第五話
「かわいそうに、あれはカテゴリー6クラス1魔法。ツリヲネットーーー」
男の背後に合わられたのはゴブリン達。
一般的にゴブリンというのはモンスターであり、虐げられる存在であるがこのエルフレート王国の
ゴブリン達はエルフ達に危害を加えるどころか皆ある程度のコミュニティがとれ、
極めて理性的な行動を取るなんら無害の存在であった。
いわば独立した種族の一つであった。
しかし、今その顔は皆悲壮に溢れていた。
「ウウウウウ・・・タ・・・タス・・」
一人のゴブリンが王女の姿を見て一筋の涙を流す。
「きもっーーーもとい、なんてことを・・・」
「王女本音出てるホンネ」
「そういえば周りの水着エルフも」
顔は嫌そうにしているが明らかにはしゃいでいる水着エルフ達も目を凝らしてみれば細い釣り糸のようなものが
肩から空へとあちこちに伸びている。
「そういう・・・」
「さぁきさんらも仏の見心のままに・・・きぇいいいい!」
ムドウは手の持った数珠を頭に載せ、詠唱呪文を唱えた。
しゅおおおおお!
風切音と共に無数の糸が空から伸びて三人に襲い掛かってくる。
「はっ!馬鹿じゃないの?こんな低魔法にかかると思ってーーーおいいぃぃ!」
「す、すまん。こんな初歩的なま、まほっ、おほ、おほっ!おほぉぉおおお!」
「いやぁ、馬鹿な人もいるもんだねぇ、あ、王女だった」
二人が華麗に避ける中、プラプラだけは空から伸びてきた無数の糸に絡まり、身体のあらゆる肉付きのいい場所が
むちむちの真のライ〇っプと化していた。
「おほぅ!--ムウ、仏の加護を受けんとは・・・不届き千万、なんというじゃじゃ馬娘」
「じゃじゃ馬とは失礼なマジカねっ」
「そ、それに私達は精霊がついているんだから仏という概念はちょっと受け入れがたいんだよね」
二人はついている腕輪を回して魔法を詠唱し始めた。
「プラプラが晒し物になっているうちにとっとと仕留めるわよ」
「まったくめんどうだなぁ・・・」
二人の詠唱が終わり、腕輪から凄まじいつむじ風が巻き起こる。
「カテゴリー2クラス3!」「ウインドーウ!!」
「ムダムダムだ、ムダァ!」
ムドウはゴブリン達を操り壁を作ってウインドーウを防ぐと、何と同じようにウインドーウを唱えた。
「何とっ!?」「マジか?!」
二人は急いで腕輪で防御壁を形成し、魔法を防ぐが弾かれた魔法はエルフ達の”水着だけ”を都合よく切り裂いた。
「きゃぁああああああ!」
「えええぇぇ・・・まさにマジかだよ・・・」
「これで肌の一つにかすり傷一つもつかないんだからある意味才能だわね」
「ふははははっ・・・ムダ無駄ムダァ、ムダァ!!」
ムドウは奇抜な立ちポーズを取って顔をニヤリとさせた。
「いやぁオッサンがやってもなぁ・・・」
「こういうのは金髪のロールくせっ毛スタイル抜群がやるもんだよね”無駄無駄ぁ”って」
ムドウの気持ち悪さに思わずげんなりする二人。
もちろん裸になったエルフ達など眼中にない。
「今度はしくじらん・・・神の怒りをしれぃ!」
「仏はどこ行った・・・」
ムドウがぶつぶつうわ言のように再び詠唱する。
「きえぃ!!」「な、なにぃ?!」
「おほぉお!」
二人の前に晒しだされたのはM字開脚したプラプラだった。
スタイル抜群にもかかわらずあどけなさの
抜けない顔から放たれたM字開脚は明らかにコンプライアンス違反である。
「ほ、ほ、ほ、ピ、ピコピコ、メソメソ、私に構うなっ・・・敵を撃て!」
「うん、そのつもり」
「めっさーつ!」
二人は間髪入れずにプラプラに向かって詠唱魔法を放った。
「行間も空けずに・・・ほほぉおおおおぉぉぉおお!」
「き、貴様っーーー貴様に信仰は無いのかぁ、うごぉおお」
プラプラの叫びと同時にムドウは衝撃波を受け、地面に伏した。
「ま、少なくとも王女に信仰心は無いわね・・・」
「今回は回り吹き飛ばさなくってマジ良かったわ」
二人の安堵する表情の先は丸裸になって滝つぼに落ちるプラプラの姿があった。
「・・・ふ、ふふふ。武闘派でもある私が、この程度でーーーー?!」
ボロボロになったムドウが顔を上げた時、周りには大きな葉で色々なところを隠したエルフやゴブリン達が仁王立ちして
ムドウを睨みつけていた。
「な、そんなまさかっ?!」
ムドウの台詞にピコピコは自信ありげに告げる。
「あんたの魔法弾いたときに狙いをつけてエルフ達のツリヲネットの糸を切ったのよ。
舐めないでよね、これでも成績はトップなんだから・・・まあ例外はいるけど」
「ムドウ・・・カクゴ・・・オレタチ・・・カルターーキレてる」
ゴブリン達はその屈強な体でムドウを足から持ち上げた。
「ちょまてよっ!まって、まてぃ!・・・お願いちょっとまーーー」
「待つかぁ!!!」
恐ろしきゴブリンとエルフ達の逆鱗に触れてしまったムドウの叫びが滝のはざまに響き渡った。




