアを抱っこしデッドハラン城を出た。ニディアは宝物がと俺の服を掴み言っていて、宝物が壊れたという意味なんだろうと感じる。

 館長がいることでみんなは呆然と立ち尽くし、ヨウミが威嚇しながらノアを引き取っていた。


「ファンズマ現帝王、ヨウミ。これを渡すようジェバールからいただいたものだ」

 ヨウミは包みと手紙が添えられており、不審そうな瞳をするもそれをしっかり受け取る。


「ティルはどうしている?」

「ここに来てない」

「そうか。いずれティルには会うつもりだ。デッドハラン王国の諸君!」


 いきなり大声を出す館長で、宣言をした。


「デッドハラン王国の王、そして王子はもうこの世にいない。呪縛を解き自由に生きろ!やりたいこと、したかったこと、自由に過ごせ!」


 いやいやまだデッドハラン王国の王は生きてるはずだけどと思っていたら、デッドハラン王国の調査員は歓声を上げ自由だと叫ぶ。俺たちは館長の言葉に何か意図があるのだと感じた。


「これからフリジンダ社は大きく育つだろう」

「館長はどこに行くんだよ」

「私は役目を果たした。故郷に戻ってゆっくり過ごす。それに私は多くの子どもたちを傷つけた。この地で処刑された以上、私の居場所は故郷にある。ティルのこと、頼んだぞ、ワイズ」


 身体がむずむずして館長にそんな言葉をもらえるとは思わず、館長はある子を連れて先へ行ってしまわれる。隣に来たガリシャは館長とその子がどこに行くのか確認してもらうも、姿を消されたようだ。

 ザズも追跡してみるも足取りが掴めないようで、その一方デッドハラン王国の王も姿を膨らませたらしい。 

「来て早々、あんなことが起きるとは思わなかったけど、これで終わりじゃないよな」

「そのようだ。ノアが我が輩を負傷させたのも、あの場にいさせたくなく追いやったのに違いない」


 そうなのかはノアに聞いてみなくちゃだが、デッドハラン王国の調査員たちは俺に面接をお願いしますと言い出し、帰ったら大忙しになりそうと思った。


「そういや、クロウとバンジャは?」

「悪い、クロウ逃した。きっと王と一緒じゃねえか?」

「バンジャのほうも逃げられちゃったというより、変なの出てどこかに逃げられた」


 変なのってさっきの奴か。王に聞けばなんかわかりそうな気もしたんだが、いなくなっちゃった以上ここにいるのもあれだな。よし、なら帰るかと海へ向かおうとしたら、無線から何か聞こえる。みんなもそれが聞こえるらしく、耳を澄ましているとルシャンダが何かを伝えようとしていた。


「ルシャンダ?ルシャンダ!」

『ーーでーーます。たすーーーーー』

「聞こえない!なんて言ってんだよ!」


 そしたらぶちっとあっちが切れたようで、俺たちは一瞬顔を見せ合い、そして急げと船へと向かう。ここから島に到着するのはざっとみて三日から四日後だ。

 すぐに駆けつけられないと野良のファンズマが襲いかかってきて、それを倒しながら船に乗り込み、全員いるかは班ごとで確認し合ってもらう。


「ヨウミだけでも先に行けないか?」

「行けるが海にもファンズマが多く住み着いている、我が輩がいなければこの艦船はファンズマに襲われるぞ」

「親父たちと連携が取れていれば親父たちに行ってもらえるが、親父たちも返事がない。ガリシャ、島の様子は見れないのか?」


 この距離からは難しいと言われてしまい、リアたちが無事でいてくれると信じるしかなかった。



 ワイズたちがデッドハラン王国に着いた頃、私たちはワイズたちの帰りを祈りつつ先生たちは子どもたちに軽く鍛錬をさせていた。私は怪我した子たちの傷を癒やしてあげながら、モニター室でハッカークロウに挑み続けているルシャンダにエナジードリンクを渡す。

