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崩壊した世界でみんなで楽しく生きていく〜サバイバル〜  作者: 伊右衛門


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対決編2

○偵察していた佐藤くんから出来るだけ詳しい話を聞く。

敵の総数は約300名。

そのほとんどがボウガンなどで武装しているそうだ。


狩りグループを率いていたおっさんの話だとあの集落の狩人は約400名。

「ふん、あとの100人は町の護衛だな」

集落を空っぽにする程、バカじゃないか。

「どんな感じで歩いてたの?ばらばらで?纏まって?」

「列を組んで歩いていました」

佐藤くんの答えを聞いてマスターの顔が厳しくなる。

「一応、行軍の基礎は出来てるみたいね」

手強い相手のようだ。


「ご苦労さまでした。すいませんがすぐに戻って玲子くんたちに指示を伝えてください」

「はいっ」

佐藤くんはさとるさんから指示書を受けとるとすぐに駆け出していった。

指示書にはすぐに基地まで撤退するようにといくつかの注意点が書かれている。

ライカンスロープの移動速度なら追い付かれる心配はないだろう。

玲子が暴走しないといいけど・・・

まぁ、今のあいつなら大丈夫かな。


敵が出陣したのを聞いて大先生が全員を集める。

「さて、ついに来たようじゃな」

これ以上待つと雪が積もるかもしれない。

そうなると春を待つしかないのだが、春は春で作物の植え付けなどで忙しい。

向こうにしても今を逃したくなかったのだろう。

戦国時代初期の戦も農閑期に行われる事が多かったそうなので、同じ理屈なんだろう。


「みなさん、今回は厳しい戦いになるでしょう」

さとるさんの言葉にみんなの顔が引き締まる。

「この戦いは変異した者がヒトとして認められるか否かを問う戦いです」

この戦いに負ければ少なくとも変異した者は殺されるだろう。

「ですから、変異が少ない人たちはこの戦いから逃げる事も出来ます」

彼らがいう人間なら見逃してもらえるかもしれない。

だが、さとるさんの言葉に動揺する者はだれもいない。

「ありがとうございます」

さとるさんがみんなに頭を下げる。


今から数日後、遅くても10日後にはオレは戦いの場に立っているだろう。

それなのにオレの心はえらく静かだ。

いや、静かってのとも違うか。

皮膚の下、皮一枚下でなにかが蠢いているのを感じる。


「・・・優子さん、戻って来ませんね」

ちょっと顔色の悪い香織さんがオレにそっと語りかける。

予定ではすでに戻ってる時期なのに、優子さんはまだ帰って来ていない。

「まぁ、今は戻って来ない方がいいよ」

優子さんも明らかな変異者だ。

もし、オレたちが敗れれば優子さんも殺されてしまう。

「・・・そうですね」

香織さんが静かにうなずく。

「香織さん、大丈夫?」

香織さんの目の下にはくっきり隈が出来ている。

「あんまり寝ていないので・・・」


今、一番忙しいのはおっさんたちと香織さんだ。

洋裁の得意な香織さんは現在、工房の作業を手伝ってる。

ほとんど寝る間も無い筈だ。

「でも、大丈夫です」

香織さんが微笑む。

「戦いが終わったら、ヤりまくろうね」

香織さんの耳元でそっとささやく。

「・・・はい」

顔を赤くして香織さんがうなずく。


「よし、ちょっと動いてみろ」

おっさんの指示で軽く身体を動かす。

動くとがしゃがしゃ、金属音がする。

ちょっとうるさいけど、動くのに支障はないな。

「うん、大丈夫だ」

おっさんはオレの言葉にうなずく。

「よし!」

「やりましたね」

おっさんとアキラががっちり握手する。

オレは現在、工房で鎧の最終調整を受けている。

オレが一番最後になってしまった。

「おっさん、よく間に合ったな」

半分、諦めてたよ。

「てめぇの鎧は全部特別製だから、手間がかかったんだよ」

おっさんはオレの鎧を仇を見るように睨み付ける。

他のギルドメンバーの鎧はある意味既製服のようなサイズがあったのだが、オレの鎧は既成サイズでは作れなかったそうだ。

「だが、その分鉄板は他の鎧の3倍はあるぞ」

「けど、そんなに重くないぞ」

全身に重さが分散しているからか、それほどの重さは感じない。

「ワシには、それを着て動けるのてめぇの方が信じられんがな」

アキラの説明によると総重量100キロ近いらしい。

他の鎧の10倍近い重量だそうだ。

へえ、そうなのか。

オレは着ている鎧を見てみる。

「しかし、おっさん、外見に似合わん程センスがいいな」

おっさんの作った鎧ははっきり言って、かなりかっこいい。

ギルドメンバーにも大好評だ。

内心、バケツかドラム缶みたいな鎧を想像していたオレはものすごく驚いた。

「ふんっ!第一次ゲーム世代を舐めんな」

そう言うおっさんの耳が少し赤くなっている。


「まぁ、アキラとあの姉ちゃんのおかげなんだけどな」

おっさんは工房に掛けられたカーテンを指差す。

カーテンの向こうでは香織さんが眠っている。

香織さんは工房に泊まり込んで作業を手伝っていたのだ。

「おめぇの嫁さんらしいな」

「まぁね」

オレは胸をはる。オレの香織さんはスゴいだろう。

「大事にするんだぞ」

「当たり前だろ」

香織さんは工房で鎧の下に着る服や寒さ対策の為、鎧の上に着込む服を一手に作ってくれたのだ。

今ある服を元に改造したにしてもすごい数だっただろう。

「今日はゆっくり部屋で休ましてやれ」

「あぁ」

眠っている香織さんを毛布ごと、そっと抱き上げる。

よっぽど疲れているのか香織さんは起きない。

「それじゃ」

「あぁ、またな」

おっさんが開けてくれた工房の扉をくぐる。


香織さんをそっとベッドに下ろして、オレは手紙を書く。

手紙というか指示書、嘆願書かな?

