第八十一話 収納鞄を渡そう2
後ろを振り返ると街から戻ってきたサナがいつの間にかドアのそばに立っていた。
「おかえり!」
僕は、笑顔で言った。
「今の、テティス?」
「うん、収納鞄ができたんだけど、渡し方に困っちゃって。だから空間移動やってみた。」
「ほんとに、規格外」
サナはポツリと評価して、机の上の鞄に目をやる。
「サナの分もできてるよ!はい!」
僕は並べられた収納鞄のうちの一つをサナに渡す。
サナはありがとう、と言うと、収納鞄の中を見たり、実際に肩にかけて一通り確認してから
「完璧。さすが。」
とだけ言った。
やっぱり僕は少しだけむず痒い感覚に襲われる。
そのあと、残りの鞄を持って部屋を出る。
ガイアには普通に渡せばいい。
ガイアの部屋。隣。
ノックすると、少し間があってから開く。
「お、リオ」
「これ、ガイアの分」
「え、マジで?もうできたの?」
受け取って、ひっくり返すように見る。
「ほんとに作ったのかよ」
「うん」
「……すげえな」
ぽつりと漏らす。
そのあと、軽く笑う。
「ありがとう、めっちゃ嬉しい。でも、壊しても文句言うなよ?」
「壊さないでよ」
「気をつける!」
全然信用できない返事。
でも、やっぱり僕はどこか嬉しい気持ち。
部屋に戻ってしばらくすると壁越しにガイアの声が聞こえてくる。
「やっば!めっちゃ入る!やっば!!」
自己満足だけど、僕はとても気分がよかった。
僕も自分の荷物最終確認し、収納鞄に詰め込んでいく。
それからいつも通り寝るまでの支度をしてベッドに横になる。
ワクワクするような、ソワソワするような今までにない感覚。
その夜はなかなか寝付けなかった。




