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第四十七話 テティス・フォンティーヌ
温かい風が吹いている。
テティスは振り向かない。
「帰んねぇの?」
「……うん、ちょっと。ごめんね、先に帰ってていいよ。」
ガイアはテティスの側にきて質問する。
「難しいか?」
「……うん」
テティスは素直に頷き少し笑いながら答えた。
「大丈夫、いつものことだし」
ガイアが少しだけ黙る。
少し離れたところでサナが寝転がっている。
サナは遠くを見つめながら言う。
「まぁ、いいんじゃね」
ぼそっと言う。
「は?」
ガイアが振り向く。
「何がだよ」
「できなくても。別に死ぬわけじゃないし」
「いやクラス落ちるだろ」
「それも別に。死ぬわけじゃないし。」
サナは興味がなさそうにあっさり言いきった。
「……お前なぁ」
テティスは小さく笑う。
「サナらしい」
でも、少しだけ、そんな軽さが救われる。
リオが続けていう。
「3週間あるよ。今日できなくても、明日できるかも。だから今日は終わろう?」
テティスは少し考えて納得したようだった。