渡すのは玲子。

宛名は島の若社長と島に居る優子さんだ。

いよいよとなったら玲子に香織さんと美咲ちゃん、ゴンを守って島に逃げてもらうつもりだ。

あいつなら三人を守って島まで逃げられるだろう。

この件は誰にも話していない。

本人たちにも、さとるさんたちにもだ。

島にはまだ優子さんが居る。

香織さんと二人、美咲ちゃんとゴンを育ててくれるだろう。

玲子が大人しく言うことを聞いてくれるか不安だが、いざとなれば力ずくでも従ってもらう。

おばかで手のかかるやつだが、玲子はいいやつだ。

あいつにも生き延びてほしい。

書いた手紙を苦労して鎧の上に着る予定の服に張り付ける。

これでよし。


眠っている香織さんの邪魔にならないように愛用の槍を持ってベランダに出る。

河原で拾った砥石代わりの石で槍の穂先を削るように擦っていく。

元々、オレの槍に鋭い刃はついていない。

先端を少し尖らせればいいだけだ。

ごりごりと石を擦り付ける。

少しだけ輝きが増した穂先を確かめる。

乱戦になれば鋭い刃よりこちらの方が役に立つだろう。

ごりごり

ごりごり

暗くなるまでオレは穂先を削り続けた。


「緊急報告!」

早朝、玲子たちが基地に飛び込んで来た。

みんな、無事だったみたいだな。

走り続けて来たのだろう。みんな少し疲れているようだ。

「偵察、よくやったな」

玲子の頭をやや乱暴に撫でる。

「へへっ」

玲子がうれしそうに笑う。

こいつも生かさなきゃな。


「報告をお願いします」

さとるさんの声で玲子の表情がしゃんとする。

「はい。敵はおそらく明日の夜か明後日の朝にはここに着くと思われます」

「敵の現在位置は分かりますか?」

さとるさんが地図を広げる。

「現在、この道を進行中です」

藤井くんの指が地図を指す。

「よく知らない土地で夜間動くとは思えないから、明後日の朝にここに来るわね」

玲子の予測は的確なようだ。

「ご苦労さまでした。指示はうまくいきましたか?」

「はい、敵が進行中の道周辺の変異者は隠れている筈です」

敵が人間の国を望むなら変異者以外に手出しをする可能性は低いだろう。

あくまで可能性だが・・・

「ありがとうございます。ひとまず、休んで疲れをとってください」

「大丈夫です」

玲子はそう言ったが強引に休ませる。

「おまえたちにはやってもらわなきゃいけない事があるんだよ」

今回はライカンスロープくんたちに頼りっぱなしだな。


翌日、回復した玲子と藤組を基地の横の空き地に連れていく。

「・・・なんです?これは?」

藤組は巨大な鉄の固まりを見て驚く。

「まぁ、人力戦車ってとこかな?」

見た目は分厚い鉄板で覆われたでかい箱だけどね。

「これを押していくんですか?」

いくらなんでもそこまで無謀じゃないぞ。

「中に入れるんだよ」

オレは後部の扉を開ける。

「あっ、タイヤがついてる」

「タイヤが無いと動かないだろ」

「この穴はなんです?」

「ボウガンを撃つ為の銃眼」

「この棒を掴んで押すんですか?」

「そのとおり」

オレは質問に一つ一つ答えていく。

さとるさん設計、おっさん作の人力戦車だ。


「これのいいところはこっちが一方的に攻撃出来るってところなの」

一緒に着いてきたマスターがボウガンを構える。

「見ててね」

マスターが至近距離からボウガンを発射する。

カンッ!

