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第14話


「ったくどこで油売ってんだかあの王女は?!もう開店時間は過ぎてんのよっ!!」

前日の噂を聞きつけ、既に王家の塩焼きそばを求めて長蛇の列ができている海の家では

既にピコピコが調理に追われていた。

「う、うーん。何となくだけど、エロゲ的な展開とか?」

「メソメソ、あんたもプラプラみたいに”おほぉおお”とか言ってみたい?」

ピコピコは忙しさのあまり余裕もないのかメソメソにけしかける。

「い、言いたくないですっ。てか目が本気だしぃいいい!!」

メソメソはピークを待たずにして既に涙目だった。

その時、海の家の外が何やら騒がしい事に一同は気づく。

「?? 何事?!」

テーブルについていた客も次々と様子を見に外へ出て行くので二人もついていった。


「え、嘘でしょ!?」

「ま、マジか・・・あれが、王女の言ってた蟹なの・・・」

動揺する一同の前に現れたのは空飛ぶ蟹。そしてその上には例のブーメランパンツフロン兄弟と

あらぬ縛り方で柱に括り付けられているプラプラだった。

「やあ、王女の取り巻き達。見ての通り王女はーーー」

「ちょっと待ったぁ!!!そ、それはコンプライアンス的にヤバすぎるんじゃないの?!」

「わ、私もそう思うっ。これって異世界で言うところの”地上波なら放送事故”っていうんじゃない?」

観客たちが騒めく。男エルフは歓喜の声を上げ、女エルフは顔を赤めらせている。

ほぼ半裸のというか全開の姿にひものような布切れ、それを要所要所にひっかけているだけである。

それはある意味ボンレスハムの様でもあった。

「に、兄さんっ」「・・・うむ、パフォーマンスを兼ねているとはいえ少々やりすぎたようだ」

兄弟は少し耳打ちし、兄のジャギアは幻影魔法をプラプラの前にかけた。

所謂モザイク的なものである。

「いや、余計ヤバいでしょあれ」

「すごっ、投影魔法で拡散しよ・・・」

もはやビーチ一帯は大撮影会と化した。

やがて投影魔法を紙に焼き付け、一枚・銅貨数で売る者。

”裸体焼き”と称して商いを始め、露店を立ち上げる者。

もはやビーチに関係なくイベントを始める者。

混乱に乗じて痴漢を働くものまで現れた。

気が付けば既に警備員まで交通整理に追われていた。

その陰に例の会長がいたのは言うまでもないのだが。

「はいはい、王族印・元祖塩焼きそばはこちらですよ!!」

「ち、ちゃんと列に並んでっ。いま購入制限で3皿までですよぉー」

もちろん、この二人も何ら気にすることなくこれチャンスと言わんばかりに商売に熱を入れていた。

「ちょっと待てっ!仲間を見て何とも思わないのか!」

「か、仮にも王女だぞっ?!」

フロン兄弟はあまりの反応の無さに唖然とした。

「そんなの日常茶飯事よ。見てなさい、もうすぐ”ぬほぉお”とか”おほっ、ほおぉお!”とか恐ろしいこと言いだすから」

「そ、存在が18禁なんだよね。ほら、キャラ設定見ただけで”ああ、そっち系の”みたいな」

「わかるー」

二人はそんなプラプラを見て思わず吹き出していた。

「・・・は!そ、そんなこと言っていられるのも今のうちだよ」

「オルガンよ、一度この者たちに思い知らせてやるといい」

「わかったよ兄さん」

オルガンは不敵な笑みを浮かべると腕を振りかざすと”明日太郎”の甲羅の一部が割れ、コクピットなるものが

姿を現した。

ギャラリーたちが新しい見世物と勘違いし沸き立っている。

「ふんっ、ぼくたちの事を異世界から来た”マジカ”とか言ってるみたいだけど、お前らが見てきた変態だけでは

無いってことを教えてあげるよ」

「!? あいつらマジカなのか?!」

「い、いや最初から解かり切ってるでしょうに。ピコピコもたまにボケるよね」

「嫌よねー歳はとりたくーーーヤバいっ!?」

どうでもいいやり取りもつかの間。

ピコピコは不穏な空気を一瞬にして感じ取り、メソメソを抱えて飛んだ。

「いくよっ。カテゴリー13、レベル1!」

オルガンは握っている操縦桿のトリガーのカバーを跳ね上げた途端、プラプラが発光し始めた。

「んんっ・・いやっ、いやっ、お、お、おおぉぉおぉぉぉん!!!」

メソメソから放たれたエネルギーは明日太郎へと流れ込み、

満充電になったとき甲羅の両肩部分が開いてキャノン砲が現れた。

「う、嘘でしょ!?プラプラのデタラメ魔力を利用してるの?!」

「みんな逃げてっ!!バカンスしてる場合じゃないわ!」

ピコピコが大声で叫び、避難を促すが既に明日太郎の見るからにヤバそうなキャノン砲はうなりを上げ、

発射準備を完了していた。

「いけオルガンよ!」

「プラゾニック砲、発射ぁぁぁ!」

ドォオオオオオオオオオオオン!

「マジかーーーーーーーーー!」


凄まじい威力だった。

海は割れ、露店は軒並み吹き飛び、山は削れ、なぜか水着の女エルフは皆水着がはじけ飛んだ。

勿論、渦中のプラプラも全裸になってしまったため彼方より飛来したコンプライアンス委員会がその場を抑えることになった。

委員会が到着した時には既にフロン兄弟の姿が無く、代わりに一枚の手紙をピコピコたちに残していた。

「ピ、ピコピコなんて書いてあるの?」

「王女を返してほしくば、王国の女王ブラミールを連れてくるように。

場所はーーーなんてこと」

ピコピコは思わず口を押えた。

地面にひらりと落ちた手紙を拾い上げてメソメソはまた半泣きになってしまった。

「ば、場所は・・・ロッコ・D?!ロッコ・D峠の山頂?!あの不良たちのたまり場の?!やだぁ!」




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