 ワイズたちが行ってからずっと寝ていないルシャンダで、サーバー対策部のみんなも寝てはいないから、大丈夫だろうかと心配になる。


 これが終わればキアを連れて帰ってくるんだよねとミライを抱っこして、まだ起きないおじいちゃんとティルのそばにいた。ティルを発見した時、一瞬戸惑ったけどティルだとわかり島に運んだ。ティルは黒髪だったのに今は綺麗な銀髪。

 何が起きたのとティルの頭に触れようとしたら、だあとミライが私の指を掴み首を横に振りむうという表情をした。


 ティルに触っちゃだめなのかなと一瞬手を引き、見ているとタングが医務室へと入ってくる。


「ティルどうすっか?まだ目覚めない感じっす?」

「うん。魘されてて、起こしてあげたいんだけど、ミライがだあって叫ぶから起こしちゃだめなのかと思って」

「ミライくんには何かが見えるんすかね」


 ミライは私にしがみついてティルを見ている。するとボンッという音が聞こえ、タングは何かを察知したのか医務室を出た。私もミライを抱っこして、廊下を出ると警報音が鳴り始めて、放送が流れる。


『敵襲敵襲!直ちに戦闘準備をするであります!繰り返すであります!敵襲敵襲!直ちに戦闘準備をするであります!』


 デッドハラン王国の者たちが侵入してきたのとモニター室へ入りルシャンダに確認した。


「ルシャンダ、敵襲って」

「デッドハランの奴らじゃないであります!よくわからないけど不気味な奴が海から出てきてこっちに来ているであります!」


 画面を見るとルシャンダが言ったように羽をつけ、口しかない姿をした人たちがこの島に侵入してきている。するとイルルが水晶玉を持ってきて、報告してくれた。


「ティルをっティルを追い出すんや!狙いがリアとミライなんよ!ギーディスたち呼べへんの?」


 状況が理解できずここにいたら社員やルシャンダたちに危険が及ぶかもしれないとモニター室を出ようとした。そしたら廊下から叫び声が聞こえ血飛沫が半透明の窓ガラスを汚す。

 入ってこようとする人はモニター室をこじ開けようとも、ルシャンダが鍵をかけたようだ。開かないことでどんどんと扉を叩いている。


「リア、こっちであります!イルル、リアたちを守れるでありますか?」

「氷しか使えへんけど、援護するさかい。逃げるで!」


 ルシャンダのゲートで私たちは逃げ、逃げた場所がワガラ都市。けれどそこには信じられない光景を見てしまった。島に侵入してきた化け物がワガラ都市の住民を襲っている。

 イルルは持っていた水晶玉で占おうとするも、見えないようだった。とにかくニューダ社員がいるはずと化け物に見つからないよう動き、ニューダ社に行くもニューダ社はもうなかった。避難場所としていた場所には血飛沫が残っている。ミライにあまり見せられなくて、見せないように違うところへと行った。