マスターが放ったボウガンの太い矢が装甲にはじかれる。

「それに重量が半端じゃなくあるから、人間にこれをひっくり返す事はほぼ不可能」

これをひっくり返すのはオレにもキツい。

「つまり、移動式の砲座にもなるんですか?」

藤井くんの言葉にうなずく。

「でも、囲まれたら危ないんじゃ?」

「あたしや真人ちゃんが外からも攻撃するわ」

「それじゃ、アニキが危ないじゃないか!?」

戦車の回りをぐるぐる見ていた玲子が大きな声をあげる。

「だれかが外で守らないと危ないだろ」

鎧の分厚いオレが適任だ。


「んじゃ、わたしも一緒に守る!」

「却下します」

「なんで!?」

「おまえの鎧が出来てません」

獣化してサイズの変わるライカンスロープの鎧は用意出来なかったんだよ。

すまん。


「んじゃ、わたしは?」

「玲子ちゃんはあたしと一緒に動いてちょうだい」

狩りが得意な玲子は弓も上手い。

玲子はマスターと遠距離から戦車を守ってもらう。

「これってぼくたちに動かせるんですか?」

「・・・四人なら動かせるだろ?」

試したけど、オレ一人でもなんとか動かせたぞ。

「どうでしょうか?」

藤組が不安そうに顔を見合わせる。

「・・・試してみてくれ」

彼らに動かせなかったら作戦の大前提が崩れてしまう。


「せ~のっ!」

中に入った四人が力を合わせて戦車を動かす。

ずるすると戦車が動き出す。

「う~ん、真人ちゃん一人で動かしてる時よりゆっくりしてるわね」

まぁ、動いたからいいじゃん。

「足も合わせて動かせよ!」

一緒に中に入った玲子が指示を出す。

「「「「はいっ」」」」

「あっ、早くなったわ」

巨大な鉄の箱が動き出す。

玲子は藤組の指示に関しては巧いな。

戦車は人が歩くぐらいのスピードで動き始めた。

これならなんとかなりそうだな。


「玲子ちゃんっていい子よね」

マスターがオレを見つめる。

「あぁ」

「生かしてあげないとね」

「あぁ」

「任せて」

マスターがオレの肩を叩く。


「来たな」

道の向こうから人の列がこちらに向かって来る。

「ちっ、あのガキ偉そうにしてやがる」

敵を見たおっさんが唾をはく。

「ワシも戦わせろ!」

「その手じゃ無理だろ」

おっさんの左手では戦いは難しい。

「クソッ!」

おっさんは地団駄踏んで悔しがる。


「わたしがなぜ後方待機なんです?」

「本部の護衛が必要だから」

香織さんがオレを睨む。

本部には美咲ちゃん、ゴンや友美さんなど戦闘力の無い人が残っている。

そういった人たちを守る人が必要だ。

「やっぱり、わたしも前線に出ます!」

「だ~め。決まった役割を果たさないと混乱するわよ」

マスターが香織さんを嗜める。

あんがと。


基地から500メートルほど離れたところで敵が横に広がる。

前列が膝を付き、後列が立ったまま並んでいく。

「ふ~ん、突撃はしないのか」

それをされる方がいやなのでありがたいけど。

「けっ、キレイに戦いたいんだろ」

おっさんの予想通りだな。


おっさんや香織さんに基地内へ退避してもらう。

それを確認してさとるさんがうなずく。

「では、こちらも動きましょう」

さとるさんの声で巨大な鉄塊が動き出す。

ライカンスロープは耳がいいから指示が楽だな。

