第二十三話 王立魔法学院入学試験(1)
この国には一つだけ、特別な学校がある。
王立魔法学院。
魔法を扱う者たちが集まり、学び、鍛えられる場所。貴族の子供、騎士の家系、優れた魔導士の家系。
国中から選ばれた者だけが入学できる。
学院では魔法理論、戦闘術、魔物討伐、魔法陣学などを学び、卒業すれば騎士団の魔導士や宮廷魔導士になる者も多い。つまり――国の魔導士を育てる学校だ。
そんな場所に、僕は今立っていた。
巨大な門の前、高い石の壁。その奥には塔のような校舎がそびえている。広い訓練場、整った庭、たくさんの人。受験者だろう、僕と同じくらいの年齢の少年少女が集まっている。
彼らは豪華なローブや刺繍の入ったマントを羽織い、各々家紋のような刺繍が施されていた。
明らかに貴族の子供が多かった。僕は少し自分の服を見る。森で修行していた時の動きやすい服。少し古い。そのときだった。
「……なんだあいつ」
声が聞こえた。
「田舎者?」
小さな笑い声が広がる。
「見ろよ、魔法学院に通うのに、剣なんか持ってるぜ。それに剣も安物だ」
僕は何も言わない。こういう視線には慣れている。孤児院の頃からずっと、だ。
剣はヴァルクからもらった。少し古い長い剣。
太さはあまりないが、それでも切れ味は抜群で僕は満足している。
僕はモノの価値をあまりわからないが、たぶんこれは僕にとって価値のあるもの。ヴァルクが1番僕にとって良いものをくれたと思ってる。
手に馴染むのがよくわかった。
他の人たちは剣を持っている様子はなかった。
しばらくて試験官らしき人の声が響いた。
「入学試験を受ける者は前へ並べ」
僕たちは広場に並ぶ。人数は五十人ほどだろうか。その人が言う。
「これから入学試験を行う。試験は三つ。一つ目、魔力量測定」
広場の中央に大きな水晶が置かれた。透明な水晶で人の背丈ほどある。
試験官が説明する。
「この水晶に手を触れろ。魔力量を測定する」
受験者が順番に前へ出ていき、水晶に手を置く。
すると各々光が出る。
赤、青、緑。様々な色が輝き周りがざわめく。
どうやら輝きが強いほど魔力量が多いようだ。
「おお」
「結構あるな」
そして僕の番が来た。後ろから声が聞こえる。
「ほら来た」
「田舎者の奴」
「灰色の目だ」
「灰色って魔力あるのかよ?」
くすくす笑いが広がる。僕は水晶の前に立つ。
深く息を吸い、手を置く。
大丈夫。僕はずっと鍛錬してきたんだから。
きっと、その努力は報われるはず。