 ワガラ都市ともしかしたらカディヴィアも同じ状況になっているかもしれないと、走っていたらツァッセとワファエ団長が率いる団員たちが目の前で化け物に挑んでいた。


「ワファエ団長、ツァッセ」

「おぉリアたち。すまないが話している場合じゃないぞ。がはははは」

「ここはいいからリアたちはできるだけ遠くに逃げろ!」 


 こっちやとイルルに誘導してもらいながら逃げて行き、今度はハイス団長率いる団員たちとネフィラが化け物に挑んでいる。


「ハイス団長、ネフィラ」

「なんでリアたちがいるの?ここは危険だから島に戻って!」

「リア、たくさん話したいことがあるけど、この化け物たちをなんとかしなくちゃならないの!イルル、リアを頼むね!」


 わかったでとイルルに手を引っ張られながら、違う場所へと逃げる。逃げたとしても化け物たちがいて思うように動けなかった。

 ルシャンダたち大丈夫かなとイルルの未来予知で何が起きているのか、先回りしてもらっていると、カディーラ団長が普通に歩いている。


「ねえ、あそこにイルルのお父さん。イルル?」

「ここに来たのが間違いやった。とにかく行くで」


 イルルを先頭にカディーラから離れようとしたら、カディーラに呼び止められてしまった。


「おや、てっきり島にいるかと思いましたよ、リア」

「父上の言葉に耳を傾けるでないで」

「イルル、リアを渡しなさい。イルルを傷つけたくはないのだよ」

「せやったらたわしをやっつけてから行きや!リア、たわしはここで父上を止めておくさかい!きいつけてな」


 狙いが私とミライだということをすぐに教えてくれたイルル。必ず再会しようとハグをして私はミライを連れて逃げた。あちこちからは爆発音が鳴り止まずとも、ミライは泣かずにいてくれている。

 安全な場所はどこなのと周囲を見渡していたら、背後から口を塞がれ引き寄せられた。誰と思ったら静かにとインディが警戒をしている。こっちだと裏扉を開きその中に入って地下に繋がる階段を降りて行った。


 進んでいくとそこにいたのは傷を負ったワガラ都市の住民や負傷者のニューダ社員たちに拘束されているドロップがいる。手当をしているのがウバンで、ウバンと声をかけるとびっくりされた。


「どうしたんだべ?みんなは?」

「島にも来て、それからティルから逃げて来たの」

「そうだったべか。ぼかぁたちはデッドハラン王国の奴らを仕留めた後に変な化け物が出たんだべよ」

「あれはファンズマじゃないよー。ねえねえ、ろも戦えるからこの錠外してよ」


 駄目に決まってるべとウバンはドロップに言っており、インディにミライを預け治癒能力で怪我された人たちを癒していく。ワガラ都市の住民やニューダ社員たちに感謝され、一応ドロップの火傷も治してあげた。


「ドロップのこと好きなの?」

「違う。女の子なんだし顔に火傷はないなって思っただけだよ」


 ふうんとなぜか唇を舐めるドロップで、傷癒さなきゃよかったなと思ってしまう。


「助かっただべよ。インディ、これからどうするべか?戦える人たちはまだ戦っているんだべよな」

「ウバンはここにいろ。治療できる奴はほとんどデッドハラン王国へ行っちまったからな。ここがいつばれるかわからないが、少しは体を休めれるだろう。俺はちょっくら様子を見に行ってくる」


 ミライを私に返しインディは武器を持って地上へと行ってしまい、ウバンと一緒に座り込んだ。


「さっきティルから逃げてるって言ってただべよな?どうしたんだべ?」

「私も正直わからないの。言えるとしたらミライの勘とイルルの未来予知でティルが私とミライを狙ってるとしか」

「そうだべか。ティルに何が起きたのかぼかぁにはわからないだべが、強いていうならある末裔にティルは関わっている気がするだべ。本部の施設にいた頃、図書室で末裔に関する本を読んだことがあるべよ」


 どんなと聞くとウバンは思い出そうとするも、ごめん、思い出せないだべと頭を掻きながら言われてしまった。私はその本を読んだことないからなと思っていたら、ドロップがそれ知ってるよーと言う。


「幻の遺伝子を持つイルラナ遺伝子を持つ子をエルラド族と言って、神の末裔とも呼ばれているの。まあこれ口にしたら危ないんだけどね。後聞いちゃった人も危ないかも」


 それを聞いたワガラ都市の住民とニューダ社員の人たちは、数秒固まりそして地上へと出ようとしていた。


「あはははは。冗談だよ。狙われるのは口にした本人のみ。だから大丈夫」

「なんで教えてくれたんだべ?命危ないだべよ」

「平気。だってさ目の前にエルラド族がいるんだもん。その子と取引させてもらうから。ねえリア」


 私がエルラド族…ノールトじゃないのと固まっていたら、扉がこじ開けられワガラ都市の住民を守るニューダ社員。そしてその前にいるのはぐったりと倒れているイルルを抱えたカディーラと後ろにはあの化け物がいた。