巨大な鉄の塊が動くとは思ってなかったのか敵がざわめく。

後方に立っている青年が必死に宥めているようだ。

「このまま、まっすぐに進んでください」

敵中央を目指して巨大戦車がゆっくり進んでいく。

オレは戦車の右、さとるさんは戦車の左を付いて行く。

オレはおっさん特製の鎧に身を包んでいるが、さとるさんは天然装甲なので鎧は着ていない。


戦車の後ろを付いて来ていたマスターや玲子、京子さんなど20名ほどが長距離援護部隊として塹壕に入っていく。


「来ますよ」

200メートル程まで近づいた時、敵からボウガンが放たれた。

約300本のボウガンの矢がこちらに飛んでくる。

ゴウッ

唸りをあげて飛んできたボウガンの矢が戦車に当たる。

ガンガン

音を立ててボウガンの矢が戦車の装甲にはじかれる。

大半が戦車を狙っているがこちらにも20本以上の矢が飛んでくる。

ボウガンの矢がこちらに向かって来るのが見える。

「へたくそがっ!」

飛んでくる矢の中で身体に当たりそうなのは半分も無い。

槍を振り上げて飛んでくる矢を打ち払う。

4本の矢が振り上げた槍で砕かれる。

振り上げた槍を先程以上の速度で振り降ろす。

さらに3本の矢が槍で砕かれ2本の矢が風圧で軌道を変える。

2本の矢が身体を掠め、残った1本が鎧に当たりはじかれる。

「さとるさん、大丈夫ですか?」

向こうにも矢が飛んでいった。

しかし、さとるさんは天然装甲ですべてはじいてしまったようだ。

相変わらず、すげぇ装甲だな。


「接近します!」

さとるさんの声で戦車がどんどん進んでいく。

敵からボウガンが撃ち込まれるが戦車の歩みは止まらない。

戦車の装甲は全ての矢をはじいているようだ。

しかし、接近するほどこちらは大忙しになっていく。

槍だけでは間に合わないので手甲に包まれた腕も振るって矢を叩き落とす。

接近した為に矢の速度と威力が上がっている。

「ぐっ」

叩き落とし損ねた矢が肩に突き刺さる。

鎧のおかげでそれほど深く刺さらずにすんだがこのままではじり貧だ。

オレたちがボウガンの雨の中を接近していくので敵の隊列が徐々にへこんでいく。


「止まれ!」

さとるさんの号令で戦車が歩みを止める。

敵との距離はすでに100メートルも無い。

「攻撃開始!」

さとるさんが戦車を叩く。

戦車の銃眼が開きボウガンが出てくる。

「構え!」

戦車内にいる田中さんの号令がオレの耳にも聞こえる。

慌てて銃眼が無い角に身を寄せる。


オレとさとるさんが射線から外れたとたん、

「撃て!」

田中さんの号令と共に戦車からボウガンが放たれる。

「ぎゃっ」

「あぐっ」

悲鳴と共に敵が倒れていく。

「構え!」

「撃て!」

こちらのボウガンの方が発射速度が早い。

敵がボウガンを構える前にどんどん矢が撃ち込まれる。

その度に敵が倒れていく。

敵は前列も立ち上がり後列とごっちゃになっている。

そこに田中さんの号令で容赦無く矢が撃ち込まれる。


「接近!接近するんだ!接近すれば矢が通る!」

青年の声で敵が怒号をあげて、突っ込んでくる。

接近しても矢は通らないと思うが、銃眼を狙われたり後ろの扉をこじ開けられると困る。

「さとるさん、扉を頼みます」

