第三十一話 初めてのクラス(1)
Aクラス。
教室を開けると、すでに教室に入っていた他の子たちが僕の方を一斉に見て一瞬鎮まり返った。
ライルは教室の片隅でピンクの髪を三つ編みに編んだ女の子と話をしているようで、少しだけこっちを見てまた話に戻っていった。
そうしているうちにすぐに教室の中にいたうちの1人、薄い水色の綺麗な髪を、肩がつくくらいの長さに切り揃えた女の子がこちらに近寄ってきた。
短くてもそのサラサラとした髪が小さく揺れる。そのキラキラした瞳はまるで吸い込まれるように深い碧色で、その大きな瞳にくっついた長いまつ毛がパチパチと開いては閉じる。
「ねぇねぇ!灰色の君!同じクラスなんだ!よろしくね!」
「あ、うん、よろしく。」
リオは人生でこんなに好意的に話しかけられたことがなかったのでとても驚き、正直どう反応していいのかわからなかった。
「私、テティスっていうの。テティス・フォンティーヌ。あなたの名前を聞いてもいい?」
「あ、リオだよ。ただのリオ。」
「リオ、よろしくね!たぶんあなたでAクラスは最後の1人よ。講堂で名前を呼ばれたとき、全員で9人だったもん。私こっそり数えてたんだぁ」
「あ...そうなんだ」
そうしてしどろもどろ、この女の子と話をしているときに間に割って入る声がした。
「ところでお前、入試試験何位だった!?9位?あ、俺はガイア・ブラッカーっていうんだ。よろしく。」
そう横から聞くのは肌が赤褐色で肌色の髪と目をした大きな男だ。筋肉質で鍛えられているのがわかる。頬にはうっすらと斬られたような古傷がある。
気さくな感じでとっつきやすい雰囲気だ。
「あ...えっと、順位は書いてなくて...」
「順位が書いてない?お前、ほんとにAクラスで合ってるんだろうー...」
「もー、やめろよガイア。そう人のプライバシーに首突っ込むもんじゃねーぞ。」
また横から口を挟んできたのは薄い黄緑の髪に深い緑の目をした男だ。
机に座っていても背が高いのがわかる。二重で顔が整っていて、イケメン、という言葉がよく似合う。
「そうか!プライバシーか!!それはごめんな!!俺そういうの疎くー...」
ガンッ!
ガイアという男が少し大きい声を出したとき、扉が勢いよく開いた。
「うるっせぇなぁ」
低く、よく通る声。
一瞬で、空気が変わる。
入ってきたのは――
一人の若い女の人だった。
黒が所々混じった緑の長い髪を無造作にかきあげた鋭い目つきがこちらを睨む。
この人も綺麗な緑をした瞳だ。
だが、整った顔立ちは思わず目を引くほど美しい。軽装に近い教師服。そのシルエットからスタイルの良さがわかる。
...胸も、大きい。
思春期まっただかな僕たち男にとったら驚異的な破壊力だ。
ただ、片手には酒のようなものを持っていた。
...真昼間から教師ってお酒呑んでいいの?
しかしそれをも言わさず圧倒的な圧。
ただ立っているだけで、わかる。
……強い
リオの目が、わずかに細まる。
女は教卓に腰を軽く預け、クラスを見渡す。
「今日からお前らの担任だ」
一拍。
「リーバ・ボレアスだ。よろしく。」
彼女は面倒くさそうに頭をかく。
そして、次の瞬間。
ヒュン
誰にも見えない速度で、空気が揺れた。
バンッ!!
教室の後ろの壁に、小さな切り傷が走る。
誰も、何が起きたかわからない。
ただ一人を除いて。
……風
リオだけが、わずかに反応する。
今の、魔法か?いや……
詠唱も、魔法陣もない。
流した……?
リーバの目が、一瞬だけリオを見る。
ニヤッと、口元が歪む。
「……へぇ」
小さく呟く。
すぐに視線を外し、全体に向き直る。
「お前ら、勘違いすんなよ」
声が低くなる。
「教師が女だからって舐めてみろ。その時はお前らを地獄に落としてやる。そして、Aクラスだからって、特別扱いなんかしない。むしろ逆だ」
空気が張り詰める。
「落ちこぼれは、容赦なく切り捨てる」
シン、と静まる教室。
「ここは、“強いやつだけ”が残る場所だ」
誰も息をしない。
彼女は腕を組み、フフンと笑う。
「死ぬ気でついてこい」
一瞬の沈黙のあと――
ゴクリ
誰かが息を呑む音がした。
彼女は満足そうに頷く。
「よし、じゃあ――」
「軽く実力見せてもらうか」
教室がざわつく。
「今から外出るぞ。全員、魔法準備しとけ」
ニヤリと笑う。
「逃げ場はねぇからな」
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