「ここに隠れていたのか。結構な広さでこんな大勢の場に。先ほど言ってはいけない族を呼んだ君を排除しなければならない」

「取引してよ。リアを元々捕まえるために動いてただけでしょ?ならリアと交換」

「もう口に出さないというならリアと引き換えにしてあげましょう。行きなさい」


 化け物七体が私を囲む。


「待って。私を連行するならミライには危害を与えないで、ここにいさせて」

「困りましたね。あのお方からはミライも連れてくるよう言われたのですが、まああのお方なら許してくれます」

「何言ってんだべ!ワイズが知ったらどう思うのか知ってるだべよな!」


 ミライはだあと言っていて今でも泣きそうな顔をしてても、ウバンにミライを託しそのまま抱きしめる。


「ワイズに伝えて。私は必ず、ワイズのところに戻ってくる。何年かかっても前みたいに脱出して、会いにいくから。ミライ、こんなお母さんをいつも癒してくれてありがとね。行ってきます」


 待つんだべとウバンが手を伸ばした瞬間に、私は強い光に包まれ瞼を閉じた。



 三日後……


 ようやく島に着きヨウミはファンズマになって俺を乗せ、ひと足さきに島へと到着しフリジンダ社へと入った。俺は入った瞬間に、吐いてしまって、ヨウミに支えながら状況確認をしていく。

 入っていくに連れ糸に絡まっている社員たちがいて、この先に行ったらとんでもないことが起きているんじゃないかと、足がすくむ。


「社員は死亡しているようだな」

「…うん」


 俺の炎で糸を燃やしヨウミが優しく社員を床のはじに寄せてくれる。リアとミライはと探すもいなくて、モニター室を見ると足が完全にストンと落ちた。

 周りにはサーバー対策部の社員がいてその中央にはルシャンダが糸に絡まっていた。そして壊れた画面に血塗りでデッドエンドという文字があり、俺は思いっきり泣き叫んだ。


「ヨウ…ミ…さん」

「タング!」


 ヨウミはタングを支えごめんっすとヨウミと俺に言い、眠っちまってヨウミはタングを呼ぶも返事がない。

 じいちゃん、じいちゃんはと医務室にいたであろうと思い、行ってみるとじいちゃんの姿はなくあったのは赤い羽根が一枚落ちていた。俺は何も守れなかったとその羽を握りしめ、泣きじゃくると左腕から何かが出て俺の前に出てくる。炎を纏った妖精か何かで、目から炎の涙が一粒、また一粒と流し医務室から出ていった。


 なんだと廊下に出てみると妖精らしい子が死体となってしまった社員たちに炎の涙を流していくと、なんと社員たちが蘇ったのだ。あれと社員たちは驚いており、俺がいることで社長と呼ばれる。

 奇跡しか言いようがねえよと社員にハグをしているとヨウミに呼ばれ行く。そしたらルシャンダたちも息を返し俺は思いっきりルシャンダに飛びついた。


「何が起きたでありますか?和吉、死んだでありますか?」

「ばっかやろう。生きてるに決まってんじゃねえか。リアとミライはどこに?」

「は!逃したでありますが、死んでたと思うので詳細わからないであります…」


 逃した先に捕まったケースがあるかもしれないが、必死にリアとミライを逃がしてくれてありがとなとお礼を告げているとさっきの妖精が戻ってきて俺の肩に乗っかる。


「ヨウミ、これってなんだ?」

「知らぬのか?ギーディスはてっきりワイズに教えているのかと思っていたぞ。その子は炎魔と言って、ヴィアント家に仕える火神のような存在だ」


 全然知らなかったなと炎魔に触れると左腕に潜っちゃった。照れ屋さんなのかなと思いながら、ルシャンダは隠しておいたタブレットは生きているようで、リアとミライを探してもらう。

 その間にサリラを呼んで一応診察してもらい、帰還した幹部をかき集め、何があったのかルシャンダとタングに話を聞くことになった。

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