さとるさんに後方に移動してもらい、オレは正面に立つ。


突っ込んで来てるのは、ざっと200人ぐらいかな?

死傷者が100人もいると思えないので逃げたやつもいるのだろう。


「くたばれ、化け物!」

足の早いやつがナイフを抜いてオレに飛びかかる。

ボウガン使えよ。

そう思いながらそいつを槍で薙ぎ払う。

槍が当たったそいつの頭から脳奬が吹き出す。

「うわぁ」

その光景を見て走っていた敵の足が止まる。

こらこら、止まると危ないぞ。

「ぎゃぁ」

後ろから走ってきた敵兵に吹き飛ばされていった。

なんだったんだろうな、あいつ?


あまり接近されると戦車に取り付かれる。

こちらも走って敵に突っ込む。

「おぉらぁ」

敵の中で槍を振るう。

正面に立つ男に槍を振り降ろす。

「ぎゃん」

男の頭が潰れる。

そのまま、槍を右に振る。

「がっ」

「ぐっ」

立っていた二人の男が揃って折れ飛んでいく。


周囲が敵だらけなので槍を振れば敵に当たる。

槍が当たった敵は頭を砕かれ、身体を折られ、倒れていく。

「くそぉぉ」

敵の一人が飛びかかってくる。

そいつを槍で貫くが勢いが良すぎて槍の半ばまで身体が刺さってしまう。

「い、今だ!」

「おぉ!」

それを見た敵がオレに抱きつこうとする。

「男に抱きつかれる趣味は無い!」

敵が刺さったままの槍を一人に振り降ろす。

「がぁ」

突き刺さった敵の死体に衝突してそいつの身体が潰れ、死体が槍から引き千切れる。

「やった!」

その隙にもう一人が腕にしがみつく。

「あほか」

反対にそいつの股間を握って思いきり腕を振るう。

「ぎゃぁぁあ」

なにかが千切れてそいつが飛んでいく。

手の中に残った不気味なモノを投げ捨てる。

「ひゃぁぁぁ」

投げ捨てたモノが顔面に張り付いた敵が腰を抜かす。


それを目の当たりにした敵がオレから距離を取ろうとする。

「おっと」

距離を取られるとボウガンで撃たれてしまう。

慌てて敵の中に突っ込む。

周囲が敵だらけの方が安全だ。


そのまま、敵が多いところを探して暴れまくる。

槍を振るう。

拳を振るう。

ときおり、敵の頭や身体を掴んで振り回す。

その度に敵が倒れていく。


「化け物め!」

いつの間にかあの青年の前にまで来ていた。

どうやら、敵陣を突破してしまったようだ。

後ろを振り替えるとオレが歩いてきた場所には千切れた死体や潰れた死体が大量に転がっている。

戦いの最中に何本か矢が身体に刺さっているがどれも深くは無いので大丈夫だろう。


「貴様は本物の化物だ!」

震える指でオレを指差す。

ケンカを売っておいて負けそうになって文句を言うなよ。

シラケるだろ。


戦車からはオレが居ないところを狙って矢が降り注いでいる。

後方からも矢が降り注ぐ。

オレが無茶苦茶に暴れたので敵陣は崩壊して、生き残りはすでに逃亡を始めている。


「鬼退治は失敗だな、桃太郎くん」

青年に槍を突き付ける。

「貴様だけは許さん!」

青年がボウガンを構える。

「許していらんな!」

オレは槍を繰り出す。

放たれた矢がオレの顔を掠める。

繰り出した槍が青年の喉を貫いた。


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